アニメーション映画「
「花緑青が明ける日に」は、日本美術家・日本画家である四宮の長編アニメーション監督デビュー作。立ち退きを迫られる老舗の花火工場を舞台に、幻の花火“シュハリ”と若者たちの未来をめぐる2日間の物語が独自の色彩表現で描かれる。
本作では、萩原利久が蒸発した父に代わりシュハリを完成させようとする帯刀敬太郎、古川琴音が幼なじみの式森カオルに声を当てた。キャスティング理由について四宮は「萩原さんは僕の中で少しハスキーな声の印象がありました。高音と低音の使い分け、そこに少し不安定さも感じられて。敬太郎というキャラクターの10代と20代の違いを表現するのに適していると思いました」と明かす。古川に関しては「とにかく個性がはっきりしている方で、声の抑揚や存在感に信頼を感じて迷いなくお願いしました」と回想した。
四宮は「映画の本質は『音と光』だと思っています。暗闇の中に音と光を入れる──これは花火の原理とも共通しています」と言及。さらに「世界20カ国ほどのスタッフと連携していました。オリジナル作品でコネも少なかったため、自分でSNSを使って1人ひとりに直接声を掛けました。1カ月半で約88人に連絡し、最終的に20人ほどが参加してくれました。皆、日本のアニメへのリスペクトがあり、先人の方々の蓄積があったからこそ実現できた作品だと思います」と感謝を口にした。
続いて四宮が、観客からの質問に答えることに。タイトルに込めた意味を尋ねられると「当初のタイトルは『新しい夜明け(A NEW DAWN)」でした」と述べ、「『花録青』という言葉や色のイメージが加わったことで、画家としての自分の経歴にも重なる自分らしい作品になったと感じています」と語る。花火の描写に関する質問には「花火師の方々に監修していただき、例えば打ち上げ方法などは、当初の演出案が現実と違うと指摘され、修正しています。現実とフィクションのバランスは難しく、存在しない装置(大きな玉貼り機など)も登場しますが、『あり得るかもしれない』というラインを探りながら構築しました」と説明した。
企画の原点を問われると「もともと日本画とアニメーション、両方をやっていた中で、それらを統合した作品を作りたいという思いがありました。風景や土地の連続性、そこに生きる若者の物語を通して、自分なりの答えを作品にしたのが今回の映画です」と回答。色彩設計については「今回は作画・美術・色彩を一体として捉え、統一感を重視しました。青や緑は自分の得意な色であり、それを最大限生かせる物語として設計しています」と言葉を紡いだ。
「花緑青が明ける日に」は全国で上映中。同作は第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品された。
映画「花緑青が明ける日に」本予告
四宮義俊の映画作品
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【イベントレポート】「花緑青が明ける日に」タイトルや花火シーンのこだわりは?監督がQ&Aに登壇
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