ともに過ごすうちに心を通わせた幼少期の貴樹と明里は、「来年も、一緒に桜見れるといいね」と言葉を交わし、ずっと一緒に過ごしていけると信じていた。しかし親の転勤を機に離ればなれになり、中学生での再会時にある約束をして以降、それぞれの道を歩み続ける。
高畑が演じたのは、東京・新宿の書店で働く大人になった明里。彼女は「お話をいただいた時は、本当に?! 私ですか???と、不安だらけでした。なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、『素敵な女性、という概念』みたいな存在だったので」と明かし、「ですが、いただいた台本を開くと、そこには『概念』じゃなくて『人間』が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました」と振り返る。そして「今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさん達が、本当に凄くって! 何より、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加出来て、幸せな気持ちです」と伝えた。
また新海は「映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました」と述べ、「原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました」と語った。2人のコメント全文は後述の通り。
「秒速5センチメートル」は10月10日より全国ロードショー。「愛に乱暴」「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」の鈴木史子が脚本を執筆した。
高畑充希 コメント
正直、お話をいただいた時は、本当に?! 私ですか???と、不安だらけでした。
なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、「素敵な女性、という概念」みたいな存在だったので。私にとって。
ですが、いただいた台本を開くと、そこには「概念」じゃなくて「人間」が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました。
今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさん達が、本当に凄くって!
何より、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加出来て、幸せな気持ちです。
新海誠 コメント
映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。
不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。
しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。
原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました。
あらためて、「
でも20年前は、その「なにもなさ」が私たち自身の姿であり生活であり、それを掬いあげるようなアニメーション映画を作ろうと思っていたのです。
アニメーション版がその目標に届いていたかは心許ないのですが、今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。
「秒速5センチメートル」を作っておいて良かったと、(ほとんど初めて)心から思えました。
奥山組の皆さん、本当にありがとうございました。
真珠 @mieko__0606
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