実写映画「
新海が2007年に発表したアニメーション「
松村は「実写作品でこの物語に初めて触れる人もいると思っています。ものを知るというきらめきがこの作品によって増えていくといいなと」と述べ、「アニメも実写も、それぞれが素晴らしさを持っている。今回、監督が、生身の人間が演じる理由をとことん追求してくれました。そこで生まれるアニメとの違いに感動していただけるのではと期待しています」と真摯に伝える。高畑は「各部署の原作への熱量、いいものにするぞという熱量が素晴らしい現場でした。参加できて、こういう日までたどり着けてありがたいです」と述懐。森は「原作が好きな方や、まだ出会っていない方など、いろんなパターンがある。まだ原作を観たことがない人にとっては、いい物語との出会いになるんじゃないかなと思っています」と語った。
高校生のときに原作に出会ったという青木は「出演が決まって、撮影に入ってからもずっと実感が湧かなくて。今日皆さんがそろっているのを見て、公開するんだ!と実感しました」と言い、種子島での撮影を思い返しつつ「よく『忘れられない夏』って言いますが、本当にあの夏を超えられるんだろうか?と感じるような日々でした。そういったものも映像に詰まっていると思います」とアピール。宮﨑も「本当にあの夏を超えられないんじゃないかって思うぐらいきらきらした楽しい時間でした。3人(青木、森、宮﨑)で最後に飛行機に乗る前に写真を撮ったんですけど、いまだに見返してます」と笑みをこぼす。これを聞いた森は「見返してくれてる! やったな!」と青木に声を掛け、青木も「うれしい!」と喜んだ。
さらに宮﨑は「試写で奥山監督の『秒速』を観たあと、新海監督の『秒速』を観直す機会があったんです。どっちも好きだなってすごく素直に思えて。そんなふうに感じられたことが幸せでした」と口にする。木竜は「それぞれが生きる時代を別々に撮影しているんですが、種子島の映像を共有してもらったんです。バトンをつないでいくように、力をいただきながら撮影に臨めました」と感謝した。
イベントでは本作にちなみ、大切な人とのめぐり合わせを感じた瞬間をテーマにトークする場面も。松村は「高校の友達が舞台に出るというので観に行ったんですが、主演を務めていた方が、自分が芸能界に入るために参加したオーディションを一緒に受けていた人だったんです。今もがんばっているんだと刺激になりました!」と明かす。高畑は「以前、歌番組で歌を歌うことになったとき、周りにアンケートして山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』を歌うことになったんです。間もなくこの作品のオファーをいただいて、エモい!って思いました」と笑顔に。吉岡は「この間、テレビを付けたら観たことある子供がいて……『北の国から』の僕でした(笑)。自分に向かって、40年後もやってるぞ!と言いました」と話し、会場を和ませた。
終盤には、サプライズで原作者の新海が登場。試写ですでに鑑賞しているという新海は「どういう気持ちで観ていいかわからなかったんですが、観ているうちに、なんだかよくわからない涙が出てきてしまって。経験したことのない感動でした。皆さん、期待して観ていただいていいと思います」と太鼓判を押し、「キャラクターを描くということがわからず、僕は貴樹と明里がどういう人間がわからないまま作っていたんです。松村くんと高畑さん、奥山監督に貴樹と明里はこういう人ですと教えてもらいました」とたたえた。これに松村は「原作者にとっていい映画にするということを大切にしていました。新海さんが原作者であるということが、この作品を作る中で不安の理由でもあったんですが、お言葉を聞いて、安心してお客さんに届けられると思えました」と感動した様子を見せた。
松村、森、吉岡が新海の作品に参加しているという話題になると、新海は森に「『国宝』観ましたよ! 素晴らしかった」と声を掛けつつ、「大人っぽい役をやっていて、僕の知っている七菜ちゃんではなく、遠いところまで行ったんだなと思ったんです。でも『秒速』を観たら高校生の花苗になっていた。知り合ったときの七菜ちゃんがそこにいて、天才性を目の当たりにしました!」と絶賛。森は「身に余るお言葉です。新海さんと一緒に舞台挨拶に立たせていただけてうれしいです」とにこにこと語る。また新海は「吉岡さんは、商業デビュー作『雲のむこう、約束の場所』で主役をやってもらったんです。一番好きな声だからと声を掛けたら、まさか引き受けてくださって。一番好きな声の吉岡さんと、一番好きな声の北斗くんが同じ画面の中で会話していて、ご褒美でした」とうれしそうに伝えた。
最後に奥山は「日々の悩みだったり、不安だったり、そういうものを抱えている人の背中に手を添えるような作品になったんじゃないかと思います」とコメント。松村は「この映画は言葉を大切にしている作品でありながら、言葉にできない感情みたいなものが始まりから終わりまで、ずっと続いていく切実な物語です。観終わったあと、帰り道の空や、人との会話がちょっと美しく感じるような映画になっていると思います」と自信を見せ、イベントの幕を引いた。
「秒速5センチメートル」は10月10日より全国ロードショー。
ブン @A4xxAG1NCvqx1eu
メッセージを贈るだけでも賛辞なのに、わざわざ試写会に登壇した原作者・新海監督「観ているうちに、なんだかよくわからない涙が出てきてしまって。経験したことのない感動でした。皆さん、期待して観ていただいていいと思います」と太鼓判
#秒速5センチメートル
#松村北斗 https://t.co/4Qjgdp0lKT