山形国際ドキュメンタリー映画祭がオンライン開催を決定、コンペのラインナップ解禁

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山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)2021の記者会見が本日8月2日に山形・KUGURUで開催。オンラインでの実施とコンペティション部門のラインナップが発表された。

「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2021」ビジュアル

「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2021」ビジュアル

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1989年から隔年で行われ、今年で17回目の開催を迎える同映画祭。現在の全国的な新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、今回初めてオンライン開催での実施を決定した。副理事長の加藤到は「映画祭の魅力はまさに密にあった。小さな街だからこそコンパクトな空間で監督や観客、記者、研究者たちの密な交流が生まれていた」と説明。同映画祭には例年、世界中の作家や全国のボランティアスタッフ、観客が集まる。そのため「映画祭からクラスターを絶対に出してはならない」という点を重視し、オンライン開催という苦渋の選択をとった形だ。

「City Hall(原題)」

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「理大囲城」

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メインプログラムとなる2つのコンペティション部門には、124の国・地域から計1972本の応募があった。これは前回比83%で、減少の原因はコロナ禍と応募期間の短縮が挙げられた。インターナショナル・コンペティションでは15作品を配信。アジア、中東、欧州、北米、南米、北アフリカという多彩な地域から、さまざまなバックグラウンドを持つ監督の作品が集った。女性監督による作品は、過去最多となった前回に次いで2番目に多い7本。15本の中に直接的にコロナ禍をテーマに据えたドキュメンタリーは選ばれていないが、応募作品の中には制作面や内容で影響を受けた作品は多数存在したという。

「ナイト・ショット」

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「ヌード・アット・ハート」

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ラインナップにはフレデリック・ワイズマンが米ボストン市庁舎にカメラを向けた275分の「City Hall(原題)」、香港民主化デモにおいて香港理工大学での籠城を余儀なくされた学生たちを匿名の監督たちが内側から捉えた「理大囲城」、性暴力を受けたチリの女性監督が事件後、日記のようにカメラを回し言葉にならない感情を表現した「ナイト・ショット」、奥谷洋一郎が減少が続くストリップ劇場を5年間にわたって取材し踊り子たちの素顔を記録した「ヌード・アット・ハート」、ヤン ヨンヒが記憶を失いつつある母との対話を通じて「済州 4.3」という壮絶な歴史的事件に向き合う「スープとイデオロギー」などが並ぶ。

「スープとイデオロギー」

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またアジアの新進作家のドキュメンタリーを紹介するアジア千波万波では、短編を含む18作品を配信。そのほか今の日本を独自の視点で捉えたドキュメンタリーを紹介する「日本プログラム」、東日本大震災に関する記録映画を紹介する「ともにある Cinema with Us 2021」、山形の文化と歴史を多様な視点で表現した作品を集めた「やまがたと映画」などのプログラムが用意されており、映画祭全体で50本から60本ほどの作品をオンライン上映する。コンペ以外の作品は未発表のため続報を待とう。なお一部、権利関係の問題で配信が行われない作品も予定している。

映画祭でのオンライン上映は国内のみ視聴可、配信イベントは国内外から視聴できる。またコンペの審査員は公平を期すためオンラインではなく、山形の現地でスクリーンにて鑑賞して審査を行う。開会式と閉会式は関係者のみで実施することも明かされた。詳細は映画祭の公式サイトで確認を。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2021

オンライン開催 2021年10月7日(木)~14日(木)

インターナショナル・コンペティション

「光の消える前に」
「カマグロガ」
「City Hall」
「最初の54年間ー軍事占領の簡易マニュアル」
「彼女の名前はエウローペーだった」
「理大囲城」
「ミゲルの戦争」
「ナイト・ショット」
「Notturno(原題)」
「核家族」
「ヌード・アット・ハート」
「自画像:47KMのおとぎ話」
「スープとイデオロギー」
「私を見守って」
「発見の年」

アジア千波万波

「午後の景色」
「蟻の蠢き」
「言語の向こうにあるもの」
「心の破片」
「駆け込み宿」
「エントロピー」
「怖れと愛の狭間で」
「炭鉱たそがれ」
「それは竜のお話」
「リトル・パレスティナ」
「異国での生活から」
「ルオルオの怖れ」
「メークアップ・アーティスト」
「東北おんばのうた ー つなみの浜辺で」
「沈黙の情景」
「夜明けに向かって」
「ベナジルに捧げる3つの歌」
「燃え上がる記者たち」

そのほかプログラム

日本プログラム
ともにある Cinema with Us 2021
やまがたと映画
ヤマガタ・ラフカット!
ヤマガタ映画批評ワークショップ

※タイトルはすべて仮題

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