オムニバス映画「
「21世紀の女の子」では、1980年代後半から1990年代生まれの新進監督15人が、“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること”という共通のテーマを、各自8分以内の短編で表現している。本日行われた舞台挨拶にはキャストの
企画とプロデュースも担当した山戸は「1年前の春を待つ時期にこの企画を発表してから、この日を夢見ていました」と涙を浮かべながらコメント。「世界の素晴らしさに甘えて1本の映画を撮るのではなく、たった1本の映画が世界を素晴らしくできるということを実行できればと思いました」と考えを明かした。橋本は「すごく大きな思想だったり信念だったりが、関わった人の数だけ集合して1つの映画となり世界に拡散していく。その最初の場に立てて光栄です」と喜びをあらわにする。
橋本は、松本花奈が監督を務めた「愛はどこにも消えない」に主演した。撮影はわずか1日だったが濃密な関係を築けたそうで、「女性であり年齢が近いので同じ景色を見てきたというか、知らない間にともに暮らしてきたような。最初から安心感があったのを覚えています。彼女の思想や、人に届けたいと思っているものをできるだけ私の中に落とし込んで、表現としてお手伝いできたらいいなという思いでした」としみじみ述べる。「今まで経験してきたことは無駄ではなくて、すべてが自分につながっていることを肯定したいという(松本の)気持ちを聞いて。撮影が終わってからも自分の中にずっとそういう感覚が残っていたのがうれしかったです」と笑みを浮かべた。
監督たちは、自身が手がけた作品についてそれぞれ紹介していく。井樫は「私は女の子とセックスしてみたいという願望を短編に入れました」と作品に込めた思いに言及。普段はデザイナーとして活動している東は「このような機会を山戸監督に与えていただいてありがたく思っています。デザイナーだからこそ撮れるものを撮りました」と語った。
イベントの終盤、山戸は「世界にディレクションし続ける女の子として、自分自身というプレイヤーのたった1人のディレクターとして生きていきたいと思います」と未来について力強く伝える。そして橋本は「例えば何かをやるときに、私はできないんだと自分のことを疑う心はあると思うんですけど、それを打ち負かすような力がこの映画にはあります。あなたの物語はあなたにしかないということを信じられる力を渡してくれる。私も、この映画に何度も何度も救われながら生きていくと思っています」と観客にメッセージを送った。
「21世紀の女の子」は、2月8日よりテアトル新宿にて、2月15日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次ロードショー。なお本作には橋本のほか、朝倉あき、石橋静河、伊藤沙莉、唐田えりか、北浦愛、木下あかり、倉島颯良、黒川芽以、瀧内公美、日南響子、堀春菜、松井玲奈、三浦透子、モトーラ世理奈、山田杏奈が出演している。監督としては、本日登壇した11名と松本以外に、夏都愛未、山中瑶子、玉川桜が参加した。
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椿原 敦一郎 @teamokuyama
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