「PEOPLE 1 2022 SS TOUR "PEOPLE+"」は、昨年行われた「ベッドルーム大衆音楽」以来、PEOPLE 1にとって2度目となるツアー。彼らは5月4日の東京・WWW X公演を皮切りに全国5都市を巡り、このSpotify O-EASTにてツアーファイナルを迎えた。
開演時刻を迎え、「怪獣」「銃の部品」などのMVを手がけるGROUPN監修のセットが眼前に広がる中、観客は期待感に胸を膨らませる。程なくしてオリジナルのSEが流れ、サポートメンバーのHajime Taguchiとベントラーカオルを引き連れた3人がステージに登場。彼らは「怪獣」でライブの火蓋を切って落とした。さらに「さよならミュージック」がノンストップで畳みかけられ、勢いのあるパフォーマンスで序盤から会場は強い熱気に包まれる。「BUTTER COOKIES」でDeu(Vo, G, B, Other)がお立ち台に上がって手拍子を煽ると、観客は力強いハンドクラップで応え、会場のムードをより一層高めていった。
MCでIto(Vo, G)が「今日初めてPEOPLE 1のライブに来た方」と呼びかけると会場の約半数が手を挙げ、PEOPLE 1の躍進を感じさせられる。その後彼らは本ツアー初披露となる「ゴースト」、Deuのメロウなラップから始まり徐々に激しさを増していく「113号室」を演奏。Itoの「最近僕の周りに幸せな報告が増えて、すごくハッピーな気持ちになってるんですけど、そんなことを思い浮かべながら歌いたいと思います」という言葉に続けて「ラヴ・ソング」が披露されると、軽やかなビートと飾り気のないポップなメロディ、5人が織りなすコーラスワークに会場は温かいムードに包まれる。ライブ序盤のアグレッシブさとは印象の異なる朗らかなパフォーマンスで、PEOPLE 1の音楽性の幅広さを見せつけられた。
ライブ中盤で彼らは、Deuが大好きだというGorillazの「Feel Good Inc.」をカバー。Itoの乾いたアコギの音色や、エフェクトのかかったDeuの歌声が会場に響き渡った。「東京」ではTakeuchi(Dr)の軽やかなドラミングやDeuが奏でるうねりの効いたベースラインに、Itoのエモーショナルな歌声がきれいに重なる。Itoの「この曲を歌うといつも泣きそうになっちゃうんですけど」という言葉に続けて「魔法の歌」がパフォーマンスされると、観客は掲げた腕を前方に振りながら、万感の思いが詰まったパフォーマンスを堪能した。
後半戦は「スクール!!」のアグレッシブな演奏でスタート。さらに5人は「フロップニク」「銃の部品」、Takeuchiの激しいドラムソロから始まる「アイワナビーフリー」を畳みかけ、バンドの攻撃的な一面を覗かせる。本編のラストではItoが「最後の4分数十秒だけでもいい意味で心を空っぽにして、明日からいろんな思いを詰め込めるような状態にできればと思います。『PEOPLE+ツアー』これにて閉幕です。ありがとうございました」と語り、「僕の心」を披露。楽曲の終盤では、あらかじめファンから募集していた歌声が流れ、大合唱が巻き起こる。フロアでは自然と手拍子が発生し、感動的なムードで本編が締めくくられた。
鳴り止まないアンコールの拍手に応えて5人が再びステージに登場し、NHK総合にて放送中の夜ドラ「カナカナ」で主題歌として使用されている新曲「YOUNG TOWN」をバンドアレンジで初披露。PEOPLE 1の持ち味の1つでもあるポップネスが詰まったこの曲を、5人はきらびやかな照明を一身に浴びながら軽やかにプレイする。そして最後にパフォーマンスされたのは「エッジワース・カイパーベルト」。DeuとItoがハンドマイクで変わる変わるにボーカルを紡いでいき、後半ではItoが拡声器で観客を煽るように歌声を届ける場面も。彼らは駆け抜けるような演奏でフロアを熱狂の渦に包み込み、2度目のツアーの幕を下ろした。
「PEOPLE 1 2022 SS TOUR "PEOPLE+"」2022年5月20日 Spotify O-EAST セットリスト
01. 怪獣
02. さよならミュージック
03. BUTTER COOKIES
04. ゴースト
05. 113号室
06. ラヴ・ソング
07. Feel Good Inc.(原曲:Gorillaz)
08. 常夜燈
09. 東京
10. 魔法の歌
11. スクール!!
12. フロップニク
13. 銃の部品
14. アイワナビーフリー
15. 僕の心
<アンコール>
16. YOUNG TOWN
17. エッジワース・カイパーベルト
PEOPLE 1 スタッフ @PEOPLE1_STAFF
音楽ナタリーでPEOPLE+ファイナルのライブレポが公開になりました! https://t.co/7KGAcYmxDq