彼こそキング、バズ・ラーマンがカンヌのワールドプレミアで「エルヴィス」語る

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エルヴィス」のワールドプレミアが、第75回カンヌ国際映画祭でフランス現地時間5月25日に行われた。

「エルヴィス」レッドカーペットイベントの様子。

「エルヴィス」レッドカーペットイベントの様子。

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エルヴィス・プレスリーの真実の物語を「ムーラン・ルージュ」「華麗なるギャツビー」のバズ・ラーマンが描いた本作。オースティン・バトラーがエルヴィス、トム・ハンクスがエルヴィスのマネージャーであるトム・パーカーを演じた。映画祭ではアウト・オブ・コンペティション部門に出品されている。

「エルヴィス」レッドカーペットイベントの様子。

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レッドカーペットは世界中のマスコミであふれ返り、大きな盛り上がりを見せた。バトラー、ハンクス、ラーマンらが登場すると歓声が沸き起こり、一斉にフラッシュが焚かれる。公式上映後は12分間のスタンディングオベーションが起こり、ラーマンとバトラーは目にうっすらと涙を浮かべて感無量の様子を見せた。

左からオースティン・バトラー、バズ・ラーマン、トム・ハンクス。(c)Kazuko WAKAYAMA

左からオースティン・バトラー、バズ・ラーマン、トム・ハンクス。(c)Kazuko WAKAYAMA[拡大]

翌日26日に行われた記者会見にはラーマン、バトラー、ハンクスらが出席。ラーマンはエルヴィスについて「若いときからブラック・ミュージックに親しみ、B・B・キングとの交流も有名だった。ブルース、ソウル、ゴスペルなどさまざまな音楽に浸り、そこからインスピレーションを得て、自分なりの音楽を作り上げた。彼はよく『俺はキング・オブ・ロックンロールじゃない、それに浸って発散しただけだ』と語っていたが、僕は彼こそキングだったと思う。そしてとてもスピリチュアルな人だった。そのパフォーマンスはパンクロッカーの元祖と言える」と語る。

オースティン・バトラー (c)Kazuko WAKAYAMA

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役作りについて尋ねられたバトラーは「3年間、彼に浸り続けた。何度も何度もクリップを見直し、彼の動き、声、まなざしなどを研究したよ。そうやって浸り続けたおかげで、鏡を見て自分でもなんだかプレスリーみたいだと思えるようになった(笑)。でも僕にとって大事だったのは、彼のソウルがにじみ出るようにすることだったんだ。3年間、彼のレガシーに浸り、素晴らしい人物の人生を生きたことは、本当に心を動かされる経験だった」と答えた。

トム・ハンクス (c)Kazuko WAKAYAMA

トム・ハンクス (c)Kazuko WAKAYAMA[拡大]

そして強欲な“悪役”とされるマネージャー、トム・パーカーを演じたハンクスは「僕はプロだからね。お金をもらえればどんな人物にもどんな服装にもなるよ(笑)」とユーモアを交えて会見場を沸かせる。そして「トム・パーカーのことは、演じることになってからどんな人物だったか知って驚いた。ただ、彼は強欲だったけれど、プレスリーを最初に見出してスターにした人物だ。もっともプレスリーの音楽に感銘したというより、観客の反応に衝撃を受けたんだけど。プレスリーの音楽的な功績を世に残したという点だけは認められるだろう」と語った。

「エルヴィス」は7月1日より全国ロードショー。

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