6月の栃木公演を皮切りに全国14都市でライブを繰り広げてきたハナレグミ。追加公演となったこの日のステージで彼はアンコールを含む全21曲を届け、持ち前の表情豊かな歌声で満員の観客を魅了した。
定刻過ぎ、オープニングSEのトム・ぺティ「Wildflowers」が流れる中、バンドメンバーの石井マサユキ(G)、伊賀航(B)、菅沼雄太(Dr)、YOSSY(Key /
恒例のコール&アンドレスポンスが行われた「あいまいにあまい愛のまにまに」や、「音タイム」「レター」といったハナレグミのサニーサイドを代表する晴れやかな楽曲が届けられたのち、永積がアコースティックギターで「家族の風景」のイントロを爪弾くと会場のムードは一変。静まり返った場内を彼のメロウな歌声がゆっくりと満たしていく。続く「旅に出ると」で永積は、レゲエアレンジが施された楽曲に乗せてラガマフィン調のフリースタイルラップや「上を向いて歩こう」のフレーズを織り交ぜながらフロアを陽気に盛り上げいった。
大きな影響を受けたというアメリカの公民権運動「フリーダムライド」をテーマにした「フリーダムライダー」を歌唱すると、永積は大阪公演の際に初めて訪れた太陽の塔でのエピソードを語る。「太陽の塔を前にして、とにかく感動するなと思ったんだけど、その感動がなんなのかはわからなくて。うれしいでも、悲しいでも、悔しいでもなくて。なんだかわからないけど感動してる。でも、そういう感覚ってすごく大事だと思うんです。声に出さず、感情を“間”に込めると言うか。そういった曖昧さに、たくさんの救いがあるような気がして」。そんな思いの丈を観客に訥々とした口調で伝えると、彼は自らが演奏するピアノの調べに乗せて「深呼吸」を歌い上げた。「Spark」で情熱的な歌声を聞かせると、永積はアナログシンセサイザーを操り場内にコズミックなサウンドをひとしきり響かせたのち、ダンサブルなファンクチューン「Primal Dancer」へ。バンドが繰り出すグルーヴィなサウンドに観客は心地よさそうに体を揺らしていた。
軽快なスカチューン「太陽と月」に続けて演奏された「オアシス」では、カリプソのリズムに乗せ永積が敬愛するマイケル・ジャクソンふうのダンスを披露したり、「今夜はブギー・バック」のラップパートをアドリブでインサートしたりと自由度の高いパフォーマンスを展開。本編最後の「明日天気になれ」では、「どいつもこいつも騒げー!」という永積のシャウトに合わせて観客が一斉に快哉を叫んだ。
盛大なアンコールの声に応えて永積とバンドは再びステージに登場。「この瞬間、会場をスナックにするから! 社長さんにゴマするみたいな感じで、みんな盛り上がってね!」というMCから「オリビアを聴きながら」の演奏がスタートする。しかし、しばらく歌ったところで永積は不満そうな表情を浮かべて演奏をストップしてしまう。そして客席に向かって「もっと社長にゴマすってよ。そんな盛り上がりじゃ商談成立しないよ!(笑)」と観客に奮起を促す。演奏が再開すると観客は、彼がワンフレーズ歌うたびに凄まじい歓声を上げ、サビを大合唱するなどステージを大いに盛り上げた。「光と影」の演奏後にバンドメンバーがステージからはけると、永積は観客に感謝の言葉を述べたのち、アコースティックギターを手にして「きみはぼくのともだち」と「サヨナラCOLOR」を弾き語りで披露。「また会いましょう」と客席に深く一礼してステージをあとにした。
ハナレグミ「2018 ツアー ど真ん中」追加公演
2018年8月7日 新木場STUDIO COAST セットリスト
01. ぼくはぼくでいるのが
02. ブルーベリーガム
03. My California
04. 無印良人
05. 大安
06. あいまいにあまい愛のまにまに
07. 音タイム
08. レター
09. 家族の風景
10. 旅に出ると
11. フリーダムライダー
12. 深呼吸
13. Spark
14. Primal Dancer
15. 太陽の月
16. オアシス
17. 明日天気になれ
<アンコール>
18. オリビアを聴きながら
19. 光と影
20. きみはぼくのともだち
21. サヨナラCOLOR
リンク
- ハナレグミ official website
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kizkiz @kizkiz
おぉ……フジロックでもツアーファイナルでもさよならCOLORやってる!ええなー。大阪ではなぜやらなかったの~
https://t.co/cvriRRzWmD