本日1月19日、「
本作は、第66回ベルリン国際映画祭にて最高賞にあたる金熊賞を獲得したドキュメンタリー。ヨーロッパを目指す難民・移民にとっての玄関口であるイタリア・ランペドゥーサ島を舞台に、島で暮らす人々の日常を見つめる。
ロージは「自分は政治的な作風を持っていないし、今回も政治的な映画を撮ったつもりはありません。そういった要素は映画のフレームの外側にあります。私は何よりも人間に焦点を当てた映画を作っています」とコメント。そして「今作に登場する島民の中でも大きな存在だったバルトロという医師に、『なぜランペドゥーサ島の人々は難民をこれほど受け入れるのでしょう』と質問したとき、彼はこう答えました。『ランペドゥーサ島は漁師たちの島です。漁師は海からやって来るものを受け入れるのです』と。すごく美しいメタファーだと思いました。世界は、未知のものを受け入れる精神をランペドゥーサ島の漁師たちから学ぶべきなのかもしれません」と続ける。
また「私はドキュメンタリーを撮っていますが、どんな映画監督も脚本家も捉えられないような“真実の瞬間”を追い求めています。ドキュメンタリーとフィクションを区別しようとは思いません。現実を切り取るうちに見えてくるストーリーを捉えたい」と述べ、「映画祭のコンペ部門ではフィクションの作品が選出されることが多いですが、ドキュメンタリーである私の作品が受け入れられたことを大変光栄に思います」と語った。
質疑応答では、日本は難民の受け入れについて不寛容な国だがどう思うかという質問が飛んだ。ロージは「日本のような豊かな国はもっと難民申請を受け入れるべきです。これは政治的な敗北です」と答え、「しかし、これは世界各国が協力していかなければならない問題。一致団結してこの巨大な悲劇を解決しなければ」とメッセージを送った。
最後にロージは、第66回ベルリン国際映画祭の審査員長を務めたメリル・ストリープとの交流について述懐。「彼女は映画を観たときから、この作品の持っている力を信じてくれていました。受賞したとき彼女が言ったのは、『難民問題を扱っているから賞を差し上げるのではありません。この作品の映画的資質、物語の資質に賞を差し上げるのです』ということ。非常にうれしかったです」と語り、顔をほころばせた。
「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」は、2月11日より東京のBunkamuraル・シネマほかにて全国順次ロードショー。
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ジャンフランコ・ロージの映画作品
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