市川右近が三代目右團次を襲名、二代目右近名乗る息子タケルと来春初舞台

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初代市川右近改め三代目市川右團次の襲名披露、および右近の長男・武田タケルの二代目市川右近としての初舞台が2017年1月に東京・新橋演舞場にて行われる。本日5月26日、右近とタケルが記者会見に登壇した。

左から、武田タケル、市川右近。

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市川右近

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まず松竹の迫本淳一社長が、「猿翁のもとでリーダー格として一門を取りまとめ、澤瀉屋の芸を継承してきた彼の新たなステージをお祝いしたい」と挨拶。加えて「右團次の名跡が80年ぶりに復活します。先代たちは芸域が広く、ケレンを得意とした上方歌舞伎の名手」と紹介した。

迫本淳一

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続いて、松竹の安孫子正副社長が襲名のいきさつを説明。「どのような名を継いでもらったらいいだろうと、猿翁や市川宗家に相談にあがりました。さまざまな案が出た中で、先代、先々代右團次と彼の共通項が大阪出身であること、さらにケレンの芝居の精神を引き継いでもらいたいという声が強く挙がり、三代目襲名の運びとなりました」と語った。また「一般のご家庭から猿翁のもとに入られ、大きな名をお継ぎになるのは、歌舞伎界全体にとってもめでたいこと」と述べ、右近の新たな門出を祝う。

安孫子正

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右近は「わが人生を歌舞伎に捧げまして、日本の伝統文化の発展のために少しでもお力添えができたら。芸道精進させていただく所存でございます」と抱負を述べる。慣れ親しんだ澤瀉屋から高嶋屋へ屋号が変わる点については「公私にわたって生き様を学ばせていただいた猿翁師匠から離れるわけではありません。私の役割は、澤瀉屋の精神を右團次の名を通して後世に広げていくことです」と力を込めた。

市川右近

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また師匠の二代目市川猿翁から寄せられたメッセージが代読されるひと幕も。そこには、自身が病になってから中心的な立場で一門を牽引してきた右近への感謝、「名前や屋号は変わりますが、右近さんはいつまでも私の弟子です」「フレー!フレー!右團次!大きく、高く翔べ!」といった応援の言葉が綴られており、代読を聞いた右近はより一層引き締まった表情を見せていた。さらに猿翁は、自身の演劇人生に対する心意気を表した「翔べ」という言葉を書いた色紙を右近に贈り、その色紙が右近によって披露された。

武田タケル

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4月で6歳になったタケルは「市川右近になります。がんばります。どうぞよろしくお願いします」と初々しく挨拶。「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」に何度も足を運ぶなど、歌舞伎の世界に並々ならぬ興味を見せているエピソードが紹介された。彼は六月大歌舞伎「義経千本桜」において、本名で初お目見得を果たす。

会見後に行われた囲みインタビューで、右近はタケルの発言について「自分のことより緊張した」と汗をかく。しかし「義経千本桜」の稽古については「安徳天皇役は出番も多いため、実際の尺で稽古している。よくやっていると思う」と笑顔を見せ、目を細めながら愛息を見守っていた。

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「寿新春大歌舞伎」

2017年1月
東京都 新橋演舞場

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