フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2025

フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2025

今年の要注目アクトをライター4人が徹底解説! あなたは誰を観に行きますか…?

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本人が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • TYO GQOM(7/26 GAN-BAN SQUARE)
  • YOUR SONG IS GOOD(7/26 PYRAMID GARDEN)
  • The Hives(7/27 RED MARQUEE)

「今年の注目アクト」というお題をいただきつつも、「FUJI ROCK FESTIVAL」を筆頭にフェスティバルという“場”に魅せられて育った立場として、私からは会場やプログラム内のシナジーが期待できそうなアーティストを軸に選ばせてもらった。

まずはVulfpeckや山下達郎など意外性と“らしさ”あふれるブッキングが際立ったフジロックから。1組目は、南アフリカ発のダンスミュージック「Gqom」を看板に掲げるDJクルー・TYO GQOM(トウキョウゴム)を推したい。深夜パーティ会場として定着しつつあるGAN-BAN SQUAREは、深夜のメイン会場・RED MARQUEEとは異なるタイプのDJアクトを中心に迎えて盛り上がっているが、そんなオルタナティブな場で浴びるカオティックな重低音やさわやかなアフロハウスサウンドが、フジロック音楽体験の幅をさらに広げてくれるに違いない。

TYO GQOM - March 2025 | TSUNAGU

2組目は、2022年にWHITE STAGEを沸かせて以来の出演となるYOUR SONG IS GOOD。これまでGREEN STAGEトップバッターから、最終日深夜レッドのオーラスまで、さまざまな立ち位置でフジの風景を彩ってきた彼らが、2025年はCANDLE JUNEがディレクションする僻地・PYRAMID GARDENに登場する。フジのコンセプトへの共感から誕生し、神秘的な風合いすら漂うこのステージで、ユアソンのトロピカルなサウンドがどう響くのか、今から楽しみだ。

YOUR SONG IS GOOD「On」(FUJI ROCK 22)

そして最後は、うれしくも悩ましい日曜ヘッドライナーの中から、The Hivesに1票。Vampire WeekendやHaimと並んでインディーロックファンでなくとも1つに選ぶのが難しいところだが、そこをコメディ一歩手前のステージアクションとストレートなロックサウンドで確実に盛り上げてくれる彼らに託してみるのはどうか。00年代のガレージリバイバル期から変わらぬエンタテインメント性を貫く彼らのパフォーマンスには、夏の思い出のハイライトにふさわしい興奮をもたらしてくれるに違いない。

The Hives「Paint A Picture」ミュージックビデオ

サマソニで観るべき3組

  • J. バルヴィン(8/16大阪AIR STAGE・8/17東京MARINE STAGE)
  • m-flo(8/16 MIDNIGHT SONIC curated by m-flo)
  • CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(8/17大阪 PAVILION STAGE)

続いて「SUMMER SONIC」に移ろう。初期はロックフェスとしてカテゴライズされがちだった同フェスだが、これまでEDM、J-POP、アイドルなど、時代の“新機軸”をメインステージに取り入れてその裾野を広げてきた。そして2025年はラテン勢の存在がその枠となりそうだし、中でも初来日公演が2018年サマソニだったJ. バルヴィンの“凱旋”は見逃せない。その後スーパーボウルのハーフタイムショーや「Coachella Valley Music and Arts Festival」など年々規模やスキルが増すパフォーマンスシップを配信越しでしか観られなかった身として、生で体験できる機会は貴重だ。同日のステージには共演経験のあるカミラ・カベロも出演するし、この日は何かが起こる予感しかない。

J Balvin, Omega「KLK」ミュージックビデオ

2組目は単独アクトというより、キュレーターとしてのm-floに注目したい。1日目、2日目の深夜に幕張メッセで開催される「MIDNIGHT SONIC curated by m-flo」を取り仕切るとあって、昨年の熱演を目にした人や、リアルタイム世代でなくとも胸が高鳴るはずだ。TERIYAKI BOYZや盟友アクトの登場ももちろん魅力だが、予告されている“loves”アクトの出演も含め、m-floが演出する夜のパーティには見どころが尽きない。

m-flo loves ZICO,eill「EKO EKO」ミュージックビデオ

このように、アーティスト主導のステージコンセプトや、幕張のビーチなど“場”としての魅力が語られるサマソニにおいて、2025年に外せないのが“フェスマジック確定演出”とも言える大阪・PAVILIONステージだ。昨年から大阪会場は、関西万博の影響で万博記念公園へと舞台を移した。その中でも、岡本太郎の作品に見守られながらライブが行われる屋内会場は、一度は足を踏み入れてみたい特別な空間。今年も多様なアクトが登場予定だが、中でもCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINが織りなす異国情緒との相乗効果は絶大なものになるだろう。これもまた、1つの“万博体験”として、2025年はぜひ大阪会場にも足を運びたい。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN「花様年華」ミュージックビデオ

