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松本潤と有村架純が共演する本作は、教師と生徒という立場で出会った男女が時を経て再会し、禁断の恋に落ちていくさまを描いたラブストーリー。妻帯者であり演劇部の顧問を務める教師・葉山貴司を松本、葉山を全身全霊で愛する大学生・工藤泉を有村が演じるほか、泉への恋心と葉山への嫉妬に揺れる大学生・小野怜二に坂口健太郎が扮する。
行定が10年の構想を経て完成させた本作を観た島本は、「直近まで観ていたいろんな映画を忘れるほど放心状態になった」とその衝撃を語り、「1つひとつの場面が強烈に残っています。人間の感情がしっかり捉えられていて、それはヨーロッパ映画の特権だと思っていたから、日本の恋愛映画でもできるんだという感動がありました。こういう映画ができあがってうれしい」と絶賛。原作とは違う映画オリジナルのラストについても「違和感はなかった。小説は文章が淡々としているけれど、映像で観るとインパクトが強まり、全体のバランスや演出もよかった」と話した。
島本からの葉山役へのリクエストは「マッチョじゃない人」だったそうで、行定は「日本には葉山先生がいないから、トニー・レオンに頼もうと思った」と述懐するほど、葉山役のキャスティングが難航したことを明かす。プロデューサーの小川真司から松本を薦められた行定は、“日本にいない葉山先生”を作っていくことを決意。松本に対し“自分を封印して輪郭をぼかす”“いつも120%の目力を40%にする”といった提案を行い、メガネをかけ眉毛を前髪で隠すなど外見からキャラクターの内面を作っていったと語る。島本は「定まりきらない表情の演技がすごくて、見終わったあとも頭に残っている。いい意味で普段の松本さんとギャップがあった」とその魅力を述べた。
行定はヒロインの泉を演じた有村に対し「僕の泉像に一番ぴったりだった。彼女が今の時代にいてくれてよかった」と感謝。「特につかみどころのない葉山先生を前にした泉の内に怒りを秘めた表情が素晴らしい」と述べ、あえて「すごく不細工な顔」と表現した。島本も「有村さんの芯の強さや、一途に先生を思い続けるヒロイン像が、映画全編から感じられて素晴らしかった」と称賛した。劇中でもっとも感情の起伏が激しく、1人の人間が唐突に変わっていくさまを演じきった小野役の坂口について、行定は「初めて仕事をしたけど、器用さを持っていて軽やかな人」とコメント。島本は「原作者としてほぼ100点満点! すごい再現率の高さ。坂口さんは本当に小野君だと思った」と興奮気味に話す。
来場者とのQ&Aの時間では、島本に対し「執筆当時、この俳優にキャラクターを演じてほしいというイメージがありましたか」という質問が。島本は「読者の方のイメージに近くないと思うけど、昔からすごく好きな俳優さんがいて……」と恥ずかしそうな表情を見せながら、「渡部篤郎さん」と告白。行定が「実は渡部さんも候補としてよぎったんですが、でも僕と同い年だから」と打ち明けると会場は笑いに包まれ、和やかな雰囲気のままイベントは終了した。
「ナラタージュ」は10月7日より全国ロードショー。
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