香港映画「盗月者」大阪アジアン映画祭のSPオープニング飾る、ユエン・キムワイが来日

7

255

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 65 113
  • 77 シェア

香港映画「盗月者」が本日3月5日に第19回大阪アジアン映画祭のスペシャルオープニング作品として大阪・ABCホールで日本初上映され、監督のユエン・キムワイ(袁剣偉)、キャストの田邊和也が登壇した。

「盗月者」場面写真 (c)2024 Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved

「盗月者」場面写真 (c)2024 Emperor Film Production Company Limited MakerVille Company Limited All Rights Reserved

大きなサイズで見る(全8件)

第19回大阪アジアン映画祭ポスタービジュアル

第19回大阪アジアン映画祭ポスタービジュアル[拡大]

本作は、2010年に起こった香港の窃盗団による東京の時計店襲撃事件を題材にした犯罪ドラマ。裏切り合戦を繰り広げながら大胆な盗みを働く窃盗団の姿が描かれる。劇中ではある日、中古時計をカスタマイズして違法販売していた修理屋が、悪徳時計ディーラーの指示で、ベテランの泥棒、爆破のプロ、若き天才鍵師と窃盗団を組まされることに。彼らは東京の時計店にある3本の時計を盗むことになるが、修理屋はメンバーそれぞれに別の思惑があることを見抜いていた。そして月面着陸した貴重な時計ムーンウォッチをメンバーの1人が無断で持ち去ったことから、彼らは絶体絶命のピンチに陥る。窃盗団のメンバー役で香港のボーイズグループ・MIRRORのメンバーであるアンソン・ロー(盧瀚霆)とイーダン・ルイ(呂爵安)、そしてルイス・チョン(張繼聰)、バイ・ジー(白只)が参加。悪徳時計ディーラー役でMIRRORのギョン・トウ(姜濤)が特別出演し、ムーンウォッチを追う日本の社長・加藤に田邊が扮した。

ユエン・キムワイ(袁剣偉)

ユエン・キムワイ(袁剣偉)[拡大]

ユエン・キムワイ(袁剣偉)

ユエン・キムワイ(袁剣偉)[拡大]

観客とともに本作を鑑賞したというユエン・キムワイは「香港人が笑うところで、日本の皆さんも笑ってくれて。映画って素晴らしい、国境、文化の壁を越えるものだとわかりました」と喜ぶ。「“泥棒映画”として面白い仕掛けがいっぱい入っている」と言う司会から、本作の着想を問われると「2010年に、4人組がスプレーや刃物を持って、配達員2人を襲うという事件が起こったんです。配達員は1200通の手紙を持っていて、2時間後に全部戻ってきた。当時はとにかく不思議な事件だと思ったんです。数日後に事件は解決したんですが、実は4人は日本の銀座にある天賞堂という時計店で200点ほどの高級時計を盗んでいたんです。でもそれを手荷物として輸送するのは不可能なこと。だから日本の郵便システムを使って香港に送ったんです」と紹介。ところが4人組に問題が発生したそうで「仲間だったはずの郵便局員が4人を裏切ってしまった。そして彼らはまったく関係ない郵便配達員を襲ってしまったんです」とことの顛末を語る。

田邊和也

田邊和也[拡大]

田邊和也

田邊和也[拡大]

ユエン・キムワイは、時計店襲撃事件以外にも実際の事件をもとにしたことに触れ「ベイカーストリート強盗事件も参考にしていますし、ムーンウォッチも本当の話なんです。歴史の中で起こったいくつかのエレメントをストーリーに取り入れています」と説明した。そんな脚本について田邊は「初見から素直に面白いなと。スピード感があって、アクションもあるし、ぜひやりたい!って思いました」とコメント。また「現場で初めて監督にお会いしたんですが、セットにいる姿は巨匠という雰囲気で、正直こわっ!と思ったんです。でも話し始めるとめちゃくちゃ笑顔でそのギャップにやられて。一気に信用できて、楽しかったですね」と笑顔を見せる。

イベント中盤には日本と香港の撮影文化に話が及ぶ場面も。ユエン・キムワイは「香港人の撮影は『早い』『めちゃくちゃ』。日本人はシステマティックなんです。そして一番異なる点は日本人は仕事をするときに他人に迷惑をかけてはいけないというのが先にくることです。その話を聞くと私は爆発するんですよ(笑)。私たちの考え方では、他人に迷惑をかけないなんてそんな話あり得ないんです。撮影なのに、どうやって他人に迷惑をかけられずにいられるの!?」と力説し、会場からは大きな笑い声が。「東京で1カ月『盗月者』を撮影して、大変ご迷惑おかけしました。でも仕方なかったんですよ」と茶目っ気たっぷりに謝罪し、さらに会場に笑いを起こした。

最後に、どのように日本のロケ地を選んだのか質問が飛ぶと、ユエン・キムワイは「2つの対照的なロケーションが必要でした。1つはハイクラスで超高級、そしてもう1つは泥棒たちが暗躍する非常にローカルな場所。香港人は日本に旅行に来るので、銀座がハイクラスだというのはみんなよく知っているんです。そしてローカルな場所として日本のプロデューサーが川崎を見つけてくれました」と明かす。最後まで観客を楽しませて、ユエン・キムワイと田邊はイベントの幕を引いた。

第19回大阪アジアン映画祭はABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて3月10日まで開催される。

香港映画「盗月者」予告編

第19回大阪アジアン映画祭

2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館

この記事の画像・動画(全8件)

読者の反応

  • 7

Anson Lo International Fan Club @ansonlo_intl_fc

第19回大阪アジアン映画祭
SPオープニング・イベントについての記事が掲載されました🥰

https://t.co/VfEIw7FCQT

#osakaasianfilmfestival
#osakaasianff
#大阪アジアン映画祭
#大阪亞洲電影節

#阿佑 #AnsonLo
#盧瀚霆 #アンソン・ロー

コメントを読む(7件)

関連記事

ユエン・キムワイの映画作品

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。 盗月者 トウゲツシャ / ユエン・キムワイ / 田邊和也 / アンソン・ロー / イーダン・ルイ / ルイス・チョン / ギョン・トウ の最新情報はリンク先をご覧ください。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。