台湾映画「トラブル・ガール」ジン・ジアフアが来日、「温かみを少しでも持ち帰って」

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台湾映画「トラブル・ガール」(原題「小曉」)が本日3月7日に第19回大阪アジアン映画祭で上映され、大阪・ABCホールで行われたトークイベントに監督のジン・ジアフア(靳家驊)が登壇した。

台湾映画「トラブル・ガール」ポスタービジュアル (c)Geppetto Film Studio

台湾映画「トラブル・ガール」ポスタービジュアル (c)Geppetto Film Studio

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本映画祭で日本初上映された本作は、小曉という少女を主人公とした物語。感情の起伏が激しいゆえに学校で孤立している彼女は、父親が不在がちな家でも母親とうまくいっていない。そんな小曉を理解してくれるのは担任のポールだけ。しかし、嵐の日、彼女は母親とポールの不倫に気付いてしまう。「アメリカから来た少女」のオードリー・リン(林品彤)が小曉を演じ、第60回金馬奨にて歴代最年少の12歳で主演女優賞を獲得。小曉の母に「悲しみより、もっと悲しい物語」のアイビー・チェン(陳意涵)、ポールに「アニタ」のテレンス・ラウ(劉俊謙)が扮した。

ジン・ジアフア(靳家驊)

ジン・ジアフア(靳家驊)[拡大]

観客とともに本作を鑑賞したジン・ジアフアは「笑いのツボが台湾と大阪では若干違う部分もありましたが、ストーリーが進むに従って、観客の皆さんが深く物語に入ってくれているのがわかりました。重いラストではあったと思いますが、希望もあると思います。その温かみを少しでも持ち帰っていただきたいです」と呼びかける。

ジン・ジアフア(靳家驊)

ジン・ジアフア(靳家驊)[拡大]

「ポールを通して、教育問題を表現したかった」と明かす、ジン・ジアフア。「以前は教師という職業は周囲から尊敬されていて、社会的地位も高かった。でも今は保護者に対して、媚びたりしなければならないこともあります。プールのシーンで彼が『僕を信じて、体を預けて』と言いますが、今の子供たちは教師に全幅の信頼を置いているのかどうか?」と疑問を投げかけ、「子供たちのために情熱を持って、一生懸命がんばっても、結局教師はその子の父や母にはなれない。学校にすべてを委ねてしまうのではなく、親が愛を持って子供を育てなければならない。教師は親に代わることはできないと思います」と語る。

台湾映画「トラブル・ガール」トークイベントの様子。

台湾映画「トラブル・ガール」トークイベントの様子。[拡大]

小曉の友人・曉珊の心情変化の話題になると、ジン・ジアフアは「この映画を作ろうと思ったとき、子供たちをリアルに描きたいと思ったんです。今はインターネットによって、子供たちの関係が複雑化しています。彼らはスマホの中で喜怒哀楽のすべてを見つけていく。曉珊の友情を通して、今の子供たちの友情の危うさを表現しているんです」と説明。そして、「曉珊のキャラクターのモデルの一部は私の娘です。娘は小学校を休むと、自分の友達がほかの子と仲良くなってしまうのではないかと心配になるんです。今の子供たちには、お互いを排除していくという関係性が見られます」と述べ、「台湾では、曉珊について『態度が変化するのが早すぎる』という意見があったんです。ところが9歳から16歳の子供たちに作品を観てもらったところ、早いという意見は出ませんでした」と紹介した。

第19回大阪アジアン映画祭はABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて3月10日まで開催。

台湾映画「トラブル・ガール」予告編

第19回大阪アジアン映画祭

2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館

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