トム・ハーディが裏社会で暗躍する“なんでもありのもみ消し屋”に、ガイ・リッチーが贈る「モブランド」J:COM STREAMで配信

アニメ、映画、ドラマなどさまざまなジャンルの新作・話題作を楽しめる動画配信サービス「J:COM STREAM」。7月4日にはParamount+(パラマウントプラス)のドラマ「モブランド」の配信がスタートした。

「モブランド」は、「ヴェノム」シリーズのトム・ハーディが主演、「スナッチ」や実写版「アラジン」のガイ・リッチーらが監督を務めたクライムサスペンス。イギリス・ロンドンを舞台に、裏社会を牛耳る犯罪一家ハリガン家に忠誠を誓う“最強のフィクサー(もみ消し屋)”ハリーの暗躍が描かれる。5代目ジェームズ・ボンドとして知られるピアース・ブロスナン、「ワイルド・スピード」シリーズのヘレン・ミレンもキャストに名を連ねた。すでにシーズン2の製作も決定している。

アメリカでは配信開始から7日間で880万人の視聴者数を記録。この特集では、そんな話題作の魅力をイラストとレビューで紹介する。

イラスト / トモマツユキレビュー / 渡邉ひかる

「モブランド」キービジュアル

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「モブランド」

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トモマツユキがイラスト化

裏社会に渦巻くそれぞれの思惑…超一流フィクサーを取り巻くファミリー

プロフィール

トモマツユキ

イラストレーター。Webデザイナーとしての経験を活かし、シンプルにわかりやすく伝えるイラストを手がける。主にWebメディア・雑誌・学生新聞などで活動中。

キャラクター相関図

ハリー・ダ・スーザ(演:トム・ハーディ)

トム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ

犯罪一家・ハリガン家に仕える寡黙な“フィクサー(もみ消し屋)”。ファミリーに脅威が迫れば、一瞬にして冷酷で容赦のない暗殺者へと変貌し、あらゆる手段を使って相手を始末する。敵対組織との抗争が勃発する中、ファミリーと本当の家族との間で板挟みとなり、ハリガン家の陰謀に絡め取られないよう必死に抗っている。

コンラッド・ハリガン(演:ピアース・ブロスナン)

ピアース・ブロスナン演じるコンラッド・ハリガン

ハリガン家の当主。アイルランド系ギャングの荒々しさとイギリス紳士の品格をあわせ持ち、マフィアの王のように一族を支配しているが、裏社会の第一線に立ち続けるには年齢的に限界が来ていることにも気付いている。それでもなお地位を手放すことに踏ん切りがつかず、子供たちの誰が自身の座を引き継げるのかと、頭を悩ませている。

メイヴ・ハリガン(演:ヘレン・ミレン)

ヘレン・ミレン演じるメイヴ・ハリガン

コンラッドの妻。スタイリッシュで優雅、それに加えて狡猾であり、ハリガン家の仕事を陰で取り仕切っている。自分の望みを叶えるためならなんでもする覚悟があり、たとえ相手が身内であっても容赦はない。

エディ・ハリガン(演:アンソン・ブーン)

アンソン・ブーン演じるエディ・ハリガン

コンラッドの孫。甘やかされて育ったドラッグ中毒者で、その言動は狂気の域に達している。暴力的かつ自身の行動の影響力を理解できないエディは、敵対組織との抗争の引き金となり、ハリガン家に混沌をもたらす。

ケヴィン・ハリガン(演:パディ・コンシダイン)

パディ・コンシダイン演じるケヴィン・ハリガン

コンラッドの息子であり、エディの父親。両親からの期待と問題だらけの息子に苦悩しながら、なんとか自分を保とうと必死になっている。人生を立て直そうと懸命にあがいているが、根深い自己不信に苛まれており結果は惨敗の連続。

ベラ・ハリガン(演:ララ・パルヴァー)

ララ・パルヴァー演じるベラ・ハリガン

ケヴィンの妻であり、エディの母親。父は大物政治家で、ハリガン家とは別の道で名を揚げようと、政治的な利権操作にも手を染め始めている。

セラフィーナ・ハリガン(演:マンディープ・ディヨン)

マンディープ・ディヨン演じるセラフィーナ・ハリガン

コンラッドの娘。母親はメイヴではなく、賢さと直感の鋭さでハリガン家のビジネスに欠かせない存在となっている。後継者として理想的な存在であることが、メイヴにとっては頭痛の種。

ブレンダン・ハリガン(演:ダニエル・ベッツ)

ダニエル・ベッツ演じるブレンダン・ハリガン

コンラッドの長男。ハリガン家の厄介者で、知恵もビジネスセンスもなく、家業に貢献できるような資質はほとんどない。ファミリーのコネで怪しい取引やグレーな活動に手を出し、身内をトラブルの渦に巻き込む。

ジャン・ダ・スーザ(演:ジョアンヌ・フロガット)

