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望月衣塑子の著書「新聞記者」を原案とする本作。国家権力の闇に迫ろうとする新聞記者・吉岡にシム・ウンギョンが扮し、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務を与えられたエリート官僚・杉原を松坂が演じている。シム・ウンギョンは「情報があふれる今の時代、どのように自分の道を切り開いて生きていくのか。それぞれ伝えたいメッセージはあると思いますが、真心で感じてくださるとありがたいです」と観客に呼びかけた。
松坂は公開初日を迎えた前日、本作の公式サイトがサーバーダウンしていたことを報告する。「作品を表現するのにしっくりする言葉がまだ見つからないですが、観てくださった方々の感想がこの映画のすべてかなと。昨日、公式サイトがパンクしたらしいとスタッフさんから聞いて、それだけ熱量のある作品なんだと改めて実感しています」と反響に驚いた。
杉原の妻を演じた本田は、本作で松坂と初共演。松坂への印象を「静かな方。しゃべらなくても平気で、一緒にいて居心地のいい雰囲気を持っている方です」と表現する。司会者から「ゲームの話で盛り上がっていたと聞きましたが」と尋ねられると、本田は「この映画のテーマ的にあえて触れないでおこうとしたんですけど……ゲームの話をよくしました(笑)。松坂さんはカードゲームをやられているようで」と遠慮がちに告白。松坂も「あの夫婦の仲はゲームの話でできあがりました(笑)」と苦笑しながらうなずいた。
藤井は本作のメガホンを取るにあたり、オファーを2度断っていたことを明かす。「若い世代の目に政治はどう映っているのかと聞かれたとき、『正直興味ないです』と断ったんです。でも逆に、この国に生きる1人の人間として、どうして今まで避けてたんだろうって気付くことができました」と監督を引き受けたきっかけに言及。岡山は「なじみのない言葉がたくさん出てくるので、新聞社を見学したり資料を読んだり、いろいろな方向から準備をしました」と振り返り、北村は「“骨太”とか“社会派”と言われますが、それは観る方々に決めていただくもの。こういうときこそ、僕たちは毅然とした態度で皆さんに感謝すべきだと思っています」と心境を語った。またドラマ「日本ボロ宿紀行」に続いて藤井と組んだ高橋は「コメディタッチな作品から今回は意欲的で挑戦的な作品に。現場では監督にお任せして、自分はとにかく一生懸命演じるだけでした」と信頼をうかがわせる。
舞台挨拶では「もし自分が新聞記者だったら」というテーマで、オリジナルの記事の見出しを発表するコーナーも。シム・ウンギョンは「お祝い!公開!新聞記者!!」と書かれたフリップを見せ、無事に公開を迎えた安堵と喜びをあらわにする。松坂は「素敵な回答のあとに出しづらい」と渋りながら「テレビが……!?」と書かれたフリップを披露。「最近テレビが故障してうんともすんとも……。リモコンの電池をクルクルやったりしても点かないし。非常に困っている状態なんです」と述べ、プライベートな回答をしてしまった恥ずかしさから「もうやめたい!」と嘆いた。
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加藤郁美 @katoikumi
藤井監督「若い世代の目に政治はどう映っているのかと聞かれたとき、『正直興味ないです』と断ったんです。でも逆に、この国に生きる1人の人間として、どうして今まで避けてたんだろうって気付くことができました」https://t.co/wg4SPVJBhT