第28回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、本日10月25日に「
「アレノ」は、エミール・ゾラの小説「テレーズ・ラカン」の舞台を現代日本に置き換えて映画化した作品。病弱な夫と味気のない結婚生活を送っていた妻が、2人の幼なじみである不倫相手の男と結託し、夫の殺害を企てることから物語が展開。3人で訪れた船遊びでボートが転覆して夫の行方がわからなくなり、その溺死体があがるまでラブホテルで待つことにした妻と男の姿を描く。
上映前の舞台挨拶に登壇した4人。本作で初の濡れ場に挑戦した山田について、越川が「作品の中では名前がないのですが、2人の男たちの間での彼女の美しい姿を観ていただけたら」と話すと、山田は「恥ずかしいでしょ、それは(笑)」と口を挟む。さらに越川が、初監督作の原作にゾラの小説を選んだことについて「山田さんの初主演作を作るという企画の中で、僕は古典が好きですし、彼女に似合うんじゃないかと思って案を出しました」と説明すると、山田は「ずっとやりたいテーマのひとつだったし、メンバーもスタッフも信頼できる人たちだったので、楽しんでできるという確信がありました」とうなずく。越川の演出について聞かれた渋川は「ラブシーンがけっこうあって、監督が直接僕に演出してくれるんですけど、それがすごく(距離)が近くて。ひげがチクチクして痛かったです」と答え、笑いを誘った。
そして作品の上映後にはQ&Aコーナーが設けられ、4人が再び登場。客席から「今年観た日本映画で一番よかったです!」という感想も飛び出し、キャストらは笑顔になった。撮影で大変だったことについて質問が上がると、終始全身ずぶ濡れの状態で登場する川口は「これは本当に言いたかったんですよ! 撮影が去年のクリスマス頃でめちゃくちゃ寒くて。人間は寒いを通り越すと痛いになるんだなって」と苦労を語っていく。渋川も湖のシーンでの寒さとの戦いを挙げたうえで「今、自分も作品を観ていたんですけど、濡れ場というのは観てて照れくさいもんですね(笑)。慣れていないので、濡れ場のやり方とか、前貼りの貼り方とかは苦労しました」と続ける。
最後に、山田の自然な演技に感動したという女性客から、撮影のときにカメラは意識していたのかという質問が。「まさにそれがテーマなんです。私はすごく恥ずかしがり屋で、『人にこう思われたら嫌だ』という思いが強いのに役者をやっていて……」という山田は、「以前の作品でうさぎの役をやるときに、上野動物園に行ったら、動物たちはあられもないポーズで写メを撮られていて。動物は恥ずかしくないのかなって思ったんです。子供や動物にすごく憧れがあって、大人になると人の目を気にしてしまうので、どうにかその恥ずかしさを取っ払えないかなと思っていたんです。この作品では役名もないし役作りもしていないし、欲望だとか自分の内側にあるものだけで、主観だけでやろうと思って演じました」と振り返った。
「アレノ」は11月21日より東京・K’s cinemaほかにて全国順次ロードショー。
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