横浜聡子の新作「海辺へ行く道」ベルリン国際映画祭でスペシャルメンション獲得

5

54

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 7 28
  • 19 シェア

横浜聡子の監督作「海辺へ行く道」が、第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でスペシャルメンションを受けた。

第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で、監督作「海辺へ行く道」がスペシャルメンションに輝いた横浜聡子

第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で、監督作「海辺へ行く道」がスペシャルメンションに輝いた横浜聡子

大きなサイズで見る(全19件)

「海辺へ行く道」(英題「Seaside Serendipity」)ポスタービジュアル

「海辺へ行く道」(英題「Seaside Serendipity」)ポスタービジュアル[拡大]

子供やティーンエイジャーを題材にした作品が対象となるジェネレーション部門。「海辺へ行く道」は4歳以上を対象とした「Generation Kplus」に選出された。子供審査員と大人の国際審査員が選ぶ賞が用意されており、同作は国際審査員によるスペシャルメンションを獲得。選評は「この映画は、優しさと遊び心のあるユーモアで私たちの心をつかみました。イマジネーションとクリエイティビティへの明るく生き生きとした讃歌であり、芸術の無限の可能性と、予期せぬ瞬間と出会う喜びを思い出させてくれる」と発表されている。

第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門の授賞式の様子

第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門の授賞式の様子[拡大]

ドイツ現地時間2月22日に行われた授賞式にて、横浜は「この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞をいただけたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの“予感”が伝わったからかもしれません」とコメント。そして「ベルリンの観客の皆さんは、この映画にちりばめられたユーモアをみてたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます」と感謝を伝えた。

第75回ベルリン国際映画祭にて「海辺へ行く道」ワールドプレミアに出席した原田琥之佑

第75回ベルリン国際映画祭にて「海辺へ行く道」ワールドプレミアに出席した原田琥之佑[拡大]

また、ひと足先に日本に帰国した主演の原田琥之佑も「横浜監督はじめ、大好きなメンバーで作ったこの作品が素晴らしい賞をいただけたのは超絶嬉しいです! この映画は、僕たち中学生が主な登場人物になっています。だからこそ、【ジェネレーション部門】という同世代の子供たちの部門で選んでもらえたことにご縁を感じましたし、すごく誇らしく思います。もっともっと世界の人へ届いて欲しいと思っています」と喜びのコメントを寄せている。なおジェネレーション部門でスペシャルメンションに輝いた作品には、長久允監督作「ウィーアーリトルゾンビーズ」、諏訪敦彦監督作「風の電話」などがあるが、「Generation Kplus」での授与は本作が日本初となる。

「海辺へ行く道」より、原田琥之佑演じる主人公の美術部員・奏介

「海辺へ行く道」より、原田琥之佑演じる主人公の美術部員・奏介[拡大]

三好銀の同名マンガをもとにした「海辺へ行く道」の舞台は、アーティストの移住支援をうたう海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介と仲間たちは夏休みにもかかわらず、演劇部に依頼された絵を描いたり、新聞部の取材を手伝ったりと忙しい日々を過ごしていた。街には何やら“怪しげなアーティスト”たちがうろうろしており、奏介たちに少し不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。2023年夏にオール小豆島ロケで撮影され、原田のほか麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山崎七海、新津ちせ、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀らがキャストに名を連ねた。劇場公開は2025年晩夏を予定。

横浜聡子 コメント

この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞をいただけたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの“予感”が伝わったからかもしれません。GENERATIONS部門の皆さん審査員の皆さん、この作品を選んでくださり本当にありがとうございます。
私はこの海辺を行く道の原作三好銀さんから、寛容さとユーモアを学びました。否定もせず肯定もせず、ただ人の存在を丸ごと受け止める寛容さ、そしてユーモア。ユーモアは人を絶望や断絶から時に救ってくれます。ベルリンの観客の皆さんは、この映画にちりばめられたユーモアをみてたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます。

原田琥之佑 コメント

「海辺へ行く道」が、ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplusコンペティション部門のスペシャルメンションに輝きました。
横浜監督はじめ、大好きなメンバーで作ったこの作品が素晴らしい賞をいただけたのは超絶嬉しいです!
この映画は、僕たち中学生が主な登場人物になっています。だからこそ、【ジェネレーション部門】という同世代の子供たちの部門で選んでもらえたことにご縁を感じましたし、すごく誇らしく思います。
もっともっと世界の人へ届いて欲しいと思っています。

※山崎七海の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

映画作品情報

この記事の画像(全19件)

©2025 映画「海辺へ行く道」製作委員会

読者の反応

  • 5

加美幸伸(Yukinobu KAMI) @kami_rock

横浜聡子の新作「海辺へ行く道」ベルリン国際映画祭でスペシャルメンション獲得(受賞コメントあり) https://t.co/ygZaBzD2d9

コメントを読む(5件)

リンク

関連商品

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。 海辺へ行く道 / 横浜聡子 / 原田琥之佑 / 三好銀 の最新情報はリンク先をご覧ください。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。