東京フィルメックスで万田邦敏、ツァイ・ミンリャン、ホン・サンスらの新作上映

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第21回東京フィルメックスのラインナップ発表会見が、本日9月24日にオンラインで行われ、映画祭ディレクターの市山尚三が出席した。

「愛のまなざしを」 (c)Love Mooning Film Partners

「愛のまなざしを」 (c)Love Mooning Film Partners

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「風が吹けば」

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東京フィルメックスはアジアを中心に、世界各国の独創的な作品を厳選して上映する国際映画祭。コンペティション部門には、アジアの新進作家が2019年から2020年に制作した作品から12本が選ばれた。イラン、カザフスタン、インド、中国、台湾、フィリピンの作品に加え、同映画祭で初となるアルメニアとアゼルバイジャンの作品も。日本からは佐藤快磨の「泣く子はいねぇが」、池田暁の「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」、春本雄二郎の「由宇子の天秤」、松林要樹の「オキナワ サントス」が選ばれた。審査委員長は万田邦敏が務める。

「天国にちがいない」 (c)2019 RECTANGLE PRODUCTIONS - PALLAS FILM - POSSIBLES MEDIA II - ZEYNO FILM - ZDF - TURKISH RADIO TELEVISION CORPORATION

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「日子」

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「逃げた女」

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特別招待作品からは、万田が監督を務め、仲村トオル杉野希妃斎藤工らが共演した「愛のまなざしを」がオープニング作品に。イスラエル出身のエリア・スレイマンはクロージング作品として「天国にちがいない」が上映されるほか、特集企画も組まれる。そのほかデヴィッド・クローネンバーグの「クラッシュ」4K修復版や香港の歌手デニス・ホーのドキュメンタリー「デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング」のほか、アモス・ギタイリティ・パンジャ・ジャンクーホン・サンス原一男ら同映画祭の常連監督による新作が並んだ。ツァイ・ミンリャンの新作「日子」は、劇映画としては「郊遊(ピクニック)」以来の作品であり、リー・カンションが出演。「七人楽隊」はジョニー・トーの呼びかけにより、香港ニューウェーブの映画人たちが集結したオムニバス作品だ。

さらに会期中とは別日程で、マノエル・ド・オリヴェイラ監督作「繻子の靴」が日本初上映される。1985年に発表された同作は上映時間7時間に迫る大作で、日本国内ではソフト化もされておらず、このたび35mmフィルムでスクリーンにかけられる。

第21回東京フィルメックスポスタービジュアル

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第21回東京フィルメックスは10月30日から11月7日にかけて東京・有楽町朝日ホールほかで開催。会期後、一部の上映作品は1週間限定で有料配信される予定だ。なお今年は例年より早く、東京国際映画祭とほぼ同時期の開催となる。この狙いについて、市山は「連携しようという話は昨年からあり、互いの条件が合って同時期の開催が決まった。映画祭としては、主にゲスト関連での相乗効果を期待している。今年は残念ながらゲストをほとんど呼べないが、来年以降もこの取り組みが継続するようであれば成果が出せると思う」と説明。また、この期間に東京に来れば主要なアジア映画をチェックできるというメリットもあると述べた。両映画祭における具体的な連携施策については今後アナウンスされる。

万田邦敏 コメント

第21回東京フィルメックスのオープニング作品として「愛のまなざしを」が上映されることは、私のみならずキャスト・スタッフ一同、たいへん嬉しく、また名誉なことと思っています。しかも、私が審査員長を務めることにもなり、身の引き締まる思いです。2020年は、不幸にも新型コロナウィルス禍の年として記憶されることになりました。日常の風景も一変しました。おそらく、今後作られる映画に描かれる人間、社会、風景、物語、すべてが新型コロナの影響からは逃れられないのだと思います。しかし、映画はこれまでも世界規模の災禍の後に、新たなテーマ、視点、技法、描写力を手に入れ、進化してきました。今回の映画祭に集う映画たち、映画人たち、そして観客が、最初の「次なる映画」の証人になることを私たちは信じています。

第21回東京フィルメックス

2020年10月30日(金)~11月7日(土)東京都 TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町朝日ホール、アンスティチュ・フランセ東京、アテネ・フランセ文化センター

東京フィルメックス・コンペティション

風が吹けば」(ノラ・マルティロシャン / フランス、アルメニア、ベルギー)
死ぬ間際」(ヒラル・バイダロフ / アゼルバイジャン、メキシコ、アメリカ)
「迂闊(うかつ)な犯罪」(シャーラム・モクリ / イラン)
イエローキャット」(アディルハン・イェルジャノフ / カザフスタン、フランス)
マイルストーン」(アイヴァン・アイル / インド)
アスワン」(アリックス・アイン・アルンパク / フィリピン)
「無聲(むせい)」(コー・チェンニエン / 台湾)
「不止不休」(ワン・ジン / 中国)
「泣く子はいねぇが」(佐藤快磨 / 日本)
「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」(池田暁 / 日本)
「由宇子の天秤」(春本雄二郎 / 日本)
「オキナワ サントス」(松林要樹 / 日本)

特別招待作品

「愛のまなざしを」(万田邦敏 / 日本)※オープニング作品
「天国にちがいない」(エリア・スレイマン / フランス、カタール、ドイツ、カナダ、トルコ、パレスチナ)※クロージング作品
「クラッシュ」4K修復版(デヴィッド・クローネンバーグ / カナダ、アメリカ)
「デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング」(スー・ウィリアムズ / アメリカ)
ハイファの夜」(アモス・ギタイ / イスラエル、フランス)
照射されたものたち」(リティ・パン / フランス、カンボジア)
「日子」(ツァイ・ミンリャン / 台湾)
「七人楽隊」(アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイ・ハークサモ・ハンユエン・ウーピンリンゴ・ラムパトリック・タム / 香港)
海が青くなるまで泳ぐ」(ジャ・ジャンクー / 中国)
平静」(ソン・ファン / 中国)
逃げた女」(ホン・サンス / 韓国)
水俣曼荼羅」(原一男 / 日本)
「仕事と日(塩尻たよこと塩谷の谷間で)」(C・W・ウィンター&アンダース・エドストローム / アメリカ、スウェーデン、日本、香港)

特集上映 エリア・スレイマン

消えゆくものたちの年代記
D.I.
「時の彼方へ」

特別上映

「繻子の靴」(マノエル・ド・オリヴェイラ / ポルトガル、フランス)
11月22日(日)東京都 有楽町朝日ホール
11月26日(木)~28日(土)東京都 アテネ・フランセ文化センター

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