香港映画「作詞家志望」(原題「填詞L」)が本日3月6日に第19回大阪アジアン映画祭で日本初上映。大阪・ABCホールで行われたトークイベントに監督の
「私のプリンス・エドワード」のノリス・ウォンが手がけた本作は、香港人に愛される広東ポップスをテーマにした青春コメディ。作詞の才能があると信じた女子高生がその後10年間、あらゆる手を使って作詞家になろうと奮闘する様子が描かれる。作詞家としても活動するジョン・シュッイン(鍾雪瑩)が主人公ロー・ウィンシーを演じ、彼女の兄にアーネスト・プンが扮した。
書面語を自在に操る能力を要求される上、声調や押韻といった言語的な制限があり、高度なテクニックが求められる広東ポップスの作詞。ノリス・ウォンは「私自身も作詞家になりたかったんです。でも努力をしたけれど、なれずに映画を作る仕事に就きました」と述べる。また、10年前に書き上げた自伝的小説がもとになっていることに触れつつ「夢への決別という意味で本を書いたんです。プロデューサーに『監督2作目は何を作りたい?』と聞かれて、このお話をやりたいと言いました。ほとんどの話が実際に起こったことですが、主人公の友人である肥乜は実際にはいません。現実の私の友達はプロデューサーのウォン・ホイです!」と紹介し、会場からは拍手が起こる。
ウォン・ホイは「私と監督がお金を出してこの作品を作りました。お金持ちというわけではないのでお金を工面するのが大変で。撮影期間は15日間でしたが、撮影後にいったん休んで、2人で働いてお金を貯めてまた撮る。そしてまた稼ぎに行くという繰り返しでした」と苦労を明かし、「俳優さんが太っていたり痩せていたりしたらお許しください(笑)」と茶目っ気たっぷりに謝罪。アーネスト・プンは撮影を振り返り「一番印象に残っているのはロー・ウィンシーの友人・丸丸とのシーンです。実際には僕が彼女になってほしいと追いかけるシーンがあったはずなんですけど」と笑いつつ、「丸丸を演じた鄧麗英さんも魅力的な方でした」とほほえんだ。
劇中では夢を追いかけるロー・ウィンシーが、台湾の会社に自身の作品を売り込むシーンが描かれる。ノリス・ウォンは「2006年から2009年ぐらいまで、台湾と香港の歌謡界は密接な関係にありました。台湾の歌手が香港に来たり、香港の歌手が台湾で売れるということもよくあった時代なんです。台湾に旅行に行くついでに売り込むというのは私が実際にやったこと。当時は台湾のソニーミュージックに売り込みをかけたんですが、同じように失敗しました(笑)」と語った。ロー・ウィンシーを演じたジョン・シュッインについては「彼女は香港では名の知れた作詞家ですし、香港電影金像奨にノミネートされるような俳優さんです。彼女しかいないなと。彼女のことを知って、この映画を作ろうと思いました」と説明した。
イベント終盤には、ロー・ウィンシーの父を演じた
第19回大阪アジアン映画祭はABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて3月10日まで開催。
香港映画「作詞家志望」予告編
第19回大阪アジアン映画祭
2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
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ノリス・ウォンの映画作品
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