ジョアンヌ・フロガット演じるジャン・ダ・スーザ

ハリーの妻。「あの人はどこで何をしているの?」とハリーに頭を抱えており、ハリガン家ではなく自分たち家族のことを優先してほしいと願っている。ハリーの忠誠心と腕っぷしを利用しているコンラッドに怒りを募らせる。

「モブランド」キービジュアル

「モブランド」キービジュアル

「モブランド」

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ライター渡邉ひかるレビュー

厄介なクセ者だけが生き残れる「モブランド」の世界

Paramount+で配信されるや、7日間で880万人の視聴者数を記録した「モブランド」。このクライムサスペンスの世界に足を踏み入れた人ならおそらく、好成績にも納得するだろう。そもそも、物語の舞台がイギリスの裏社会で、製作総指揮がガイ・リッチーであることにニヤリとさせられる人は多いはず。その名を映画界に轟かせた「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」から近年のドラマシリーズ「ジェントルメン」まで、犯罪の香りが充満する物語とガイ・リッチーの食い合わせはいつだって間違いなかった。「モブランド」はそういった点を重々承知している1作で、物語の中心にいるのは裏社会を牛耳る犯罪一家。ドラッグ、殺し、裏切り、駆け引きなど、犯罪ドラマを彩るべきすべてを気持ちよく揃えながら、最高に痺れさせてくれる。

トム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ

トム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ

そんな作品世界の案内人となるのが、主人公のハリー・ダ・スーザだ。演じるのは、「ヴェノム」シリーズなどのトム・ハーディ。リッチー監督とは2008年の映画「ロックンローラ」以来の顔合わせとなる。やはり犯罪ものだった「ロックンローラ」で演じていたのは線の細いイケメンのチンピラだったが、見るからに屈強なハリーは犯罪一家の超敏腕フィクサー(もみ消し屋)。ちょっとしたもめ事からビジネスの一大事まで、ファミリーのためならハリーは何でも解決する。物腰は一見丁寧で淡々としてもいるが、その冷静な雰囲気で恐怖を煽るのがハリーという男。たとえば殺人が起きたとしたら、警察内部の協力者に手を回して“なかったこと”にするのはもちろん、犯罪現場に飛び散った血の掃除にまで目を光らせる。かなりデキる男のため、ファミリー全員に頼られて毎日が目まぐるしく忙しい。一方、ハリーには本物の家族もいて、妻と年頃の娘が悩みの種に。犯罪一家の敏腕フィクサーも家庭の問題まではスマートに解決できないことを、ハリーの眉間の皺が物語る。

トム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ

トム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ

左からトム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ、ピアース・ブロスナン演じるコンラッド・ハリガン

左からトム・ハーディ演じるハリー・ダ・スーザ、ピアース・ブロスナン演じるコンラッド・ハリガン

ガイ・リッチー自ら監督を務めた第1話では、そんなハリーとファミリーの運命を大きく揺るがす事件が起こる。一家の問題児でもある孫が、敵対組織のボスの息子と何らかのトラブルに。それにより、組織同士の間に不穏な空気が流れ、一大抗争の影がちらつき始める。ファミリーが勢力を拡大するための麻薬戦争も絡み、死体は次々と増え、血が流れ出すスピードも一気に加速。もちろん、ハリーは後始末にかけずり回ることになり、シビアなクライムサスペンスらしさが容赦なく、じわじわと色濃くなっていく。街中でのガンファイトからカーチェイスまで、ダイナミックさと緊迫感に溢れるアクションシーンも多々。その中に登場人物同士のとぼけた会話の応酬やちょっとしたユーモアもきっちり共存しており、これまでのリッチー作品でも見られた独特のトーンをテンポよく楽しむことができる。

となると注目すべきはやはり、物語を動かしていく登場人物たちの存在だろう。何せ「モブランド」の世界にいるのは厄介なクセ者ばかり。というより、厄介でなければ、この世界を生き抜くのは難しい。その筆頭に挙げられるのが、ピアース・ブロスナン演じるファミリーのボス、コンラッド・ハリガンだ。犯罪一家の絶対的トップであるコンラッドは2人の息子をもうけた妻に弱く、重大な決断を妻に委ねることすらあるが、激情に走る瞬間もあり、裏切り者に自ら手を下すこともいとわない。その妻メイヴはヘレン・ミレンが演じているだけあって、貫禄も迫力もたっぷりだ。また、彼らの孫で一連の事態の元凶となるエディ(アンソン・ブーン)やその父ケヴィン(パディ・コンシダイン)らもキーマンに。さまざまな思惑を抱えるキャラが大渋滞し、裏切りも殺しも横行する“ファミリードラマ”の中で、最後に笑うのは誰か? そして、ハリーは自らの仕事を全うすることができるのか? 一息つく暇もなく、最終話まで一気に見たくなるはずだ。

中央左からヘレン・ミレン演じるメイヴ・ハリガン、ピアース・ブロスナン演じるコンラッド・ハリガン

中央左からヘレン・ミレン演じるメイヴ・ハリガン、ピアース・ブロスナン演じるコンラッド・ハリガン

「モブランド」本予告公開中


「モブランド」キービジュアル

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