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ももクロ破竹の7連勝!「試練の七番勝負 episode.3」後半戦

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ももいろクローバーZが1月28日~2月3日の7日間にわたり、東京・東京キネマ倶楽部にて異業種ゲストとのトークバトルイベント「ももクロ試練の七番勝負 episode.3」を開催した。このレポート後編では第4戦~第7戦の模様をお届けする。

第4戦「ももクロ VS. 映画」

第4戦の刺客として登場したのは、人気ドラマ「踊る大捜査線」シリーズなどで知られる映画監督の本広克行。監督が今回の七番勝負を引き受けた理由は「周りのクリエイターのスタッフが全員モノノフ」だったからだという。またこの日は山里亮太(南海キャンディーズ)とバナナマンの設楽統、日村勇紀が勝負の行方を見守る“見届け人”を務めた。

トーク前半は、ももクロの5人が「映画監督とはどんな仕事か」という基本的な質問をはじめ「監督はNGを連発されるとイライラするのか」「泣く演技をする時はリハーサルでも涙を流すのか」などの率直な疑問を監督にぶつけたり、「踊る大捜査線」をはじめとする本広監督の代表作について「どの部分がCGで作られているか」「映画に隠されている車のナンバーの意味」といった普段なかなか語られない映画作りの秘密に迫った。中盤の「ももクロと映画」のコーナーではももクロメンバーの好きな映画を紹介。「トイ・ストーリー3」を挙げた佐々木彩夏は「小さい頃からぬいぐるみには心があると思って遊んでたから『あ、本当に(心が)あるんだ』って確信しました」と好きな理由を述べた。そして玉井詩織は「20世紀少年」(現実ではありえない映画が好きで観ててどうなるかワクワクするから)、有安杏果は「スピード」(手に汗握る疾走感とスケールの大きさ。止まらないスリリングな感じがあるから)、高城れには「誰も知らない」(出演者が見せる表情1つひとつのリアリティがすごいから)、百田夏菜子は「トワイライト」(映画はハッピーエンドが好きだから)とそれぞれ好きな作品への思い入れを語った。

この日最後のコーナーは、メンバーが実際に演技に挑戦する「本広流演技指導」。ライブ終了後の控え室での会話をもとにした台本が用意され、川上マネージャー役はバナナマン日村が担当した。数回の本読みと監督の演技指導を経て、最終的には台本なしで演技することに。直前でマネージャー役を急遽日村から山里亮太に交代することとなり、練習をまったくしていない山里がセリフを飛ばしてしまうハプニングもあったが、ももクロの5人がとっさにアドリブを加えることで、ほぼ台本通りの演技が成立した。本広監督は「あーりん(佐々木)の切り込みがうまい。あと2、3回やるとグッとくる青春映画になる」と5人の演技を絶賛。「メンバーの誰かが(映画やドラマの)主演をしたら、その主題歌をももクロが歌うというのが目標」と語ったももクロに対し、監督は「本当に映画を一緒にやりたいですね」と感想を述べた。

第5戦「ももクロ VS. 政治」

第5戦には、歴代のゲストの中でももっとも異色と言える第二次安倍内閣内閣官房参与、飯島勲が登場した。あまりにも意外な顔合わせだが、実は飯島参与の孫が大のももクロファンとのことで「(ももクロは)人気があってなかなかチケットが手に入らない。どうやって購入したらいいか」と考えていた折に、ちょうど「七番勝負」のオファーがあったため「孫のために」と引き受けたという。またこの日は見届け人も初登場のカンニング竹山が務めるという異例づくしの展開に。竹山は初登場ながら、難しい政治の話題をわかりやすく噛み砕く名アシストぶりを見せた。

