羽仁進の特集上映、1970年大阪万博の企画で作られた“幻の映画”も登場

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特集上映「羽仁進レトロスペクティブ 映画を越境するII」が、8月2日から15日にかけて東京・シネマヴェーラ渋谷で開催される。

「教室の子供たち ―学習指導への道―」場面写真(資料提供:記録映画保存センター)

「教室の子供たち ―学習指導への道―」場面写真(資料提供:記録映画保存センター)

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父は歴史家の羽仁五郎、母は婦人運動家の羽仁説子、母方の祖母は自由学園創設者・羽仁もと子という家系に生まれた羽仁進。共同通信社の記者として働いたのち、岩波映画製作所の設立に参加、水道普及の必要性を伝える広報映画「生活と水」で監督デビューを果たす。その後も教育・記録映画を次々と発表し、劇映画も手がけた。

「絵を描く子どもたち」場面写真(資料提供:記録映画保存センター)

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「不良少年」場面写真(資料提供:記録映画保存センター)

「不良少年」場面写真(資料提供:記録映画保存センター)[拡大]

本企画は2017年にシネマヴェーラ渋谷で行われた特集「羽仁進レトロスペクティブ」の第2弾で、22本がスクリーンにかけられる。小学2年生の子供たちの日常を映す「教室の子供たち ―学習指導への道―」、図工の授業で表現する楽しさに目覚めた小学1年生たちの姿を捉えた「絵を描く子どもたち」、実際の不良少年を役者として起用した劇映画第1作「不良少年」など、「アフリカ物語」を除いた第1弾の作品群が再びラインナップされた。

「予言」場面写真

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さらに今回は「予言」「遥かなるPARADISE」「ドラムと少年」「表情1970」も上映。米国公文書館に眠っていた原爆の記録フィルムから作られた「予言」には核兵器の恐ろしさが映され、50年にわたるアフリカでの撮影記録を新たに編集した「遥かなるPARADISE」では動物たちの知恵と命の円環が切り取られる。「ドラムと少年」はヤマハ音楽教室のPR映画として作られた。

そして「表情1970」は1970年の大阪万博こと日本万国博覧会におけるプロジェクトの一環で制作されたもので、高度経済成長期の日本の姿が記録されている。ほとんど世に公開されることのない“幻の映画”だったが、大阪歴史博物館によってデジタル化され、このたび上映の機会を得た。8月11日9時40分からスクリーンにかけられる。チケットは当日9時より劇場窓口で販売。なお8月3日には「不良少年」上映後に、映画監督の諏訪敦彦横浜聡子が登壇するトークショーが実施される。

※記事初出時、「表情1970」の上映時間に誤りがありました

特集上映「羽仁進レトロスペクティブ 映画を越境するII」概要

開催日程

2025年8月2日(土)~15日(金)東京都 シネマヴェーラ渋谷

上映作品

トークショー日程

2025年8月3日(日)「不良少年」18時45分の回上映後
<出演者>
諏訪敦彦 / 横浜聡子

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シネマヴェーラ渋谷 @cinemavera

映画ナタリーにて、8/2(土)から始まる特集「羽仁進レトロスペクティブ 映画を越境するⅡ」をご紹介いただきました!皆さんぜひご覧くださいませ。 https://t.co/OnZRsXzYLO

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