第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が9月8日に開幕。同日に行われた「
「キッスで殺せ」について黒沢は「とんでもない映画を観てしまったというのが率直な感想ではないでしょうか」とコメントしつつ、「物語の全貌がつかめるようでつかめない。マイク・ハマーという探偵が一貫して謎を追っているが、それ以外のことがほとんどわからない。でも、こちらの目を釘付けにする普通じゃない瞬間がいくつもある」と作品の持つ複雑な魅力を語る。また「僕自身も主人公が謎に突き進んでいく映画を何本か撮っています。ただ、恐ろしいので主人公を探偵にしたことはありません」と自身の映画作りにも言及した。
続いて、本作がフィルムノワールの傑作と呼ばれている一方で「『キッスで殺せ』は特別と言っていいでしょう」と作品を位置付ける。さらに「これほどまでに露骨に謎が目の前に露呈する映画はほかにない。これは謎を巡って人が右往左往するのではなく、誰が悪者なのかという結末の映画でもない。謎そのものが、悪そのものが最後に目の前にその正体を現すという映画。もはやフィルムノワールでなくなっていると言っていいかもしれない。こんな途方もない映画は、アルドリッチのフィルモグラフィにも、世界の映画の歴史においてもほとんど見当たらない」と論じた。
第40回PFFは9月22日まで東京・国立映画アーカイブで開催。同映画祭では「女も男もカッコいい!今こそアルドリッチ」と題されたプログラムが展開されている。
第40回ぴあフィルムフェスティバル
開催中~2018年9月22日(土)東京都 国立映画アーカイブ
※月曜休館
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- 第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF) 公式サイト
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↑講義でラストだけ見てしまったが壮絶であった。
> 黒沢清がロバート・アルドリッチ「キッスで殺せ」を語る「もはやノワールではない」
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「とんでもない映画を観てしまったというのが率直な感想ではないでしょうか」
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