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キャプ傷彦が復活を約束「何度倒れても立ち上がってきた」

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ザ・キャプテンズが東京・渋谷milkywayで1週間連続ライブ「7DAYS☆失神天国」を開催。その最終日である1月30日のワンマンライブは、彼らの姿をひと目観ようと各地からたくさんのファンが集まり、会場は超満員の賑わいとなった。

当初はバンド結成10周年を記念して企画されていたこの7DAYSライブ。しかし2010年11月にツアー滞在先の名古屋で傷彦(Vo, G)が意識不明となり、その後の検査で脳腫瘍が発見されたため、傷彦の療養のためにこのイベントをもってバンドは活動を休止することになった。病気が発覚した傷彦だが、「手術前に1曲だけでもいいからファンの前で歌いたい」と懇願し、医師がこれを許可。活動休止前最後のライブとなるこのワンマンへの出演が実現した。

会場内では開演前にニューロティカやザ50回転ズ、鶴などたくさんのバンドからのビデオコメントを上映。ツアーなどで交友を深めた面々がザ・キャプテンズの10周年を祝福し、傷彦へのエールを贈った。続いてザ・キャプテンズの名物キャラクター・遠藤中学番長がステージに登場し、軽妙なトークで会場を沸かせつつ、バンド結成直後に撮影された仙台での貴重なライブ映像を紹介。コントを取り入れた懐かしのパフォーマンスに観客が見入っているうちに、おなじみのSEが流れてヒザシ(G)、テッド(B)、ヨースケ(Dr)が姿を現した。

ライブ開始前の定番の挨拶「初めて会ったその日から、恋の花咲くこともある。最後のグループサウンズ、ザ・キャプテンズです!」と同時にライブはスタート。いつもは傷彦が語るこのセリフは、この日はヒザシが元気いっぱいにシャウトした。不在の傷彦の穴を埋めるべく、今回のライブには多数の豪華アーティストが代わる代わるゲストボーカルとして参加。1曲目「恋のピストル(BAN・BAN・BAN)」ではウルフルケイスケが、2曲目「ハートにピットイン」では上中丈弥(THE イナズマ戦隊)が登場し、メンバーとおそろいのナポレオンジャケットをまとって熱唱した。

最初のMCではテッドが、この日3人だけでステージに立つことになった経緯を観客に説明し、バンド活動については「ちょっと休むだけだから」と早期復活を宣言。結成10周年を迎えることができたお礼として、自分たちを産んでくれた両親や支え続けてくれたファン、長年にわたって本当の子供のように扱ってくれた事務所、そして傷彦に感謝の気持ちを語った。テッドが歌う「ハングオーバー・ベートーベン」ではピアノゾンビのホネヌキマンが曲間の乾杯役で登場。ヒザシがボーカルの「あたい18歳」はジャジーなピアノとヒザシの小芝居から始まり、→school←の矢野晶裕がリードギターで参加した。

続く「フユノホタル」ではスキップカウズのイマヤスが学生服姿で現れ、さらにこの曲のリリースツアーがきっかけでザ・キャプテンズを担当することになったという多田マネージャーもボーカルとして参加。これまでのアッパーな曲調と一転したフィル・スペクター風サウンドに乗せてイマヤスはしっとりと歌い上げるが、多田マネージャーが歌うパートになると、手持ち無沙汰になったイマヤスはスキンシップと称して客席に降りて暴れ始め、バラードにもかかわらず最後は会場をメチャクチャに引っ掻き回してステージを去っていった。

次にゲスト出演したのはGELUGUGUのサックス奏者・AZU。ザ・キャプテンズの大ファンでライブにも頻繁に足を運んでいるという彼は、ライブでもあまり演奏されていない楽曲「夕陽が堕ちてくる」を「一番好きな曲」としてリクエストし、バンドを人一倍愛する彼ならではの思い入れたっぷりな歌声で会場を沸かせた。AZUはそのままヨースケがボーカルを取る「嵐を呼ぶ男」にもサックスで参加。ヨースケは7日間連続のライブで完全に声を枯らしていたが、「今日が終わったらしばらくライブできないから、もうどうなったっていいんだよ!」と、イベントのフィナーレに向けて精一杯声を振り絞って絶叫した。

この日最後のゲストとして忍者バンド、音影の櫻心寺李維(Vo)と武蔵坊鬼丸(G)が登場すると、彼らはヌンチャクを振り回しながらアクロバティックに「The Love Ninja」を演奏。引き続き音影を迎えて「恋は赤道直下」がスタートすると満員の会場は床が揺れるほどの熱狂となり、曲中のヒザシによる振り付け講座ではイマヤスやAZUらも再びステージに姿を現した。

そしてラストナンバーを歌うべく、いよいよお待ちかねの傷彦が会場に到着。客席後方から颯爽と現れた彼が、荒ぶる観客の波を超えてステージにたどり着くと「失神天国~恋をしようよ~」がスタートした。カリスマ性あふれるバンドの中心人物の登場に、それまでの空気が一変。バラを片手に傷彦がフロアに降り、おなじみの失神パフォーマンスが行われると、盛大な「傷彦コール」が会場中に巻き起こった。

曲が終わって傷彦がステージに戻ると、この日が初披露だった新しい衣装のパンツが、あまりの盛り上がりのために裂けていたことが発覚。マネージャーがテープを足に巻きつけ必死に修繕している中でも、傷彦は冷静に「何を着てたって王子は王子だからね」と胸中を語っていた。

悲鳴にも近いアンコールを受けてメンバーが再度ステージに現れると、傷彦は来場者に向けて「僕は来月、脳腫瘍の手術をします。でも大丈夫。この1週間でたくさんの人に愛をもらったから」「10年間活動をしてきて、僕はライブで何度も何度も倒れてきました。でも一度だって立ち上がらなかったことはない。薔薇王子の華麗なる復活をどうぞお楽しみに!」と復活を宣言。この日のゲストたちを壇上に迎えて全員でザ・スパイダースのカバー「バン・バン・バン」を合唱し、曲が終わると傷彦がゲスト1人ひとりと抱き合った。

計2曲を歌い終えた傷彦だが、「まだもう1曲歌いたい曲があるんだ」と語りまたステージに登場。ヒザシが「一旦、区切りがつくけど、また戻ってくるからね! 元気で会おうぜ!」、テッドが「7DAYSは傷彦がいなくて大変でした。でも傷彦に鍛えられていたのでやることができました」、ヨースケが「終わる気がしないと思いました。みんながビックリするくらい早く帰ってくるかもしれないけど、怒らないでください」とライブ終了の感想を述べ、傷彦も「また必ず帰ってくるよ。だって新しい衣装作ったばっかりだし、新曲も作ってますし」と話した。

最後に演奏されたのは「恋のゼロハン」。一般的な活動休止ライブのような悲しさや寂しさのない、彼ららしい笑顔に満ちたパフォーマンスで7DAYSライブはフィナーレを迎えた。イベントが終了し場内に客電がついても、彼らに向けての拍手はしばらくの間鳴り止むことはなかった。

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