2015年10月以来の野音単独公演となった今回。晴れバンドの彼ららしく天気にも恵まれ、涼しい風が吹く中、2部構成でライブが行われた。この日は柳下“DAYO”武史(G)のソロパフォーマンスでライブは幕開け。彼が軽妙なフレーズを弾いていると宮原“TOYIN”良太(Dr)が合流し、2人による「Yagi&Ryota」のセッションが展開された。
続いて芹澤“REMI”優真(Key)と又吉“SEGUN”優也(B)が加わり、「Tomorrow」へ。柳下、芹澤、又吉はメインフレーズを交代しながら奏でていく。曲の中盤に差し掛かるとテンポアップし、メンバーは息の合ったプレイを繰り広げながら高揚感を作り出した。4人はおなじみの楽曲もイントロを加えたり、CDとは異なるアレンジを施したり、各曲を現在のSPECIAL OTHERSサウンドにアップデートして披露。芹澤の弾く丸くきらびやかな音色から導かれるように始まった「Wait for The Sun」では宮原が多彩なリズムを刻み、「Good morning」ではリバーブのかかった宮原と芹澤の歌声が風に乗って伸びやかに広がっていく。メンバーは曲と曲の間にジャムセッションを挟み込み、オーディエンスをひたすら心地よくさせていった。
インターバルを挟んでの2nd SETは、4人がリラックスした表情で音を鳴らすところからスタート。陽気なアンサンブルが紡がれる「Go home」、柳下のつま弾く跳ねるような旋律や又吉が重いグルーブを生み出す「Week」と続き、観客はクラップをしたり、踊ったりと思い思いのスタイルでバンドのパフォーマンスを楽しむ。「sunrise」が始まる前には柳下がアコースティックギター、又吉が小太鼓、宮原がボンゴ、芹澤が鍵盤ハーモニカを手にステージの中央に集まる。そして丁寧に音を重ね、夕暮れどきの日比谷をノスタルジックな空気で包み込んだ。その後、柳下、又吉、宮原が定位置に再びスタンバイする中、芹澤は1人ステージに残り「Laurentech」のメインフレーズを鍵盤ハーモニカで吹く。なんの曲が始まるか察したオーディエンスは興奮気味の歓声を上げ、曲が本格的に始まると大きなクラップでライブの定番曲を盛り上げた。
本編唯一のMCでは芹澤が「いいよね、野音。日比谷の真ん中でこんな大きな音が出せるなんてね」と気持ちよさそうに目を細め、柳下は「天気もよくて晴れバンドとしての面目を保てました」と前回の野音に続いて快晴に恵まれたことを喜ぶ。芹澤と宮原が気ままにトークをする中、又吉は「眺めがいいです。みんなも楽しそうでよかった」と穏やかに述べた。その後、又吉の「そろそろやろっかな」のひと言を合図に、4人はこの日一番のアグレッシブなプレイで「PB」をパフォーマンスし、2nd SETを締めくくった。
アンコールでメンバーはお酒を手にステージへ。アコースティック編成のSPECIAL OTHERS ACOUSTICの新作アルバム「Telepathy」のリリースと、レコ発ツアーの追加公演の開催を告知し、4灯のライトを背に浴びながら「LIGHT」をセッション。曲のクライマックスではステージ中の照明が激しく光り、4人の影を克明に浮かび上がらせた。ひさびさの野音公演を終えたSPECIAL OTHERSは、5月26日からSPECIAL OTHERS ACOUSTICとしてのツアーに乗り出す。
SPECIAL OTHERS「SPECIAL OTHERS 野音2018(QUTIMA Ver.24)」2018年4月30日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト
1st SET
01. Yagi&Ryota
02. Tomorrow
03. Wait for The Sun
04. Good morning
05. All Things
2nd SET
01. Go home
02. Week
03. sunrise
04. Laurentech
05. PB
<アンコール>
06. LIGHT
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志池 一利 @cazoo_ck
【ライブレポート】晴れバンドSPECIAL OTHERS、快晴の野音で心地よい空間作り出す - 音楽ナタリー https://t.co/YPu69dqqqe