2017年の文學界新人賞、第157回芥川賞に輝いた、沼田真佑による同名小説を実写化する本作。主人公・今野は転勤のため移り住んだ岩手で出会った同僚・日浅と親交を深め、言いようのない心地よさを感じていた。しかし、ある日突然日浅が会社を辞めてしまう。しばらくして2人は再会するが、彼らの間にできた距離は埋まらない。そんな中、日浅が行方不明となっていることを耳にした今野。彼は、周囲の人々の話から日浅の裏の顔を知ることになる。綾野が今野、松田が日浅を演じた。
綾野は「私の中で静かに生きていた感情を、今野秋一は呼び覚ましてくれました。そして日浅は、今野の中で生きる微かな影裏を見つけてくれた。そして照らしてくれた。私はあなたを忘れません」とコメント。松田は「まだワンシーンだけ撮影が残っていて、終わってないのですが、どんな映画になるのか、とても楽しみです」と述べている。綾野と松田を「熱烈に『撮りたかった』二人の俳優」と語る大友は「綾野剛、松田龍平両氏との地元・盛岡での濃密な撮影は、まるで東北の短い夏のお祭りのように、強烈に脳裏に沁みついています」と振り返った。
綾野剛 コメント
これほど愛おしく苦しく刹那な人を生きたことがありません。
私の中で静かに生きていた感情を、今野秋一は呼び覚ましてくれました。
そして日浅は、今野の中で生きる微かな影裏を見つけてくれた。そして照らしてくれた。
私はあなたを忘れません。
影裏で生きる全ての人々に出会えた事、大友監督の眼差し、各部署の愛、松田龍平さんが日浅であったからこそ、私は私で居られた。心から感謝します。
松田龍平 コメント
大友組のもと、「影裏」で日浅を演じました。
表があればもちろん裏もあって。
大抵の人は裏は見せないもので。
人によっては裏表なんてものは大して差がないのかもしれませんが。
まだワンシーンだけ撮影が残っていて、終わってないのですが、どんな映画になるのか、とても楽しみです。
大友啓史 コメント
原作を読んだ時、静かな文章と行間に宿る巨大なエモーションを感じ、すぐに映像化したいと思いました。震災以前、震災以降。変わらないものと変わりゆくもの。東京オリンピックの熱狂と喧騒に追いやられる前に、寡黙な東北人の身体の奥底に潜む感情に、真正面から触れておきたい。熱烈に「撮りたかった」二人の俳優、綾野剛、松田龍平両氏との地元・盛岡での濃密な撮影は、まるで東北の短い夏のお祭りのように、強烈に脳裏に沁みついています。良い作品に仕上げたいと思います。
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