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「チャーチル」でアカデミー賞受賞の辻一弘がオスカー像を手に凱旋

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辻一弘

辻一弘

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」で第90回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘が、本日3月20日に東京のザ・ペニンシュラ東京で行われた記者会見に出席した。

「つぐない」のジョー・ライトが監督を務めた本作は、第2次世界大戦時に英国首相に就任したウィンストン・チャーチルの苦悩と決断を描く歴史ドラマ。辻はデヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビックとともに、チャーチル役のゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当した。なおオールドマンは、本作での演技により第90回アカデミー賞主演男優賞を獲得している。

2012年に映画業界を引退し現代美術家として活動していたが、オールドマンから「君が引き受けてくれたら僕はこの映画に出る」と直接オファーを受け、悩んだ末に本作への参加を決めた辻。「映画の仕事はもう取らないと決心していたんですけど、ゲイリーさん本人からオファーを受けて、こんな機会は人生に一度あるかないかと思ったので引き受けることにしました」と明かす。

マスコミとの質疑応答にて、特殊メイクの中で一番難しかった点を聞かれると、辻は「もともと似ていれば簡単なんですけど、チャーチルとゲイリーさんの顔はもちろん全然違います。ゴールとして目指したのは、メイクに見えないメイク」と回答。「本人に似せるためにやりすぎてしまうとマスクみたいになってしまうので、そのバランスを調整するのがとても難しかった。テストメイクを5つぐらいやって、一番最後のものが採用されたんです」と続けた。

アカデミー賞授賞式にて受賞が発表された際の気持ちを聞かれた辻は「とりあえず壇上に上がってスピーチを終わらせることに必死で、ほとんど覚えてないんです」と回想。「有名な役者さんが席にたくさんいらっしゃるんで、その人たちのことは見ずにゲイリーさんの顔だけを見ていました」とにこやかに振り返った。

会見では今後の活動についての質問も。辻は「メインの活動はファインアートです。でも映画の仕事で、面白そうなものがあればやるかもしれない。2020年頃に日本で個展をやろうと思っているので、今はその作品制作と下調べをしているところです」と語り、会見にも持参したオスカー像のデザインについては「素晴らしいですね。ほかのトロフィーと比べてみても、プロポーションがすばらしい。実際の重みと感じる重み、両方が重いです」と話す。

夢に向かっている若者へのメッセージを求められた辻は「何が一番大事なのかというと、自分の心」と述懐。「それは自分にしかわからない。他人に流されると、あとで後悔します。とりあえず10年続ける。それから海外に1カ月以上住んでみる。自分をもっと信じるべきです。日本人には自分を信じられないという悪い癖がありますから」と語った。

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」は3月30日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。

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