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のん「誇らしくて一生忘れない」と胸を張る、片渕須直はキャストに感謝

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「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の公開記念舞台挨拶の様子。

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の公開記念舞台挨拶の様子。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の公開記念舞台挨拶が本日12月21日に東京・テアトル新宿で行われ、声のキャストののん細谷佳正尾身美詞潘めぐみ岩井七世新谷真弓牛山茂、監督を務めた片渕須直が登壇した。

本作は「この世界の片隅に」に約30分間の新規映像を加えた長尺版。250を超える新カットですず、リン、周作が抱える秘密が描き足され、それぞれの複雑な心情がつづられる。すずをのん、すずの夫・周作を細谷、リンを岩井が演じた。

まずのんは、満員の会場をうれしそうに眺める。本作が公開を迎えた心境については「本当にうれしいですね。まさか『この世界の片隅に』公開から3年も経つとは思わなかったんですけど……」と述べ、細谷も「まさかこんなに待つとはね」とうなずいて会場の笑いを誘った。

続けてのんは「シーンを新たに追加して新作として改めて世の中に送り出すというのは、ほかにない経験だと思います。こんな機会をいただいて喜びに満ちてます!」と思いを口にする。そして片渕が9年間本作と向き合ってきたことに触れながら「こんなに執念を持った監督の作品に参加できたことは、すごく誇らしくて一生忘れないと思います」と笑みをこぼした。

本作では周作の過去も丁寧に描かれている。細谷は「『この世界の片隅に』よりも、周作さんが男性なんだなと意識させられました」と話し、「『この世界の片隅に』ではすずさんを中心に、どうやって前向きに生きていくかを描いていたと思うんです。夫婦間の愛よりは人間愛に近い形でした。でも『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の台本をいただいたら、男女のリアリティみたいなものも表現されていて、周作も男性なんだなって」と新たに付け足されたシーンを演じた感想を語った。

「この世界の片隅に」のアフレコ最終日を振り返るのは岩井。「『もっとやりたい』と言ったら、監督に『ちょっと待っててください』と言われたんです」と明かし、「待ち続けて3年。ようやくまたリンさんを演じられました」と声を弾ませる。片渕は「同じ人物を演じるのに3年も経っているので、違ってたらどうしよう?という不安があったんです」と言い、「でもみんなマイクの前に立ったら、あの場所でずっと生活し続けてるように演じてくれました。ちゃんと繋がっている。ありがたかったです」とキャストへ感謝を伝えた。

最後にのんは「新しいシーンが付け足されて、まったく違う味わいの映画になったと思います。また一緒に応援してください」と客席に呼びかける。そして片渕は「昨日公開初日なのに、もう毎日映画コンクールでこの作品がノミネートされていて、びっくりしました。ディレクターズカット版とかそういうものは映画賞の対象にはならないんです。だから新しい映画として認めていただけてうれしいです」と力説。さらに「『この世界の片隅に』は公開から1133日ずっとずっと上映を続けることができました。そして昨日から『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が始まりました。再スタートだと思っています。ずっとずっと上映され続けたいです。応援していただけるとありがたいです」と語り、イベントの幕を引いた。

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は全国で公開中。

(c)2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

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