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桑原裕子率いる劇団KAKUTAの同名舞台を映画化した本作は、15年前の事件をきっかけに別々の人生を歩んでいた稲村家の母と3兄妹が再会し、崩壊した絆を取り戻そうとする物語。フリーライターとして働く次男・雄二を佐藤、コミュニケーションに苦手意識を持つ長男・大樹を鈴木、スナックで働く長女・園子を松岡が演じ、母・こはる役を田中裕子が務めた。
共感したセリフを聞かれた佐藤は「園子がベロベロに酔っ払ってタクシーで送ってもらったあと、リバースしてから『まだ吐くよ!』って言うんです。あのセリフ、いいよ。めちゃくちゃリアル」と松岡のほうを見る。それは松岡のアドリブだったらしく、佐藤は「役者がセリフをアレンジすることをよしとする監督も、よしとしない監督もいる中で、白石さんは『もはや意味が変わってもいいくらい、セリフを変えてもらっても構わない』と言っていました(笑)。懐の広い監督です」と白石の言葉を紹介。「意味が変わっちゃったらどうするんですか!?」と松岡に聞かれた白石は「皆さんから見えないところで、がんばってなんとかするんです」と笑った。
松岡は、筒井真理子演じる由美が介護で苦しんだ末の「私も私の時間が欲しいもん」というセリフに共感したそうで「介護だけじゃなくても、1人でお子さんを育てている方や、責任を一身に負っている方からも、ああいう言葉が出てくるんじゃないか」と話す。そして鈴木が「僕は、3兄妹が『デラべっぴん』のイントネーションで揉めているところが好きです」と言うと、妻・稲村二三子役のMEGUMIも賛同。キャストらは、それは3人が現場でイントネーションについて議論していたから生まれた掛け合いであることを明かした。
映画の後半には、カークラッシュのシーンが盛り込まれている。当初そのシーンを入れる予定がなかったという白石は「この企画に4年くらいかけていますが、直前まであのシーンは書いていませんでした。でも、家族やほかの人間関係って、うまくコミュニケーションが取れていない場合は、ちゃんとぶつからないと次に進めないのかなと思って。その象徴としてタクシーをクラッシュさせました」とこだわりを語る。いくつかのカットで実際に運転していた佐藤は「すみません、酔いましたよね」と謝り、松岡に「私は酔わないように、梅干しのお菓子をいっぱい持って乗り込みました!」と返された。
佐々木は、雄二らの実家である稲丸タクシーにやってくる新人ドライバー・堂下道生役を務めた。劇中では雄二とぶつかり合うシーンがあったが、佐々木は「健くんのキックは全然痛くないんですよ。当ててから押してくれるので、衝撃が強くなくて。健くんが相手なので、安心して蹴られました」と回想。また園子が雄二と口喧嘩し、ピーナッツを投げつける場面で、白石はあえて佐藤の頭にピーナッツがついてしまったテイクを使用したそうで「ピーナッツがくっついてるのに、こんなにかっこいい人いるのか!?と思って、あのテイクを使いました」と告白した。同じ兄妹喧嘩のシーンで、大樹に肩を掴まれるシーンのあった佐藤は、鈴木の力に圧倒されたことを明かし「肩がボーンって(飛んじゃって)。ハルクなの」と笑いを起こす。鈴木が「『あなたは思っている以上に力があるので、加減して』って言われることが多くて……」と悩みを告白すると、松岡は「パーマンの世界ですよね。パーマンも自分の力の強さがわからないんですよ」と豆知識を披露した。
最後には登壇者たちへ「自分にとって家族とは?」という質問が。佐藤は今年30歳になったことに触れ「これから家族を築いていくという立場で捉えると、僕にとっては未知の世界でありながら、非常に憧れがあります」と答えた。
「ひとよ」は全国で上映中。
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「ひとよ」佐藤健にとって家族は憧れ、鈴木亮平は力が強すぎてパーマンに(写真21枚) https://t.co/556rL4eve2