高橋一生は日本で一番いい俳優、利重剛が「ラプソディ・ラプソディ」での起用経緯や魅力語る

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高橋一生が主演を務める映画「ラプソディ・ラプソディ」の試写会が4月23日に東京・神楽座で行われ、監督の利重剛が登壇。制作に至るきっかけや高橋らキャストの印象、映画を作るうえでのテーマなどをふんだんに語った。

「ラプソディ・ラプソディ」試写会に登壇した利重剛

「ラプソディ・ラプソディ」試写会に登壇した利重剛

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神奈川・横浜を舞台とする同作では、“絶対に怒らない男”である主人公・夏野幹夫が、知らぬ間に正体不明の女性“繁子”と結婚していた事実を知ることから物語が展開される。高橋が幹夫を演じ、連続テレビ小説「まんぷく」や映画「夜明けのすべて」の呉城久美が繁子に扮した。利重は幹夫の叔父・大介役で出演も果たしている。

「ラプソディ・ラプソディ」より、高橋一生演じる夏野幹夫。知らない間に結婚していたことを機に、人生が思いがけない方向へと動き出していく

「ラプソディ・ラプソディ」より、高橋一生演じる夏野幹夫。知らない間に結婚していたことを機に、人生が思いがけない方向へと動き出していく [高画質で見る]

肩ひじ張らず、気楽に観ていただけたら

この日が初めて一般の観客に披露する機会だったそうで、利重は「ドキドキしておりました。皆さんがニコニコしていたのでよかったです」と胸をなで下ろす。利重にとって「さよならドビュッシー」以来13年ぶりの監督作となることが告げられると、「そんなに経っていない気がして……。僕は頼まれて映画を撮るほうではなく、『こういう映画ができたらいいな』という思いからプロットや脚本にしていく。映画になるまで10年、15年かかるのは当たり前なんです」と口にしつつ、「肩ひじ張らず、気楽に観ていただけたらという思いで作りました」とにこやかに振り返った。

「ラプソディ・ラプソディ」試写会に登壇した利重剛

「ラプソディ・ラプソディ」試写会に登壇した利重剛 [高画質で見る]

脚本ができたのは10年ほど前だったという本作。利重は「1回撮ろうと思って動いたんですが、いろいろな条件がうまくいかなくて流れてしまったんです。そこからしばらく放っておいたんですが、プロデューサーの中村高寛くんが『今の利重さんの映画が観たい』と言ってくれた」と回想する。さらに“身に覚えのない結婚に気付く”という斬新な物語設定に触れると、「結婚するのはすごく決心がいるのに、婚姻届を出すのはすごく呆気ないですよね」と言及。「婚姻届を書くときの保証人も知り合いじゃなくていいし……『じゃあ誰とでも結婚できるんじゃないの?』と冗談を言い合ったりしたことから始まったんです」と企画のきっかけを明かした。

高橋一生と似てる?「凪のお暇」での親子役も回想

MCの伊藤さとりから「利重と高橋が似ているのでは?」と声を掛けられると、ポスターに写る高橋を見て「ちょっと親戚感がありますよね」と照れながら応じる利重。2019年のドラマ「凪のお暇」で親子役を担った当時を「現場では『なんか違和感ないよね』と話をしたこともありました(笑)」と思い返す。企画が一度動いた10年前は幹夫が30代の設定だったため、高橋を起用する想定をしていなかったというが、「今は30代の男性も結婚しない人が多いですから、40代後半くらいの人が演じないと、大介叔父さんの言う『なんで幹夫くんは結婚しないの?』というセリフも成立しなくなってくる。そんなことを考えたときに『高橋くんだ!』とひらめいたんです」と打ち明ける。

「ラプソディ・ラプソディ」より、高橋一生演じる夏野幹夫(左)と利重剛演じる叔父・大介(右)

「ラプソディ・ラプソディ」より、高橋一生演じる夏野幹夫(左)と利重剛演じる叔父・大介(右) [高画質で見る]

そして改めて高橋の魅力を聞かれると、利重は「日本で一番いい俳優の1人ですから」とまず一言。「この映画では高橋くんは幹夫にしか見えない。演技というよりも、“その人になってしまう”という圧倒的なリアリティを醸し出す力があるんですよ」とたたえた。

繁子役は探して探して…見つけた!

一方で呉城の印象に話が及ぶと、利重は「新鮮なキャストにしたかった」と切り出し、「30代後半で有名な方はいっぱいいますが、ポスターに並べてみると『こういう映画になるな』と想像がついてしまうことが多い。自分は『この人たちはいったいどうなるのだろう?』と興味を持ちながら観る映画を作りたかったので、とにかく(繁子役を)探して探して……」と苦労を告白。「呉城さんはいっぱい仕事をしていますが、演じる役の色が幅広いから観客にいい意味で気付かれないんです。『見つけた!』と思いましたよ」と笑顔を見せる。改めてキャスティングへのこだわりを聞かれると、自らも役者であることを前置きしつつ「監督はさまざまなことを決めなければいけないから、せめて自分が演じる役は監督より考えるようにしようと思っているんです。なので、こちらから何も言わなくても考えてくださる方を集めて、その化学反応を見て楽しむような映画作りをしたいなと思っています」と話した。

「ラプソディ・ラプソディ」より、呉城久美演じる繁子。触れるものをみんな壊してしまう、破天荒すぎる人物

「ラプソディ・ラプソディ」より、呉城久美演じる繁子。触れるものをみんな壊してしまう、破天荒すぎる人物 [高画質で見る]

また伊藤が幹夫の同僚・毒島りずむを演じる池脇千鶴について「かわいくって!」と伝えると、共感する観客からも反応が。それに思わず笑みをこぼす利重は「(りずむが持つ)フェルトの人形は妻が作っています」と裏話を披露して観客を驚かせる。その人形は現在、東京・テアトル新宿にも展示されているそう。

僕はやっぱり優しい人、優しくあろうとする人たちが好き

終盤には「監督を続けるエネルギー」の話題に。利重は「『映画監督として』といった思いより、ただ自分の頭の中に作りたい映画があるだけ。それも『絶対に作らないと駄目』とは思っていないし、機会があれば、というくらい。そんなに難しく考えていないんです」と吐露。「こんな映画があれば……」と考えながらうっとりするのが大好きだとも言い、「それが最初の発想ですし、いろいろなことをやっていても結局、その原点に戻ってくることが多いんです」と述べる。

「ラプソディ・ラプソディ」試写会より、左から伊藤さとり、利重剛

「ラプソディ・ラプソディ」試写会より、左から伊藤さとり、利重剛 [高画質で見る]

そして「映画を作るうえでのテーマ」を聞かれると、「誰もが主人公ということです」と回答。「主役・脇役とかではなく、生きている人はみんな自分の人生の主人公。どの人を題材にしても必ず大きなドラマはできると思っている」と言葉に力を込める。続けて「この映画に登場するのは、誰かを傷付けたくないという思いから一歩引いて生きている、地味で優しい人たちです。僕はやっぱり優しい人、優しくあろうとする人たちが好き。一方でずっと優しくはいれないから、たまってしまってとっぴな行動に出てしまう繁子みたいな人も好き。そんな人たちが、少しずつ近付きあうような映画を僕は観たいなと思っています。最初は『なんだよこいつ』と思ってしまうような人の中に、実はすごくいいものがあったりもしますから」と真摯に語った。

「ラプソディ・ラプソディ」は5月1日より全国で順次公開。音楽はジャズピアニスト・大西順子が手がけた。出演には芹澤興人、大方斐紗子、関口和之(サザンオールスターズ)も名を連ねる。

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