香港映画「
1980年代の香港を舞台とした本作は、密入国した若者・陳洛軍が黒社会のルールを拒み組織に目を付けられたことから物語が展開。逃げ込んだ先・九龍城砦で信一(ソンヤッ)、十二少、四仔と出会い、ともに過ごす中で友情を築いていく。香港では2024年9月時点で広東語映画動員数の歴代ナンバーワンを記録する大ヒット。日本でも2025年1月17日に公開されると口コミを中心に大きな盛り上がりを見せ、公開20日間で興行収入1億円を上回り、公開から1カ月以上経った今も勢いを伸ばしている。この盛り上がりが香港にも届き、日本のファンに直接感謝を伝えたいという制作陣の思いから急遽来日が決定した。
ファンの熱気に迎えられ、登壇者たちは笑顔で手を振りながら登場。おそろいで着用しているスウェットは、本日の舞台挨拶のために日本のスタッフに内緒で作成したものだという。ルイス・クーは「皆さん、こんにちは。私はルイスです。愛してる」と日本語でスマートに挨拶。レイモンド・ラムは「本作を気に入っていただけてとてもうれしいです。またいい作品を持って来たいと思います」とはにかみながら感謝を述べ、トニー・ウーは「このあとパート2、パート3と続くので、監督の意向に沿ってがんばります」とさらなる意気込みをのぞかせる。ジャーマン・チョンは「皆さんこんにちは! 愛してる、too!」とルイス・クーに続いて日本語で挨拶し、指ハートと笑顔で観客の心を射止めた。
本作の観客動員数が13万人を超え、2月22日時点で興行収入2億円を突破したことが司会者から発表されると、登壇陣は観客とともに喜びをわかち合う。「2回以上観た人?」「10回以上観た人?」という司会者の問いかけに大勢の観客から手が挙がる中、20回以上観たというファンも。これにはキャスト陣も目を丸くして大興奮のリアクションを見せた。
日本でヒットした理由を問われると、ソイ・チェンは「自分でもこれだけ日本で受け入れられたことに驚いています」と率直に明かす。「要因はいろいろあると思います。アクションだったり、今はなき九龍城を再現したことだったり……」と切り出し、「アクションにマンガ的な表現を加えているんです。子供の頃、日本のマンガやアニメが大好きで、自然と頭の中にそういうものが入り込んでいる。それを思い切り発揮できたことが、日本の皆さんに受け入れられた理由でしょうか」と分析。信一役のテレンス・ラウにも触れながら「4人の友情が心に響いたのでは」と付け加え、さらに「九龍城を再現するにあたり、日本にあった九龍城の資料や写真集がとても参考になりました。そういったものを残してくれた日本の皆さんに感謝します」と伝えた。
続いてキャスト陣による印象的なシーンの話へ。ルイス・クーは「ロッグワンに叉焼飯をごちそうするシーンが好きです。撮影で(陳洛軍が)あまりにも急いでかき込んで、いきなり吹き出したんです。自分の顔に米や叉焼がいっぱい付いたけど、監督がNGを出さないので仕方なく演じ続けました(笑)」と裏話を明かし、レイモンド・ラムを苦笑させる。そして「これから叉焼飯はヒットすると思います。自分も大好きなのでまだまだ食べに行こうと思います」と続けた。
レイモンド・ラムは、本作のアクション監督・谷垣健治に深い感謝の気持ちを示す。そして「アクションが印象的ですが、それ以外で好きなのは信一が陳洛軍に自分の着古した服をあげるシーン。陳洛軍がやっと違う服を手に入れられて印象に残っています。信一が気に入らない服や、着古した服だったんですけどね(笑)」と主人公の気持ちに寄り添うように振り返った。
トニー・ウーは「4人が城砦のへりに座って飛行機を見ているシーンは、これからの彼らの希望を象徴していると思います。希望を持ち続けることが大切だというメッセージが、皆さんに伝わったらうれしいです」とほほえむ。最後にジャーマン・チョンは4人の麻雀シーンを挙げ、「自分の撮影最終日だったんです。あのシーンを観ると、今でも当時のことを思い出します」と懐かしそうに語った。
イベント終盤のフォトセッションでは、マスコミのみならず観客の撮影タイムも設けられ、ルイス・クーらは劇中のファイティングポーズを再現。サービス精神をあふれさせ、最後まで日本のファンとのひとときを楽しんでいた。
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」は全国で公開中。
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