「私立探偵ケイレブ・ハント」咲妃みゆ「最後まで早霧さんについていきたい」

宝塚歌劇団雪組による、「ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』」「ショーグルーヴ『Greatest HITS!』」が、兵庫・宝塚大劇場公演を経て、本日11月25日に東京・東京宝塚劇場にて開幕した。

「ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』」は20世紀半ばのロサンゼルスを舞台に、早霧せいな演じる探偵事務所の所長ケイレブと、咲妃みゆ演じるイヴォンヌの恋の行方を描く。作・演出は正塚晴彦。一方の「ショーグルーヴ『Greatest HITS!』」は、稲葉太地が作・演出を手がけた、ソウルやクリスマスソングまで名曲を歌とダンスで綴るショーだ。

通し舞台稽古後に行われた会見には、来夏の退団を発表したばかりの、トップコンビ早霧と咲妃が参加した。早霧は今回のオリジナル新作について「先生方が、今の雪組の組子にピッタリの作品を生み出してくださっているのが売りです」とアピールする。

「芝居の方は探偵物ということでシリアスな部分もあるんですけれども、クスッとした笑いが入っていたり、先が気になる展開になってるんじゃないかなと思います」と自信を覗かせた。「ショーは、このシーズンならでは。クリスマスメドレーも入っていて、お客様と一緒に私たちも楽しめるショーになっています」と笑顔を見せる。

作品にちなみ記者からクリスマスの思い出を聞かれると、咲妃が幼少期のエピソードを披露。「母から『お菓子とブランデーとサンタさんへのお願い事を玄関に置いておくと、素敵なプレゼントがもらえるよ』と助言をいただき、やってみたら朝起きたときにブランデーが減っていたので、『サンタさんって本当にいるんだ！』って興奮したのが思い出です（笑）」と照れ笑いを浮かべる。

11月22日に行われた2人の退団会見について話がおよぶと、早霧は「ああいう場を設けていただいて、ファンの皆さまにきちんと発表させていただけたことは、とてもありがたいなと思いますし、自分の中に決めていたことを皆さまにお伝えすることによって、またなにか、腑に落ちるというか、身が引き締まる思いになっております。この東京公演もさらに引き締まった思いで務められるなと、今は思っております」と真摯に語る。

続く咲妃は「会見を終えて、宝塚で過ごせる時間は本当に残りわずかなんだなっていうのを実感いたしました。ですがその限られた時間で、最後まで早霧さんについていきたい！という気持ちが高まりましたし、雪組の一員として、よりよい舞台をお客様にお届けできたら」と意気込む。

そんな2人のコンビ関係については「（コンビを組ませていただいて）3年目に入っておりますし、今の私たちだからこその『私立探偵ケイレブ・ハント』ができるのではないかなと、お稽古中から感じておりました。男女関係も馴れ合いがよくないとはよく言いますが、私たちの関係も馴れ合わないよう、そこを大切にしております」と冷静に分析する早霧。

一方の咲妃は、「お芝居の中では恋人同士のやり取りが行われるんですけれども、その大元には揺るぎない相手への愛があるということは、一番胸に置いて稽古をしていますし……」とはにかみながらも情熱的に語ると、早霧から「うれしそうね（笑）」と笑顔でツッコミも。咲妃は笑顔でうなずきつつ、「けんかをしても、“好きだからこそ”……とかそういった点は大切にしております」と結んだ。

公演は、12月25日まで。なお千秋楽公演は、全国の映画館でのライブビューイングが実施される。