実写映画「
新海誠が2007年に発表した同名アニメーションを実写化した同作では、主人公・遠野貴樹の18年間にわたる“人生の旅”がつづられる。松村が貴樹、高畑がヒロインの篠原明里に扮した。
奥山は「皆さんが誠実さと切実さをもって真摯に向き合ってくださった。これ以上の手応えはないだろうと思えるくらい、自信を持って送り出せる作品になりました」と感慨深げに話す。そして「『何に泣かされているのかわからなくなるような原初的な感動があった』とおっしゃっていた」と初号試写での新海の言葉に触れ、「心から湧き上がるような身体的な感動がある作品に仕上がったのではと思い、すごく自信になりました」とも語った。
松村は「愛され続けてきた『
高畑は「明里は女神やマドンナのような印象があったので、自分に話が来たときは何かの間違いだろうと思いました」と笑い、「台本は(原作への)リスペクトにあふれながらも、それぞれのキャラクターがたくましく人間らしく浮かび上がってくる内容で、その中の明里に共感できる部分を見つけられた気がしました」と続ける。貴樹に思いを寄せる高校の同級生・澄田花苗役の森は「私が演じた種子島パートはほかの部分からは独立していたので、皆さんの空気感がつかめず『自分が台無しにする可能性もあるかも』とドキドキしました。原作への愛と、お芝居できる喜びを大事にすれば、きっと新海さんやファンの皆さんに何か1つは喜んでつかんでいただけるものができるのではと思いながら演じていました」と撮影時を懐かしんだ。
上田と白山は、約500名の応募者の中からオーディションで選ばれ、幼少期の貴樹と明里を演じた。これが演技初挑戦の上田は、以前から松村の大ファン。彼は憧れの人物と同じ役を演じた感想を「初めてなのに(大役を)演じていいのかと不安がありましたが、演じられるうれしさも込み上げてきました」とコメントする。松村は顔をほころばせながら上田とのエピソードを披露しつつ「『好きなんです』とは一度も聞けていない」とぽつり。MCに促されて上田が「好きですよ」と伝えると、松村は「『お母さん好きですか?』の答えと同じ感じ!」とこぼしつつも、「今後は無理して言わなくていいからね。でも聞けてよかったです」と笑顔を見せた。白山は「(役が決まったときは)明里を演じられることが本当にうれしくて、たくさん喜びました!」と声を弾ませた。
花苗の姉で高校の教員・輿水美鳥役の宮﨑は「種子島の自然に癒やされ助けられながら撮影が進んでいきました。幼少期のお二人と高校生の妹たちが本当にかわいくて、愛おしくなりました」とにっこり。映画オリジナルキャラクターである科学館の館長・小川龍一役の吉岡は、松村との共演シーンが多かったといい「彼だけが持っている孤独感みたいなものを、現場でふとした瞬間に見ていたんです。北斗くんはとても魅力的で“知りたいのに知りたくない”“僕の中で大事にしたい”と思える人でした」と述懐した。
会見の終盤には、作品のストーリーにちなんで「これまでもこれからも大切にしていきたい思い出は?」との質問が。松村は映画を好きになったきっかけの作品である2016年公開作「リップヴァンウィンクルの花嫁」に触れたあと、同作の監督・岩井俊二と2023年公開作「キリエのうた」で仕事をともにした日々に思いをめぐらせる。「(撮影時は)苦しい日々の連続でしたが、クランクアップしたときに監督が自動販売機でビールを2本買って『素晴らしかった、乾杯しよう!』と言ってくれて。そこで飲んだビールがとてつもなく人生に沁みました。またそういう奇跡のような瞬間に巡り会えるようにがんばろうと何度も思い返します」と真摯に話した。
「秒速5センチメートル」は10月10日より全国ロードショー。
Yoh @zero_01_one
【イベントレポート】松村北斗、「秒速5センチメートル」原作者・新海誠の「ほっくんでよかった」にしみじみ(コメントあり / 写真24枚) https://t.co/f5RyXwCFNR