「政治家はアイドルを見習うべき」というトークテーマでは、飯島が「(ももクロのファンは)ももクロがマジメで信用できる、一生懸命やっているとわかっているから応援する」と語り「ファンがももクロを応援するということと、国民が政治家を支持するという関係は似ている」と説明。飯島はさらに「スタッフと『主役』の関係性」というトークテーマで、ももクロの活動をさまざまなスタッフが支えているのと同様、政治組織も多くの人が関わっていることなどを例に挙げ、周囲のスタッフの大切さをももクロの5人に説いた。そして「教えて!飯島参与」のコーナーでは「なぜ日本の総理大臣はすぐに変わってしまうのですか?」「安倍総理は憲法を変えたがっているのですか?」「格差社会と言われていますがなぜ『格差』が起こるのですか?」「原発は本当に必要なんですか?」「私たちのようなアイドルという存在が国のために役立つことはありますか?」といったももクロからの政治に対する素朴な疑問に、飯島参与が次々と意見を回答。通常なかなか聞くことのない内閣参与の回答に、観客も興味深く耳を傾けていた。

トーク終了後、ももクロがしっかりと政治を学べたかという判定に対し、飯島参与は迷わず「合格」のボタンを押した。そして「ファンの人に聞きたいんだけど、こういうライブだけじゃなくて政治のことに目を向けるだけでも勉強になった。この時間だけでも合格だよね?」と問いかけると、観客も大きな拍手を送ってこれに賛同。メンバーも「私たちもこうやって政治を学べたし、みんなも政治を学ぶきっかけになったのならそれだけでもうれしい(佐々木)」「私たちの意見だけじゃなくて政治をやっている人からの意見が聞けてすごく良かった(高城)」「今日のために少しみんなで勉強したとき、すごくいろんな疑問が生まれたり、これってどうしてだろうとすごく興味が湧いてきたので、ちょっと触れてみるだけでも違うんだなっていうことがわかりました(百田)」と感想を伝えた。これを受け、飯島参与は「ありがとうございます。今日は来た甲斐がありました。孫のDVDを借りて時間があったら聴く、観るようにします」と“モノノフ(ももクロの熱心なファン)”宣言。最後に玉井が「皆さんも政治に興味を持ってこれから本当にいい日本を目指したいですね」と感想を語り、緊張の第5戦は幕を下ろした。

第6戦「ももクロ VS. お父さん」

コラムニストの勝谷誠彦をゲストに迎えた第6戦「ももクロ VS. お父さん」は、基本的に打ち合わせなしのフリートークで展開。勝谷は自身の戦場での経験や食べ物の話などを通じ、“お父さん”世代がももクロに伝えたいこととして「日本人の若者が海外に出ない。ネットで見てわかったような気がするが全然それは違う。行かなければわからない。味やにおいを自分で感じることが大切。直接入ってくるものを大切にしてほしい」と実際にさまざまな場所に足を運んで、自分の目や耳で感じたり味わうことの大切さを熱弁した。

また「みんなで詞を作ろう」のコーナーでは、15歳から詞を書き続けているという勝谷が、ももクロの5人が挙げた好きな言葉「人事を尽くして天命を待つ(佐々木)」「奇跡(有安)」「ENJOY(百田)」「未来と自分は変えられる(玉井)」「助けて(高城)」を使ってその場で詞を制作。トークを終えた勝谷は、「紅白という夢が叶ったんですけど、次はまだ国立(競技場)という大きな目標があるので次はそこを目指して……」と語る百田に対し、「いや、その先には世界が広がってるから。ももクロはまさに日本なんです。日本の宝なんです。モノノフは“和”を背負ってる。詞にしても曲にしても日本を感じるんです。あなたたちが海外に行くことは、J-POPを広めるんじゃなくて、日本の国柄を広めることになるんです」とももクロにエールを送った。

さらにこの日は、終盤にメンバーにも秘密のサプライズが。「もう1人、お父さん世代でももクロにあることを伝えたいという方がいる」という紹介を受け登場したのは、松崎しげる。しげるはヒット曲「愛のメモリー」に乗せ、ももクロがこの夏、神奈川・日産スタジアムでワンマンライブ「Summer Dive 2013」を行うことを発表した。最大収容人数7万人を超えるももクロ史上最大級の会場で5人がどのような“バカ騒ぎ”を見せてくれるのか興味深いところだ。

