マイヘア、ボイガルら4組「スペシャ列伝」で“魂に響く”熱演

スペースシャワーTVが主催するライブイベント「スペースシャワー列伝15周年記念公演 第128巻 ～魂響（たまゆら）の宴～」が、11月18日に東京・新宿LOFTで開催された。

今回の公演にはTHE BOYS&GIRLS、最終少女ひかさ、My Hair is Badが出演。またバーステージではカネコアヤノが弾き語りライブを行った。

最初にステージに登場したのは、北海道出身、札幌市在住の4人組バンド・THE BOYS&GIRLS。彼らは昨年10月の「スペースシャワー列伝」で同会場のバーステージに出演しており、バンドはワタナベシンゴ（Vo）による「『スペースシャワー列伝』バーステージ生まれ、バーステージ育ち、THE BOYS&GIRLS始めます！」という言葉からライブをスタートさせた。ファンは1曲目「パレードは続く」から拳を上げバンドとともにシンガロングするなど、場内はさっそく熱気に包まれていく。中盤にはワタナベが、昨年のバーステージでの「列伝」出演について「バーステージには10人くらいで、メインステージには500人くらい。楽しかったし、うれしかったけど、悔しかった」と振り返る。そして「で、今、こっち（メインステージ）に立てるの、本当にうれしい」と笑顔を見せた。ワタナベは「ロマンチックな夜の闇」の歌詞の一部を「LOFT」「列伝の夜」などに替えながら熱唱。最後にはフロアへ進み、「バンド辞めなくてよかったよ！」と喜びを爆発させた。

バーステージのカネコアヤノは「休憩がてら座って聴いていってください」と呼びかけ、ファンは座って彼女のライブを堪能した。カネコは「めっちゃ緊張して震えるんですよ」と言い生配信用のカメラに向けて震える手を見せたりしながら、堂々とノスタルジックなナンバーを歌唱していった。

ステージの前に張られた幕が上がりきる前から演奏を始めたのは、北海道出身の5人組バンド・最終少女ひかさ。但野正和（Vo）が長い髪の毛を振り乱しながら「何しに来たの、あんたら！」と観客を煽り、バンドは「かつき」「関係者でてこい」といったロックンロールナンバーをプレイしていった。山田駿旗（G）のギターに乗せてしっとりと始まった「ピカピカ」では但野が生配信用のカメラとライブハウスの観客を見比べ「（観ている人数は）どっちが多い？ たぶんこっち（配信）のほうが多いと思う。でもごめんね。俺は目の前（の観客）に歌うから」と熱い思いを語る。そしてプレイヤー陣の力強い演奏にあわせて、声を張り上げるように熱唱。曲の終わりにはフロアへ進み、観客に囲まれる中ピースサインを掲げた。ラストナンバー「いぎありわっしょい」ではラモネス（Key）が小さい体でキーボードを持ち上げ、小野寺宏太（B）と背中合わせで演奏するなど、5人は最後までダイナミックなパフォーマンスで観客を魅了した。

カネコアヤノの2ndステージを挟み、メインステージには新潟県上越市出身の3人組バンド・My Hair is Badが登場。椎木知仁（G, Vo）は息を大きく吸い込んで、静かに「真赤」を歌い始めた。途中から山本大樹（B, Cho）と山田淳（Dr）も加わり、パワフルなアンサンブルが場内に広がってっいった。バンドは、椎木によるポエトリーリーディングを織り交ぜながらエモーショルにライブを展開。「クリサンセマム」の演奏前には椎木が、4年前に「スペースシャワー列伝」に好きなバンドを観に行き「追いついてやる。追い抜いてやる」と思ったと明かす。そして「クリサンセマム」へとなだれ込むと、3人はしゃがみこんだり跳ねたりと感情を吐き出すように暴れながら演奏した。観客が息を飲むようにじっと彼らを観守る中、最後に椎木は「スペースシャワー列伝」に出演できたことへの感謝を述べ、4年前を振り返ると「俺はあの日観たあのバンドともう変わらないところにいるんだと思ってる。俺も誰かを救えるって思ってる」と口にし、「優しさの行方」を丁寧に届けた。アンコールでは椎木が「いつまでも続きますように」と短く語り、バンドは「ドラマみたいだ」でイベントを締めくくった。

なおスペースシャワーTVではこの日のライブの模様を12月17日（木）の24:00よりオンエア。番組ではバックステージの様子も観ることができるので、視聴環境のあるファンはお観逃しなく。