再生数急上昇ソング定点観測

再生数急上昇ソング定点観測 (2024年12月4週目) [バックナンバー]

大人になっていくJO1からJAMへ、心を込めて贈る歌 / ChroNoiR「深愛」の2文字が意味する美しさと狂気

今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説

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YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで12月13日から12月19日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

/ 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングでは、Stray Kidsの「Walkin On Water」が18位に入った。忍者を想起させる黒装束の集団が登場したり、お城の前で踊るダンスシーンがあったりと、まるで映画を観ているような世界観の強い映像となっている。

Stray Kids「Walkin On Water」ミュージックビデオ

39位にはOfficial髭男dism「50%」のオフィシャルオーディオがランクインした。この曲は永野芽郁と佐藤健がダブル主演を務める映画「はたらく細胞」の主題歌。日々の生活でがんばりすぎて疲れている人を労わるような優しい歌詞が印象的だ。

Official髭男dism「50%」オフィシャルオーディオ

40位は&TEAMの「雪明かり(Yukiakari)」。12月16日にMVが公開されてから1週間で1000万回再生を突破した。

&TEAM「雪明かり(Yukiakari)」ミュージックビデオ

41位はYOASOBIが結成5周年を記念して開催した初のドームライブ「YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」より、11月10日の東京・東京ドーム公演で披露された「UNDEAD」の映像がランクインした。ほかにも同公演から12月21日に「舞台に立って」の映像が公開されており、12月28日には「モノトーン」、1月4日には「New me」も公開される予定だ。

YOASOBI「UNDEAD」 from 「YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 "超現実"」2024.11.10@東京ドーム

47位にはちゃんみなが8月に「SUMMER SONIC 2024」で披露した「NG」のライブ映像が登場。ちゃんみなはお腹に赤ちゃんを宿した姿で、圧倒的なパフォーマンスを見せている。

ちゃんみな「NG」(SUMMER SONIC 2024)

今年話題になったライブ映像が目立った今週は、下記の3曲をピックアップした。

JO1「サンタさんへ。」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場63位

11月23日からライブツアー「JO1DER SHOW 2024 'WHEREVER WE ARE'」を開催しているJO1が、12月11日の結成5周年という記念すべき日に兵庫・ワールド記念ホール公演で初披露した新曲「サンタさんへ。」。この曲はグループの結成記念日にJAM(JO1ファンの呼称)に向けて何かプレゼントができないか、という思いから制作されたクリスマスソングだ。

作詞・作曲に携わったメンバーの川西拓実は同ライブ内で「JO1も5周年になりまして、どんどん大人になっていくJO1、大人になっていくJAMの皆さん、僕たちの成長を感じられるような曲にもなっているかもしれないです。心を込めて僕たちからのクリスマスプレゼントです」と楽曲に込めた思いを話した(※引用元:12月12日公開のORICON NEWSの記事)。サウンドにも歌詞にもロマンチックさときらびやかなムードが漂っており、聴いているだけで幸せな気持ちになれる1曲だ。

MVではトナカイのカチューシャを着けたり、サンタの帽子を被ったりしているメンバーが、笑顔でパーティを楽しんでいて、楽曲と同様に幸福感にあふれた内容となっている。YouTubeのコメント欄では「サンタさんへ。JO1のみんながこれからも幸せに怪我なく過ごせますように。」「ずっとずっと11人で幸せでいてね」など、彼らの幸せを願うコメントが多く上がっている。

ChroNoiR「深愛」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場69位

にじさんじに所属する葛葉によるユニット・ChroNoiRの「深愛」が69位に初登場した。これは3月5日にリリースされる1stミニアルバム「Promise」の収録曲。12月18日にMVが公開されてから1週間で360万回再生を突破し、破竹の勢いを見せている。

ここでは「深愛」というタイトルに注目したい。そもそも「愛」という漢字は、相手の心を真ん中に受け入れると書く。つまり、誰かを愛するとは一面性だけでなく、その人のすべてを受け入れる行為。それを踏まえてこの曲を聴いてみると「その目も声も骨も髪も指も爪も / 僕だけに見せて」「悲鳴も詭弁も奇声も嘘も / 焦燥も羨望も気持ちがいい」と歌われているように、大切な人の美も醜も善も悪も受け入れる心情が描かれていることがわかる。これぞ、まさに「愛」である。

では「深愛」とは何か? MV開始51秒でバラを握り潰す場面や、曲中の「この愛を拒むくらいなら汚してしまいたい」という歌詞に見られる、その人を深く愛するあまり破滅的な感情を抱いてしまうことを、「深愛」の2文字で表現しているのかもしれない。そんな美しさと狂気を孕んだ楽曲だからこそ、聴いていると思わずゾクゾクして引き込まれるのだろう。

なとり「IN_MY_HEAD」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場83位

なとりの「IN_MY_HEAD」は、10月に開催された2ndワンマンライブ「なとり 2nd ONE-MAN LIVE『劇場~再演~』」で初披露された楽曲。ダンサブルなビートと激しいバンドサウンド、自分のフラストレーションを放出するような攻撃的な歌が印象的だ。

12月11日に放送された、WurtSが水曜日のレギュラーを務めるJ-WAVEのラジオ番組「GURU GURU!」内のコーナー「GRUUVE BUNCH」にゲスト出演したなとりは、「10月にワンマンがあって、そのときに(披露する)新曲として“ぶち上げロック”みたいなのを作りたい気持ちがあった」と同曲を作ったきっかけについて説明。また番組内で「僕はめっちゃボカロが好きなんですけど、ボカロの成分をなとりなりに出力したい気持ちがあったんです。テレキャスの音とか、うるさいスネアの“バカバカ”みたいな音を。普段、頭の中でいらついていることがたくさんあるので、そのいらつきと合わせて音楽にして出力しよう、みたいなことを意識して作りました」とサウンドに込めた思いも語っている。

なとりは来年2月19日に自身初の東京・日本武道館公演「なとり ONE-MAN LIVE at 日本武道館 2026」の開催が決定している。そこでライブ映え必至の「IN_MY_HEAD」が演奏されるとしたら、今までにない大きな熱狂を生むことは間違いないだろう。

真貝聡

ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。

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