ART-SCHOOL、多彩なアンサンブルで魅せたツアー千秋楽

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5月17日にART-SCHOOLが東京・LIQUIDROOM ebisuにて、ライブツアー「SHORT CIRCUIT TOUR『The Alchemist』」の最終公演を行った。

ART-SCHOOLとは?

2001年に木下理樹(Vo, G)を中心に結成されたギターロックバンド。幾度かのメンバーチェンジを繰り返し、現在は木下、戸高賢史(G)、そしてサポートメンバーの中尾憲太郎(B)と藤田勇(Dr / MO'SOME TONEBENDER)という4人体制で活動している。2001年9月にインディーズレーベルからリリースした1stアルバム「SONIC DEAD KIDS」が好評を博し、2002年10月にシングル「DIVA」でメジャーデビュー。2007年2月発売のアルバム「Flora」がロングヒットを記録し、2008年には初のベスト盤「Ghosts & Angels」をリリースした。2012年5月に所属レーベルをKi/oon Musicへ移籍し、同年8月にアルバム「BABY ACID BABY」を、2013年3月にROVOの益子樹をエンジニアに迎えたミニアルバム「The Alchemist」を発売。2014年4月にアルバム「YOU」をリリースし、全国ツアーを回ったあと、2015年2月に新木場STUDIO COASTでのライブをもって一時的に活動休止期間に入った。2015年末の「COUNTDOWN JAPAN 15/16」のステージにて活動再開。2016年2月に新木場STUDIO COASTで単独公演を開催した。また木下は2015年3月に自主レーベル・Warszawa-Labelを設立。同レーベルより2016年5月にアルバム「Hello darkness, my dear friend」をリリースした。2017年1月にファンによる楽曲投票を反映したB面集「Cemetery Gates」を発表し、3月に大阪・Shangri-Laと東京・WWW Xにてこのアルバムのレコ発ライブを行う。

ART-SCHOOL「SHORT CIRCUIT TOUR「The Alchemist」LIQUIDROOM ebisu公演の様子。(PHOTO BY HIROHISA NAKANO)

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最新ミニアルバム「The Alchemist」を携えて行われた今回のツアーは、東名阪の3カ所で実施。サポートメンバーに中尾憲太郎(B / Crypt City)と藤田勇(Dr / MO'SOME TONEBENDER)の2人を、さらにゲストに本澤賢士(Sax / rinto-ss、group)とUCARY & THE VALENTINEを迎え、約2時間にわたる濃密なステージを展開した。

木下理樹(Vo, G)がマイクを手でつかみ吐き出すように歌う「Dead 1970」からライブはスタート。序盤は戸高賢史(G)のなめらかなギターが響く「14souls」や、藤田と叩く4つ打ちのリズムが軽やかな空気を作り出す「real love / slow dawn」など、躍動的な楽曲がプレイされていく。その傍らで木下は観客とコミュニケーションをとるようにステージを降り、ギターをかき鳴らしながらフロアの熱気を煽っていた。また「レモン」から始まったブロックは、「BUTTERFLY KISS」「欲望の翼」などメロディアスでポップな曲が続く。美しいギターフレーズが鳴る「メルトダウン」では、木下はマイクを両手で包み込み丁寧に歌声を響かせ、情感豊かな空気を紡ぎ出す。

「どうも、ART-SCHOOLです。新譜の中からやろうと思うんですが、ゲストの本澤さん」という戸高の紹介から、ダイナミックかつ妖しげなムードを醸し出す「Helpless」が始まる。生のサックスの音色が加わることで、曲の世界は深みを増しオーディエンスを酔わせていく。さらに「The Night is Young」から続いた4曲はUCARYがゲストボーカルに迎えられ、木下と彼女とのデュエットが披露された。「おおっ!」とどよめきにも似た歓声が起きた「その指で」では浮遊するような木下とUCARYの歌声が絡み合い、ドリーミーな空気を生み出していた。

そのあとのMCで「リハーサルで歌いすぎて……」と枯れ気味の声をエクスキューズした木下。「けっこう懐かしい曲をやってるんですけどね……。あの、ありがとうございます。サポートの2人にはありえない曲数を覚えてもらって、申し訳ないです」とこのあとに続く曲について前振りをする。戸高は「こういう曲があるのかーって僕ら自身も思ったりして。4年ぶりくらいにやる曲とかあるよね」と含みを持たせた。そんなMCから入ったブロックは「ecole」から始まり、「ステート オブ グレース」「アパシーズ・ラスト・ナイト」といった初期の楽曲が連発され、オーディエンスを興奮させていた。

その後木下は「こっから激しい曲やるんで、皆さん付いてきてくれますか? 皆さんダイブしてもらえますか? みんなが飛んでくれたら僕も飛びます」と穏やかな口調ながらもオーディエンスを挑発。激しいアンサンブルで「MISS WORLD」を奏で、「ロリータ キルズ ミー」といったライブの定番曲を挟み込みつつ、本編のラストを飾る「SWAN SONG」まで一気に駆け抜けた。

アンコールの1曲目はTwitterのリクエストランキングで1位を取得したという「SKIRT」。さらにタイトルのように鼓動のようなビートがサウンドを支える「Heart Beat」、木下の伸びやかな歌声が響いた「スカーレット」が披露された。当初は「車輪の下」でアンコールは終了するはずだったが、バンドはそのまま「FADE TO BLACK」をプレイ。中尾は高く飛び跳ねがなら、戸高は頭を振り乱しながらギターを鳴らす。木下は体を振り絞るように声を張り上げ、オーディエンスを圧倒した。

ダブルアンコールで木下は「『FADE TO BLACK』はやるつもりなかったんですけど、必死な感じでいいでしょ? いい意味でみっともないというか。そういうバンドでいたいというか」とART-SCHOOLのスタンスについて述べる。そして「今日はどうもありがとうございました」と感謝を告げ、赤いライトがステージを覆う中で「ニーナの為に」を歌い出した。曲の終わりでは、木下がギターを高く掲げたことを合図に、4人はお互いの呼吸を合わせ一斉に演奏の手を止める。音が止んだ瞬間に厳かで大きな拍手が起こり、木下は照れくさそうな声で「ありがとうございました」とひと言ファンに向けて放った。

ART-SCHOOL「SHORT CIRCUIT TOUR「The Alchemist」
2013年5月17日(金)@東京都 LIQUIDROOM ebisuセットリスト

01. Dead 1970
02. 14souls
03. real love / slow dawn
04. ウィノナライダー アンドロイド
05. SHAME
06. サッドマシーン
07. レモン
08. BUTTERFLY KISS
09. 欲望の翼
10. メルトダウン
11. Helpless
12. The Night is Young
13. フローズンガール
14. BLACK SUNSHINE
15. その指で
16. ecole
17. ステート オブ グレース
18. アパシーズ・ラスト・ナイト
19. MISS WORLD
20. あと10秒で
21. ロリータ キルズ ミー
22. UNDER MY SKIN
23. SWAN SONG
<アンコール>
24. SKIRT
25. Heart Beat
26. スカーレット
27. 車輪の下
28. FADE TO BLACK
<ダブルアンコール>
29. ニーナの為に

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