第7戦「ももクロ VS. 浅草」

2011年の第1回開催から、ここまで無傷の20連勝で「七番勝負」を勝ち抜いてきたももクロ。通算21勝を阻止すべく現れた最後の刺客は、浅草を拠点に活動する漫才協会所属のお笑いコンビ・Wコロンだ。謎かけで大ブレイクを果たしたボケ担当・ねづっちは、ステージ上でメンバーと相対するとさっそく「整いました!」と謎かけを披露。「恵方巻きとかけまして、トイレの消臭剤ととく。その心は……ほうこうが大事なんです」と節分に合わせたネタで会場を沸かせた。さらにねづっちは、ももクロにちなんだ謎かけを2連発。これに感化されたももクロの5人も「整いました!」と勢い勇んで謎かけに挑戦したが「キネマ倶楽部とかけまして、ダチョウ倶楽部とときます。その心は……なんか似てるでしょう!(百田)」「カレーライスとかけまして、納豆とときます。その心は……意外とよく合います(玉井)」などとんちんかんなものばかり。見届け人の山里も「君たち打席には立ったけどバット持ってないよ」と呆れ顔でツッコミを入れた。

いよいよ本題のトーク、というところでWコロンの2人は「僕らだけでは心もとない」と浅草の先輩芸人を呼び込む。漫才における場面転換の「ブリッジ」を発明した東京丸・京平、ビートたけしも「兄さん」と慕う芸歴52年の切り絵師・柳谷松太郎、「たまらんぜラップ」が局地的な話題を集める浅草漫才界の革命児・ビックボーイズ、JR公認のハイレベルな鉄道モノマネで知られる立川真司、浅草芸人の“お色気担当”にゃん子・金魚と、普段浅草の演芸場を盛り上げているベテラン勢が応援に駆けつけた。高城れにはとりわけ立川のハイレベルな鉄道モノマネに目を輝かせて反応。静岡の自宅と東京を連日往復するリーダー百田も、細かすぎる新幹線のモノマネに大興奮の様子だ。

トークテーマ「浅草芸人伝説」では、奥深いキャリアを持つ浅草芸人たちの知られざるエピソードや、思わずほっこりしてしまうような“事件”の数々が明らかに。普段から観客のリクエストに応じて切り絵を披露しているベテラン柳谷は、ももクロからの「百田夏菜子のえびぞりジャンプ」を受けて切り絵を実演。参考にえびぞりジャンプを披露しようとした百田だったが、彼女のえびぞりは入念なストレッチが必要なため、急遽山里が代理でジャンプすることに。山里の努力はあまり生かされなかったものの、切り絵は百田のポニーテールまでも描き込んだハイクオリティな作品となった。

21連勝がかかった最後のジャッジは、浅草芸人満場一致で見事合格。最後にメンバーへのアドバイスを求められると、終始笑顔の東京丸は「アドバイスの付けようがないぐらい素晴らしいです! 毎日毎日前進してください。もっともっと大きくなって世界のももクロになってください」と5人を絶賛した。また立川は「私は地方にいくときは必ず前乗りして現地を徹底調査します。駅員の名札も確認してネタに取り入れたり。行った先の地理的な条件を調査するといいですよ」と各地を駆け回るパフォーマーとしての極意を伝授。ビックボーイズの羽生愁平は「僕は女子プロレスを40年近く応援してるけど、皆さんはへたなプロレスラーよりも佇まいができている。できれば女子プロのビックマッチでその熱を伝えてください」と個人的な願いを届けた。そして最後はメンバーから、落語を題材にした桃黒亭一門のナンバー「ニッポン笑顔百景」をプレゼント。初めて彼女たちのパフォーマンスを目の前で堪能したWコロン木曽さんちゅうは「最近芸人たちがみんなももクロのファンになってるけど、その気持ちがわかりました。この目が合った瞬間のキュンキュンする気持ちはなんだろう(笑)」とすっかりハマッてしまった様子で、メンバーからライブの誘いを受けると「行きますよ、だってモノノフなんだもん!」と宣言した。

2011年の第1回から見届け人を続けてきた山里は、今回の7戦を振り返り「ああ、もうももクロちゃんだけでも十分戦えるんだなと思いました」とコメント。「めちゃめちゃ強くなったし、今年も1年がんばってくれ」と笑顔でステージをあとにした。トークによる異種格闘戦を勝ち抜いたももクロのさらなる進化に期待しておこう。

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