エドワード・ヤンの初脚本作品「1905年の冬」大阪アジアン映画祭で日本初上映

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3月1日から10日に開催される第19回大阪アジアン映画祭の追加上映作品が明らかに。エドワード・ヤンが共同脚本に名を連ねた香港映画「一九零五的冬天」が「1905年の冬」の邦題で日本初上映される。

「1905年の冬」場面写真

「1905年の冬」場面写真

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本作は日露戦争の時代に、西洋絵画と音楽を学ぶために日本を訪れ、帰国後、中国の美術界へ影響を与えた知識人・李叔同(弘一)を描いた歴史ドラマ。上海の裕福な家庭で育った李叔同は、あらゆるもめ事に疲れ果て、芸術に集中できる場所を求めて東京に留学した。絵画、音楽、新劇を学び、日本人女性と恋に落ちる李叔同。しかし政治的緊張が高まる中、彼は友人たちに説得され、中華革命党に入党する。

エドワード・ヤン作品のプロデューサーであるユー・ウェイエン(余為彦)の兄、ユー・ウェイチェン(余為政)が家族や友人の協力を得て監督。1981年にアメリカから帰国したエドワード・ヤンが映画界に入って初めての仕事で、のちに台湾ニューシネマの中心人物となっていく映画人が多数参加している。キャストは現在は白磁陶芸家として知られるハインリック・ワンと、映画監督のツイ・ハークら。エドワード・ヤンも日本軍の将校役でカメオ出演した。

台湾ニューシネマの始まりを告げた1982年の短編オムニバス「光陰的故事」に1年先駆けて制作されたが、当時は配給会社が見つからず、正式公開されなかった経緯がある。このたびデジタルリマスター版が大阪アジアン映画祭の特集企画<台湾電影ルネッサンス2024>の1本として上映されることになった。

「烈火青春」場面写真 (c)Mei Ah Entertainment Group Co., Ltd

「烈火青春」場面写真 (c)Mei Ah Entertainment Group Co., Ltd[拡大]

「1日240時間」場面写真 (c)一般財団法人草月会/『1日240時間』

「1日240時間」場面写真 (c)一般財団法人草月会/『1日240時間』[拡大]

なおこのほかの追加ラインナップには、自由を愛し独身を貫く48歳の女性の転機と葛藤をオフビートに描く「ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー」、ナデート・クギミヤ主演で妹のために悪霊と戦う元軍人を描いたホラー「ティーヨッド 死の囁き」、「レスリー・チャン/嵐の青春」の題名で知られる香港映画「烈火青春」の4Kレストア版ディレクターズカット、勅使河原宏が監督、安部公房が脚本を担い、1970年の大阪万博・自動車館で公開された「1日240時間」などが並んでいる。

第19回大阪アジアン映画祭は大阪・ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館にて開催。チケットは2月21日より順次販売される。会場や上映日によって料金、販売方法、発売日が異なるため詳しくは映画祭の公式サイトで確認を。

※記事初出時、人物名に誤りがありました。お詫びして訂正します。

第19回大阪アジアン映画祭

2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館

追加上映作品

「ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー」※日本初上映
「テネメント」※アジア初上映
「仮想」※海外初上映
「ティーヨッド 死の囁き」※日本初上映
「1905年の冬 <デジタルリマスター版>」※日本初上映
「烈火青春 <4Kレストア版ディレクターズカット>」
「潜入捜査官の隠遁生活」※世界初上映
「1日240時間」

スペシャルオープニング作品

2月上旬に発表予定

クロージング作品

2月上旬に発表予定

コンペティション部門

「シティ・オブ・ウインド」※日本初上映
「水に燃える火」※アジア初上映
「ハイフン」※日本初上映
「作詞家志望」※日本初上映
「においが眠るまで」※世界初上映
「行方不明」※日本初上映
「親友かよ」※日本初上映
「サリー」※日本初上映
「スノードロップ」※世界初上映
「Solids by the Seashore(英題)」※日本初上映
「トラブル・ガール」※日本初上映
「未来の魂」※世界初上映
「水深ゼロメートルから」※世界初上映

特別注視部門

「ジャカルタ13爆弾」※日本初上映
「同行」※海外初上映
「姉妹の味」※海外初上映
「第4の男」※海外初上映
「ジョンオク」※海外初上映
「楽園島」※日本初上映
「シャングリラに逗留」※日本初上映

インディ・フォーラム部門

「ALL THE SONGS WE NEVER SANG」※アジア初上映
「Before Anyone Else」※海外初上映
「ブルーイマジン」※アジア初上映
「走れない人の走り方」
「愛の茶番」※アジア初上映
「オン・ア・ボート」※世界初上映
「カオルの葬式」
「りりかの星」※日本初上映
「スミコ22」※世界初上映
「すとん」※世界初上映
「うぉっしゅ」※世界初上映
「胴鳴り」※世界初上映

特集企画(タイ)

「ブレイズド・アウェイ」※海外初上映
「フンパヨン 呪物に隠れた闇」※日本初上映
「さよならの言い方」※海外初上映
「葬儀屋」※日本初上映

特集企画(台湾)

「BIG」※海外初上映
「馬語」※海外初上映
「春行」※日本初上映
「ちょっとだけ逃げてもいい?」※海外初上映

特集企画(香港)

「全世界どこでも電話」※日本初上映
「雲と人生」
「スウィート・ライム」※アジア初上映

特別招待作品部門

「あまろっく」※世界初上映
「カミノフデ(仮題)」※世界初上映

神戸女学院大学協賛特別上映

「リキシャ・ガール」※日本初上映

芳泉協賛企画(映像研究助成)

「彼方の家族」※世界初上映
「女子と男子」※世界初上映
「ハーフタイム」
「Perfect・Nervous」

芳泉協賛企画(映像研究表彰)

「アスク・フォー・ザ・ムーン」
「花心 ファーシン」
「ふれる」

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おきらく台湾研究所 @okiraku_tw

映画ナタリー「エドワード・ヤンの初脚本作品「1905年の冬」大阪アジアン映画祭で日本初上映」 https://t.co/rmb24j4cQy 《一九零五的冬天》デジタルリマスター版を上映。

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