「海辺へ行く道」原田琥之佑にはノスタルジックな匂いが、高良健吾は「念願の横浜組」

映画「海辺へ行く道」の完成披露上映会が本日7月17日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの原田琥之佑、麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、監督の横浜聡子が登壇した。

三好銀の同名マンガを実写化した本作。アーティストの移住支援をうたう海辺の街を舞台に、14歳の美術部員・南奏介と仲間たちが過ごす夏休みが描かれる。原田が奏介、麻生が奏介と暮らす親戚の寿美子を演じ、高良が包丁売りの男・高岡、唐田が高岡の恋人・ヨーコ、剛力が不動産屋に勤務する谷川理沙子、菅原が奏介のおば・大林メグに扮した。

撮影当時13歳だった原田は「2年が経ち、身長が13cm伸びました。顔も少し変わってしまったのですが……」と照れながら挨拶。約800人から選ばれたオーディションを回想し「そのときに横浜監督と初めてお話ししたのですが、いろいろな部分を見透かされているような気がして『この人には嘘が通じないんだ』と。ご一緒できるのがとてもうれしかった」とコメントする。横浜はそんな彼を見やり「現代っ子という感じですが、画面に映るとノスタルジックな匂いも。言葉で説明するのは難しいのですが……昭和生まれの私も安心するような、懐かしい気持ちになる瞬間があるんです」と語った。

麻生は「この作品は横浜監督らしさが爆発しています！」とアピールし、横浜との3度目となるタッグに「今回もしびれましたね」とにっこり。「2～3箇所、記憶に残るシーンがある」と切り出すと、「猫と相対するシーンでは『悪意のある感じで』とか、うたた寝している場面では『まるで幽霊のような感じでいてください』と。役者としてワクワクする演出でした」と振り返る。そして高良も「念願の横浜組で、話をいただいたときはとにかくうれしかった」とオファー時を思い返し、「この作品には横浜組でしか感じられない多幸感があります。映画を観ている時間がこんなにも幸せだったのは久しぶりでした」と伝えた。

作品の内容に絡めた「中高生の頃の夏の思い出」にトークが移ると、「試写を観て思い出した」という剛力は「ある仕事でバンドを組んだことがあって、半年後のイベントに向けて練習していたんです。夏休みにはメンバーが泊まりに来て、スタジオで練習したり。最終日に公園で花火をしたのが青春でしたね」と思い返す。高良は高校3年生のときに出演したドラマ『WATER BOYS 2005夏』の撮影に触れ、「奄美大島に1カ月みんなで泊まり込みました。僕はメインどころではなく休みもあったので、ホテルの前の海に飛び込んだり、釣りをしたり、自転車で島を回ったり。この仕事を始めたばかりで大変な部分もありましたが、本当に楽しかったです」とほほえむ。

そして菅原は「私はありません！ ビコーズ（なぜなら）ダンスで忙しかったから」と答えるも「でも当時ケイタくんという子と付き合っていて、ユニクロで買った浴衣を着て意地で花火大会に行った記憶があります」と告白。唐田も「地元では毎年夏になると盆踊りがあって、私はずっと太鼓をたたく係でした」と続ける。そして現役の学生である原田は「今年の夏にチャレンジしたいことは？」と質問され、「夏休みの期間中に毎日1本以上映画を観ようと思います！ もともと映画が好きですが、毎日観たことはなかったので」と意気込んだ。

最後に原田は「この作品は、今を全力で楽しむ人が人生を謳歌する作品です。芸術が好きな人も、そうでない人も楽しめる。ぜひ夏休み中に家族や友達と観てください」と呼びかける。横浜は「原作では“多様性”が描かれていて、その寛容さを引き継ぎたいという思いでこの映画を作りました。キャストの皆様も多種多様な輝きを放っていますので、皆さんもご自身の中の多様性や、自分が理解できないものとの出会いを楽しんでください」と力強く述べた。

「海辺へ行く道」は8月29日より全国で公開される。

映画「海辺へ行く道」予告編