タイ映画「
本映画祭で日本初上映された「葬儀屋」はタイで大ヒットしたコメディホラー。元恋人のバイカーオを忘れるため青年シアンは出家するも、ある日彼女は死んでしまう。ますます彼女を忘れられなくなったシアンは、なんとか彼女の幽霊に会おうと奔走。そんな中、彼はバイカーオに会う手がかりを探すため、病気の父に代わり村でおくりびと(葬儀屋)をする青年ジュートを手伝うことになる。シアンをチャーチャイ・チンナシリ、ジュートをナルポン・ヤイイムが演じ、ジュートの父にアチャリヤー・シータ、バイカーオにスティダー・ブアティックが扮した。
イサーンと呼ばれるタイ東北部を舞台としている本作。アチャリヤー・シータは「日本で上映できて光栄に思います。タイのイサーン地方の文化を日本の観客の皆さんに観ていただけてうれしいです」と喜ぶ。ティティ・シーヌアンは「生活様式や迷信など、イサーン文化というものを映画を通して描くことができてよかったです。現代では見られないことばかり。若い世代に、なぜ映画で描かれているような儀式をやるのか? 疑問に思ってもらいたいなと思っていました」と述べ、「撮影で一番難しかったのはお葬式のシーンを撮影すること。村人には考え方があります。だからなぜお葬式の場面が必要なのかをたくさん説明して、やっと撮らせてもらえました」と振り返る。
「葬儀屋」上映中は、何度も客席から笑いが起こった。その1つが、とある登場人物が頭をぶつけるシーンだ。ティティ・シーヌアンは「あのシーンは偶然なんです。この作品ではキャストの自然な演技を大切にしました。役者がセリフを忘れても気にしない、笑ってもいい、頭をぶつけてもいい(笑)。あのシーンを撮ったのは早朝だったので、役者はぼんやりしていたんだと思います。映画としてはいい結果を生みました」とにっこり笑った。また撮影中に恐怖体験はあったか問われるとティティ・シーヌアンは「普段からしょっちゅう見るので、幽霊のことはマイフレンドと呼んでます。バイカーオの撮影が終わったあとも、近くに気配を感じることがありました。『バイカーオは帰った?』と聞いたら、スタッフは『帰った』と。だから『じゃあ、あそこにいるのは誰?』と聞きました」と裏話を紹介する。
イベント中盤には来日中、どんなことをしたいか登壇者が語る場面も。日本に到着したばかりであることに触れつつ、ナルポン・ヤイイムが「まだ何も食べてないんです」と話すと、スティダー・ブアティックは「何がおいしいか教えてください!」と観客にリクエスト。会場からは「お好み焼き!」「たこ焼き!」という声が上がった。
最後にティティ・シーヌアンは「日本まで来ることができて夢のようですし、モチベーションになりました。ずっとずっと成長を止めず、毎年映画を上映できれば。温かい歓迎に、お礼を申し上げます」と伝えた。
第19回大阪アジアン映画祭はABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて3月10日まで開催。
映画「葬儀屋」予告編
第19回大阪アジアン映画祭
2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
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