高橋幸宏、トリオ編成でアットホームな教会ライブ大団円

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高橋幸宏が6月11日に東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペルにて「Yukihiro Takahashi Especial Live“Heart of Hurt 2014”」を開催した。

高橋幸宏とは?

1952年生まれ、東京都出身。高校時代からスタジオミュージシャンとして活躍し、武蔵野美術大学在学中の1972年にサディスティック・ミカ・バンドへドラマーとして加入。その後1978年に細野晴臣、坂本龍一とともにYELLOW MAGIC ORCHESTRA(YMO)を結成し国内外に大きな影響を残こし、1983年に「散開」。その後ソロ活動と併行し鈴木慶一とのユニットTHE BEATNIKSや、原田知世、高野寛らと結成したpupaなどで活躍する。また細野とのユニットSKETCH SHOWや、SKETCH SHOWに坂本が加わったHASYMOやYMOなど、名義を使い分け不定期に活動。ソロとしては、1978年の「Saravah!」以降コンスタントにアルバムを発表し続けた。2013年7月には、ジェームス・イハなどを迎えた新バンド「In Phase」とともに、バンドサウンドを展開したオリジナルアルバム「LIFE ANEW」を発表した。2014年1月に小山田圭吾(Cornelius)、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井の5人をメンバーに迎えたバンド「高橋幸宏 & METAFIVE」として一夜限りのスペシャルライブを実施する。このステージが好評を集め、その後も複数のライブイベントに出演。同年9月公開の映画「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」ではエンディングテーマ「Split Spirit」を書き下ろし、翌2015年にはグループ名を「METAFIVE」へと改めた。 2022年に音楽活動50周年を迎え、同年9月には親交のあるアーティストたちが出演するアニバーサリーライブが行われた。2023年1月11日、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎で70歳で亡くなった。

高橋幸宏「Yukihiro Takahashi Especial Live“Heart of Hurt 2014”」東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル公演の様子。

高橋幸宏「Yukihiro Takahashi Especial Live“Heart of Hurt 2014”」東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル公演の様子。 [拡大]

高橋幸宏「Yukihiro Takahashi Especial Live“Heart of Hurt 2014”」東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル公演の様子。

高橋幸宏「Yukihiro Takahashi Especial Live“Heart of Hurt 2014”」東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル公演の様子。 [拡大]

高橋幸宏

高橋幸宏 [拡大]

このライブツアーは幸宏の「できる限り小編成で、お客さんと近いライブをやりたいな」という発言をきっかけに企画されたもので、メンバーは幸宏、ギタリストの佐橋佳幸、キーボーディストの堀江博久の3人。ツアー初日となる東京公演には満員のオーディエンスが詰めかけ、およそ2時間におよぶステージを存分に味わった。

照明が落ち、チャペルにSEが鳴り響く中メンバーとともに登場した幸宏は、少し緊張した面持ちで「今日はちょっとあがってます」と話す。オーディエンスが温かい拍手でそのMCに応えると、幸宏はアコースティックギターを手に「犬になれたら」からライブをスタートさせる。続いて披露された「BETSU-NI」の演奏が終わると幸宏は「2曲やっちゃえばこっちのものですよ」とリラックスした表情で語り、傍らに置いてあったドラムマシーンのスイッチを入れダイアナ・クラールのカバー「The Look Of Love」をプレイ。幸宏のオリジナル曲とカバー曲を織り交ぜたセットリストでオーディエンスを魅了した。

幸宏は楽曲の合間にドラムマシーンの設定を変えようとするが、旧式の機材のため思い通りのリズムにするのに時間がかかる。作業中は佐橋と堀江がMCをして場をつなぐものの、機材をいじる幸宏を見て佐橋が思わず「ご飯作ってるみたいだね」と漏らす。2人の会話がずっと気になっていた幸宏は作業そっちのけで談笑に加わってしまうなど、MCでは普段の3人の関係性を伺わせるアットホームなやり取りを展開。また幸宏が学生時代に観た映画「セシルの歓び」の挿入歌「Do You Want To Marry Me」のカバーの演奏では、途中で歌詞が飛んでしまった幸宏を佐橋がギターソロでカバーするなど息の合ったパフォーマンスを見せつけた。

休憩を挟み、ライブが後半に入ると幸宏の「巻いていきましょう」のひと言から「今の僕から」「I Saw The Light」「IN THIS LIFE」などがテンポよく披露される。幸宏の「じっくり聴くと胸に染みる詞です」のMCから繰り出された「The Old Friends Cottage」では、幸宏のボーカルに佐橋と堀江のコーラスワークが重なり、3人の優しい歌声がチャペルを包み込んだ。ライブがいよいよ大詰めを迎えると幸宏の「本編最後の曲です」のひと言から、ジャッキー・デシャノンのカバー「What The World Needs Now Is Love」を演奏する。曲のアウトロで幸宏は「どうもありがとう」とオーディエンスに感謝の言葉を述べると、オーディエンスによる盛大な拍手が沸き起こり、ライブ本編は幕を下ろした。

3人がステージを後にしても拍手は鳴り止まず、ライブはアンコールに突入。定位置についた幸宏は「さっきの曲、もう1回やってもいいかな」とメンバーに伝え、先ほど歌詞が飛んでしまった「Do You Want To Marry Me」を再びプレイする。演奏を終えた幸宏は「ここからが本当のアンコールだから」と前置きし、幸宏の代表曲「今日の空」を含む3曲を披露。チャペルは幸せな空気に包まれ大団円を迎えた。

高橋幸宏 with 佐橋佳幸、堀江博久「Yukihiro Takahashi Especial Live “Heart of Hurt 2014”」
2014年6月11日 東京都 キリスト品川教会 グローリア・チャペル セットリスト(カッコ内はオリジナルアーティスト)

01. 犬になれたら
02. BETSU-NI
03. The Look Of Love(ダイアナ・クラール)
04. Helpless(Crosby, Stills, Nash & Young)
05. 元気ならうれしいね
06. ETERNALLY
07. Turn Down Day(The Cyrkle)
08. Do You Want To Marry Me(映画「セシルの歓び」挿入歌)
09. Valerie
10. 今の僕から…
11. I Saw The Light(トッド・ラングレン)
12. IN THIS LIFE
13. I'LL BE HOME(ランディ・ニューマン)
14. The Old Friends Cottage
15. 僕は待っているよ
16. What The World Needs Now Is Love(ジャッキー・デシャノン)

※アンコールは割愛しています。

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読者の反応

布施雄一郎 @MRYF1968

雰囲気はとてもアットホームでしたが、音楽の響きは荘厳でした。⇒【ナタリー】高橋幸宏、トリオ編成でアットホームな教会ライブ大団円 http://t.co/0kTcrNdd7q

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