ミュージカル「グレート・ギャツビー」の製作発表記者会見が本日1月30日に行われ、出演者の
「グレート・ギャツビー」は、ジャズエイジと呼ばれた狂乱の1920年代を舞台に、若き大富豪のジェイ・ギャツビーを取り巻く人間模様を描いた、F・スコット・フィッツジェラルドの同名小説が原作。小池は1991年に宝塚歌劇団でミュージカル「華麗なるギャツビー」を手がけており、その後1992年、2008年と上演を重ねている。会見冒頭で小池は、「1986年に演出家デビューさせていただく際、ぜひ『グレート・ギャツビー』をと思ったのですが著作権の問題で叶わず、その5年後にようやく実現しました。その作品が好評をいただき、菊田一夫演劇賞をとりまして、それが私の今日につながっているのではと思います」と作品への思いを語った。
さらに「今回、東宝演劇部さんから井上芳雄さんで本作を、というお話をいただき、『ギャツビー』をフレッシュ感のある顔合わせで上演出来ることになり……フレッシュ、ですよね?」と小池がキャストの顔を見回すと、井上が「フレッシュです!」と応じ、2人の仲の良さを感じさせた。その井上について小池は、「私がある意味プレッシャーを感じているのは井上芳雄です」と紹介。「新作という意味では、私が記憶している井上くんは2002年の『モーツァルト!』初演で止まっています。そこからどんなに成長しているかはみなさんご存じの通りですが、今や俳優として確固たる地位を築いている、ミュージカルでもストレートプレイでも彼ほどのキャリアを重ねている人はあまりいないのではないかと思います。そんな井上くんと、このフレッシュなメンバーで、作品がどう立ち上がっていくのか。私自身は恐れとおののきを感じていますが(笑)、みなさんどうぞ楽しみにしていてください」と期待を寄せた。
その小池の言葉を受けて井上は恐縮しながら「これまでの作品がこの『ギャツビー』のためにあったと言えるような作品にしたいです」と意気込みを述べる。さらに「ギャツビーという役は、俳優であったら誰もがやりたいと思うような素晴らしい役。プレッシャーしかないですが、全部受け止めながら、このメンバーでまだ誰も観たことのない『ギャツビー』を作り上げられたら」と力強く語った。
続けて記者からキャストに、作品と自身が演じる役の印象を問われると、井上は「最初に観たのが小池先生が演出された『華麗なるギャツビー』初演の映像で、(ギャツビー役の)杜けあきさんの背中が大きいなっていう(笑)、背中で語る印象」と回答。また「男性のロマンチックなエキスを全部集めたらギャツビーになるんじゃないかな……あとバカなところ(笑)。バカなロマンチストというのは、男性のある種の理想というか。結末はどうあれ、ギャツビーは“生ききった人”だと思うので、自分がどう演じられるのかはまだわかりませんが、今はそのような役と感じています」と答えた。
デイジー・ブキャナン役の夢咲は「パーティのような華やかなシーンでも毒気というか、ちくっとするような針のようなものがある作品。私が演じるデイジーは、その中でも誰かがそばにいて助けてくれないとだめな、ゆれる女性という印象です。『きれいなおバカさんでいたい』というセリフがあるんですが、そんなところが出せたら」と語った。
デイジーの夫トム・ブキャナン役の広瀬は「トムは傲慢でふてぶてしくて好色というか、嫌な役という印象ですね。僕自身がすごくまじめでいい人なので、なかなか共通点は見つからないのですが……」とコメントすると、井上が「あ、ごめん、今のツッコんだほうがよかった?」と割って入り、会場は笑いに包まれた。
原作ではストーリーテラーとしての役も担うニック・キャラウェイ役の田代は、「とてつもなく大きな役を任されてしまったなと感じています」と述べつつ、「戦争や結婚、恋愛、禁酒法などたくさん制約がある中で、それらから解放されたいと感じている人たちの物語という印象を受けました。アクの強いキャラクターが多い中で、ニックは第一印象としてはマイルドな役。でも皮肉なことも言ったりする人間的な要素が詰まった役なのではないかと思いますね」と分析する。
また、本作はアメリカの作曲家リチャード・オベラッカーが全曲を書き下ろすことでも注目を集めており、小池はその楽曲を「スケールがあってある意味オーソドックスな楽曲。聴き方によっては少し古いかもしれないですが、ノスタルジックでもあります」と説明。井上も「とてもきれいな心地よいメロディ。でも、今回はただ曲を一方的にいただいて歌うというより、一緒に作っていく気持ちで、喧々諤々やるような気持ちで取り組みたい」と語った。
会見の後半では、井上が劇中ナンバー「夜明けの約束」を披露した。「夜明けの約束」は、デイジーと再会し、人生をやり直すことを決意した、ギャツビーの強い意志が込められた壮大なナンバー。井上の清々しく力強い歌声は、会見場に集まった記者と200名のオーディエンスを魅了した。最後に井上が、「この作品はこれから作っていくものでまだ未知のものではありますが、ゆくゆくは『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』のように“また4カ月もやるのか”と言われるような(笑)、ミュージカル界を支える作品になればと思いますので、応援よろしくお願い致します」と挨拶し締めくくった。
公演は、2017年5月8日から29日まで東京・日生劇場、6月3日から15日まで愛知・中日劇場、7月4日から16日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、7月20日から25日まで福岡・博多座にて。なおチケットは、東京公演が2017年2月11日、愛知公演は2月25日、大阪公演は3月11日、福岡公演は5月13日に発売される。
ミュージカル「グレート・ギャツビー」
2017年5月8日(月)~29日(月)
東京都 日生劇場
2017年6月3日(土)~15日(木)
愛知県 中日劇場
2017年7月4日(火)~16日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2017年7月20日(木)~25日(火)
福岡県 博多座
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
音楽:リチャード・オベラッカー
脚本・演出:
キャスト
ジェイ・ギャツビー:
デイジー・ブキャナン:
トム・ブキャナン:
ジョージ・ウィルソン:
マートル・ウィルソン:
ジョーダン・ベイカー:
ニック・キャラウェイ:
マイヤー・ウルフシャイム:
エリザベス・フェイ:
ヘンリー・C・ギャッツ:イ・ギトン
キャサリン:音花ゆり
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