第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された本作の公式上映に参加した3人は、前日に帰国したばかり。初めてカンヌの地を踏んだ阿部は「あっという間に3日間が過ぎました。あの経験は一生忘れません」と感激に満ちた面持ちで語った。
是枝の過去作「そして父になる」でも同映画祭に参加した真木は「前回は連日土砂降りだったのですが、今回は晴天に恵まれて。やっと街を歩くことができてうれしかったです」と喜びを伝える。樹木も河瀬直美監督作「あん」に続き2回目の参加だったが、「ばあさんが行くところではないなと思いました」ときっぱり。和装姿でレッドカーペットに現れたことを聞かれると、「うちの娘が結婚したときのお色直しの着物なのよ。そのときも古着だったから余計古着になっちゃった」と笑わせる。
また阿部はカンヌでの観客の反応について「笑ったり泣いたりするところが日本とほぼ同じ。その時点で、これは大丈夫と思いました」と手応えがあったと話した。上映後に約7分間にわたるスタンディングオベーションを受け、阿部は「もっといたかったんですけど、樹木さんに『いい加減もう帰りましょう』って言われて、泣く泣く帰りました」と苦笑い。しかしそんな樹木も鳴り止まない喝采に安心していたようで「カンヌで選ばれた作品だからって評価があるとは限らない。上映後すぐブーイングが起きる作品もあるんですよね。もしその場に立ってなきゃならないなら気絶します」と本音を漏らす。阿部も上映前には不安な気持ちがあったと明かし、「でもブーイングとかそういう経験ってできないからいいかも、と前向きに考えていました(笑)」と笑顔で述べた。
舞台挨拶では、現地に残っている是枝から音声メッセージが到着。是枝は「阿部さんたちがひと足早く帰られてしまい寂しい気持ちでありますが、たくさんの取材を受けたり、(本作を)買ってくれた各国の配給に挨拶したりとセールスマンの活動が続いています」と報告し、さらに「ここからまた新たなスタートです。帰国したら公開後のキャンペーンに奔走します!」と意気込んだ。
「海よりもまだ深く」は、“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語。阿部、真木、樹木のほか、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、橋爪功らが出演する。本日より全国ロードショー。
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