本人(ホンニン)

都内在住の40代男性。サラリーマン業と育児に日常をすりつぶされながら、時折ライブやフェスに足を運んでその様子を記録するインターネットユーザーとしても活動している。著書に育児エッセイ本「こうしておれは父になる(のか)」(イースト・プレス)。フジロックには初年度に参加して以来、毎年欠かさず足を運んでいる。
本人 (@biftech) ・ X

森朋之が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • HYUKOH & Sunset Rollercoaster(7/25 GREEN STAGE)
  • Ca7riel & Paco Amoroso(7/26 GREEN STAGE)
  • Royel Otis(7/27 WHITE STAGE)

普段なかなか観られない洋楽のビッグアーティストのライブをまとめて体感できる!というのが2010年代までの洋楽系フェスの大きな魅力だったわけだが、コロナ禍以降、その状況は大きく様変わり。海外アーティストがフェスよりも自分のツアーを優先するようになり、出演料も高騰、さらに円安(円の力が弱くなったという意味です)が加わり、以前と同じように大物を呼べなくなってしまった。さて、どうするか?というのが2025年のフジロック、サマソニの大きなポイントだ。

まずフジロックはGREEN STAGEのヘッドライナー3組のうち2組(フレッド・アゲイン、Vulfpeck)が初来日のアーティストという大胆な策に打って出た。“大物が呼べない”という状況を逆手にとって、「今年はこれを観てほしい!」という主催者側の気合いが伝わってくるが、その傾向はラインナップ全体に浸透している。韓国、台湾のバンドによるプロジェクトHYUKOH & Sunset Rollercoaster、今年のコーチェラでも話題を集めたアルゼンチン出身のポップデュオ・Ca7riel & Paco Amoroso(通称“カトパコ”)、そして、オーストラリア発のインディーロックデュオRoyel Otisなどは、まさに「これが観たかった」というコアな音楽ファンのニーズに応えたブッキングと言えるだろう。

Ca7riel & Paco Amoroso「EL DÍA DEL AMIGO」ミュージックビデオ

Royel Otis「If Our Love Is Dead」ミュージックビデオ

サマソニで観るべき3組

  • DOMi & JD Beck(8/16幕張・8/17大阪 SONIC STAGE)
  • カミラ・カベロ(8/16大阪 AIR STAGE・8/17幕張 MARINE STAGE)
  • ネッサ・バレット(8/16大阪・8/17幕張 SONIC STAGE)

一方のサマソニは例年以上にオールジャンルなラインナップで勝負。洋楽ロック、邦楽ロック、R&B、EDM、ラテン、ファンク、ソウル、アイドル、K-POPなど多様でカラフルなアーティストが登場し、どんな趣向の人も「あ、これ観たいかも」というアクトが見つかるはず。筆者のオススメは、キーボード女子とドラム男子による凄腕ユニットDOMi&JD Beck、Fifth Harmony脱退後初めての来日となるカミラ・カベロ、ダークで内省的な世界観が魅力のネッサ・バレット。アクセスのよさ(東京会場 / ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ 大阪会場 /万博記念公園)、そして“海外アーティストの公演、2万円超え”が当たり前の今、1DAYチケット2万円(税込)ははっきり言ってコスパよすぎだろう。

若い世代の“洋楽離れ”が指摘され、“目当てのアーティストだけを観る”という人も増えているようだが、フェスの醍醐味はやはり未知の音楽との出会い。“知らない音楽を探しにいこう”くらいのオープンマインドで楽しんでほしいと思う。

DOMi & JD BECK「SMiLE」ミュージックビデオ

Nessa Barrett「PASSENGER PRINCESS」ミュージックビデオ

森朋之(モリトモユキ)

音楽ライター。2000年頃からライター活動をスタート。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な執筆媒体は音楽ナタリーのほかReal Sound、Billboard JAPAN、AERA dot.など。
森朋之 (@tmyk1969) ・ X

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読者の反応

本人 @biftech

おれが今回挙げたのはこの6組です。対よろ

🗻フジロック
・TYO GQOM
・YOUR SONG IS GOOD
・The Hives

🏖️サマソニ
・J. バルヴィン
・m-floてかMIDNIGHT SONIC
・CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
https://t.co/JDuTX50YbB

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