「みんながいたから輝けた」佐藤優樹、すべての人とつんく♂への感謝を胸にモーニング娘。'21から卒業

モーニング娘。'21が昨日12月13日に東京・日本武道館で単独公演「モーニング娘。'21 コンサート『Teenage Solution ～佐藤優樹 卒業スペシャル～』」を開催。この公演をもって10期メンバーの佐藤優樹がグループおよびハロー！プロジェクトを卒業した。

2011年9月、12歳でモーニング娘。に加入した佐藤。その天真爛漫なキャラクターと豊かな表現力で、約10年間グループを牽引するメンバーの1人として活動してきた。「モーニング娘。のライブを最後にグループを卒業したい」という佐藤の強い思いが込められた今回の公演は、彼女たちにとって約2年ぶりの単独コンサート。ライブの模様はひかりTVで生中継されたほか、国内および台湾、香港の映画館137スクリーンでハロプロ史上最大規模のライブビューイングが実施された。

会場が佐藤のメンバーカラーであるエメラルドグリーン色に染まる中、黒を基調にしたきらびやかな衣装を着こなしたメンバー14人がセンターステージに登場。公演タイトルに冠された新曲「Teenage Solution」でライブの口火を切った彼女たちは、現メンバーの自己紹介ソング「女子かしまし物語（モーニング娘。'21 Ver.）」、激しいロックチューン「I surrender 愛されど愛」、各メンバーのキュートな表情が印象的な「ロマンスに目覚める妄想女子の歌」、最新アルバム「16th～That's J-POP～」からクールでダンサブルな「愛してナンが悪い!?」とドリーミーな雰囲気のバラード「泣き虫My Dream」と、振り幅のある楽曲群を披露した。

ライブ中盤では、譜久村聖、牧野真莉愛、羽賀朱音、北川莉央の4人が「二人はアベコベ」、佐藤、野中美希、横山玲奈、山崎愛生の4人が「TIME IS MONEY!」、生田衣梨奈、石田亜佑美、小田さくら、加賀楓、森戸知沙希、岡村ほまれの6人が「信じるしか！」と、「16th～That's J-POP～」収録のユニット曲をそれぞれ初パフォーマンス。「泡沫サタデーナイト！」では、弾けるような笑顔を浮かべた佐藤が、曲中のDJパートで「今まで握手会をちゃんとやらなかったり、たくさん遅刻したり、ブログを書かなくてすみませんでしたー！」と勢いよくファンに謝罪し、ほかのメンバーたちも一緒に深々と頭を下げるというコミカルな演出でオーディエンスを沸かせた。

ライブが後半戦に差し掛かると、モーニング娘。単独公演の名物である怒涛のメドレーに突入。ドラマチックなダンスパートや楽曲がマッシュアップされたトラックを交えつつ、「青春Night」「Help me!!（updated）」「One・Two・Three（updated）」「TOKYOという片隅」「君の代わりは居やしない」「愛の軍団」の6曲がノンストップで畳み掛けられた。その後各メンバーから佐藤へのメッセージが贈られるコーナーへ。北川は「佐藤さんからはたくさんの愛と学びをいただいたので、これから私に後輩ができたら受け渡す係になれたら」、牧野は「今日のヒーローは僕じゃありません。かわいい佐藤優樹さんとみんなです！」とそれぞれ発言した。

佐藤は、この日の公演で振りをたくさん間違えてしまったと明かしながら「次のコンサートに生かせるようにがんばっていきたいです。またコンサートに遊びに来てくれますか!? 今日は本当にお世話になりました！」と元気よくコメント。「ちなみに卒業は？」という小田のツッコミに「今日です」と即答し、会場から拍手と笑いが沸き起こった。

続いて石田は、涙を堪えつつ「皆さんの隣の席、空いてるじゃないですか。やっぱりそれがちょっとだけ悔しいです」「欲を言えば、私の同期の佐藤優樹という存在を、最後に直接もっとたくさんの方に観ていただきたかった」と話し、「こんな悔しいままでは終われないので、まー（佐藤）が卒業したあとのモーニング娘。も、まーが悔しがるくらいカッコいいステージをどんどん作っていきたいです」と語る。

リーダーの譜久村は「今日一緒に歌っていて、優樹ちゃんはつんく♂さんの作った楽曲が大好きなんだなと感じたり、一緒にやってきた思い出がよみがえってきたりして、なんだか切なくなったし、優樹ちゃんの卒業もやっと実感しました。卒業おめでとう」とほほえんだ。そして佐藤のことを「教科書に載っていいくらいの偉人」と表現し、「いちメンバーとしてすごく尊敬しています。優樹ちゃんがモーニング娘。に残してくれたものを、この先グループだけじゃなく、ハロー！プロジェクトにも残していけたら」と続けた。

メンバー全員による新曲「よしよししてほしいの」と、ライブでの定番曲「わがまま 気のまま 愛のジョーク」が披露されたアンコールを経て、事前に募集されたファンによる“まーちゃんコール”の音源が鳴り響くと、ライブはダブルアンコールに突入。佐藤は黒いレースにエメラルドグリーンのラインストーンが輝く衣装に身を包み、1人センターステージへと歩みを進める。「この服、光がないところで着ていると一見真っ黒なんですけど、こうやって照明さんが照らしてくれたり、カメラマンさんが写してくれたりすると、エメラルドグリーンが見えるんです。黒にエメラルドグリーンがちりばめられたこの感じは、今ステージにいる私から見える景色と同じなんですよ」と柔らかな口調で述べた佐藤。続けて「まーは今まで10年間1人でやってきたわけじゃなくて。スタッフさんやマネージャーさん、メンバーや家族、ファンの方たちが私を受け入れてくれたり、支えてくれたり、私のことを照らしてくれているから、今まーは輝いているんです」と笑みを浮かべた。

その後、自身の今の心境が歌詞に重なったという理由で選曲した「笑顔の君は太陽さ」を、佐藤は観客1人ひとりに語りかけるように力強く歌唱。曲中で「パワーをくれた大好きなメンバーに感謝を込めて拍手！ コンサートを作ってくれてメンバーのことを支えてくれた全スタッフさんに拍手！ そしてこの空気を作ってくれた皆さんに拍手！」と声を張り上げる。そして最後に、「つんく♂さん、私にたくさん素敵な楽曲と出会わせてくれて、本当にありがとうございました！」と叫んだ佐藤の目には大粒の涙が。彼女のもとへメンバーたちが一斉に駆け寄り、会場から温かく大きな拍手が贈られる中、佐藤は「またいつか会える日までね！ ばぁ～い！」と言って笑顔でステージをあとにした。

現在iTunes Store、レコチョク、moraでは、佐藤が歌唱する「笑顔の君は太陽さ」の音源を配信中。またTwitterのモーニング娘。'21マネージャーアカウントでは、佐藤がメンバーとともにこの公演を振り返るコメント映像が公開されている。