「21世紀の女の子」は“あなたのための映画です”、松本花奈やふくだももこが登壇

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オムニバス映画「21世紀の女の子」の舞台挨拶が本日2月14日に東京・テアトル新宿にて行われ、キャストの須藤蓮木口健太、監督を務めた松本花奈ふくだももこが出席した。

「21世紀の女の子」舞台挨拶の様子。左からふくだももこ、木口健太、須藤蓮、松本花奈。

「21世紀の女の子」舞台挨拶の様子。左からふくだももこ、木口健太、須藤蓮、松本花奈。

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「21世紀の女の子」ポスタービジュアル

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山戸結希が企画・プロデュースを担当した本作は、新鋭監督15人が、“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること”というテーマを各自8分以内の短編で表現している作品。松本はテーマをもらってから「人は人を好きになるけど、結局はみんな自分が一番好きなんじゃないか」と考えていく中で、「愛はどこにも消えない」を生み出した。主人公には自身を投影している部分もあり「普段思っているけど口には出さないことを描きたかった」と作品の根底にある思いを明かす。イベントの司会進行役も務めたふくだは、7日間連続で行われた本作の舞台挨拶について「すべて満席で、連日立ち見も出ました。皆さんありがとうございます」と感謝した。

松本花奈

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「愛はどこにも消えない」では橋本愛が主人公の失恋した女性・チカコ役に起用された。キャスティングには強いこだわりがあったそうで、「橋本さんで絶対やりたかった。言葉ではなく何もしゃべらないときの表情で何かが伝わってくるのがすごい素敵だと思った」とコメント。そしてチカコの元彼を演じたのが須藤だ。撮影現場での様子を「橋本さんと一緒にいるときの空気感が、男女というより人と人として対峙している感じがあった」と明かされると、須藤は「めちゃめちゃ緊張してましたけどね」と笑う。そして「橋本さんの吐くセリフがリアルで生々しくて、そこにちゃんとコミュニケーションがあった。僕の登場シーン自体は多くないんですけど、しっかりと2人の空気感みたいのが映ってて、楽しかったですね」と述懐した。

木口健太

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元彼のメモに着想を得て「セフレとセックスレス」を監督したふくだは、黒川芽以を主演に、あるラブホテルの1室を舞台にした男女の物語を撮り上げた。相手役として起用された木口は、映画のタイトルに触れながら「セフレという関係性がすでに破綻している状態。関係性に付いている名前や言葉が崩壊してから、2人が関係性を構築していくのか、そのまま崩壊させてしまうのか」と内容に言及。そして「そんな大げさな話でもないんですけど(笑)。それをラブホテルというすっごい小さい空間で描いてます」と紹介する。

左からふくだももこ、木口健太。

左からふくだももこ、木口健太。[拡大]

須藤と松本から「どこまで台本なのかわからない」「お芝居がナチュラル過ぎてびっくりした」と口々に感想が飛ぶほど、黒川と木口の自然な芝居が捉えられた「セフレとセックスレス」。ふくだは撮影前に行った、あるカフェでのエチュードが生きていると明かす。「私と黒川さんが一緒に台本を読んでいたら、偶然近くに木口くんがいて。ソファーに座りながら即興芝居をしてもらったんです。そこから見えてくるものや、生まれたセリフが多かった」と述べ、木口も「カフェのお客さん、みんな見てましたよね(笑)」と振り返る。エチュードでは黒川が強い立場にあったそうで、木口は「僕は終始キョドってただけです。黒川さんは最初からフルスロットル」と苦笑した。

須藤蓮

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初めて「21世紀の女の子」を通して観たとき、席からしばらく立ち上がれず、涙を流したという木口。「設定やテーマ性が被ってるという意見も聞くんですけど、別に日常に生きていれば被ることなんていくらでもあるし、1人ひとり別の監督が撮ることで、そこにきっと今までの生き方が投影されている。そういう小さい部分を少しでも見逃さないように観ていただければと思います」とアピールする。松本は「試写で初めて全体を観て。すごい衝撃があるし、すごい体験になる。この映画を観てからの人生がきっと変わっていると信じています」と述べ、須藤も「この映画を観たあと、明日1日だけでもいいから少しキラキラした、彩りのある1日になっていたら。そういう気持ちになってもらえたらうれしい」と語りかけた。

ふくだももこ

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山戸から聞かされたテーマをうまく作品に昇華できなかったと感じながらも、「21世紀の女の子」を観たときに「素晴らしいパワーのある作品と感じて、席から立てなかった」と話すふくだ。そして彼女がこの作品の持つ力をより実感したのが、1月31日に行われた完成披露に1人で来ていた制服の少女を見たときだった。「夜だったのに1人で。家から電車に乗ってこの映画館に来て。彼女は『21世紀の女の子』という映画をどうしても観なきゃいけないんだと思ったと思うんです。舞台挨拶を聞いている彼女は、まだ映画が始まってもいないのに、山戸さんや橋本さんの言葉にボロボロ涙を流していて。その子を見たときに、山戸さんが言いたかったことはこういうことなんだと。映画から生み落とされた女の子がそこにいたんですね。そのことにすごく感動してしまって」と振り返る。そして「山戸さんがよく言うんです。『あなたのための映画です』と。それはあの子のことだったんだと、初めて実感が持てた瞬間だったんです。その制服を着た女の子にはいつか映画を撮ってほしいと願っているし、皆さんもこの映画を観終わったあとに、カメラを持ってみよう、映画を撮ってみようと思ってくれたら本当にうれしいです」と続けた。

「21世紀の女の子」は、テアトル新宿にて公開中。2月15日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次上映される。なおふくだがメガホンを取った「おいしい家族」は2019年秋に全国公開。また新作短編「ゆっくり」が第14回大阪アジアン映画祭で上映される。

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(c)2019「21世紀の女の子」製作委員会

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おおとも ひさし @tekuriha

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