11月1日の新潟・新潟テルサを皮切りに行われていた、
9月にリリースされた最新アルバム「坩堝の電圧(るつぼのぼるつ)」を携えたこのツアー、ライブはアルバムと同じく「white out (heavy metal)」から幕を開けた。続けてくるり史上最速BPMのナンバー「chili pepper japones」を駆け抜けるように披露し、岸田繁(Vo, G)が「くるりでございます」と軽く挨拶。拍手や声援が鳴り止まぬ中、矢継ぎ早に吉田省念(G, Cello)が「everybody feels the same」のイントロを奏で始める。途中、ファンファン(Tp, Key)の高らかなトランペットが鳴り響くと、会場のボルテージは一気に上昇していく。
ファンファンのナレーションから始まる「argentina」、マイナーキーのアップテンポな楽曲「dancing shoes」、イントロとサビの対比が印象的な「bumblebee」と立て続けに演奏したあと、岸田が改めて「こんばんは、くるりです」と挨拶。くるりが渋谷公会堂でライブを行うのは2003年のイベント以来のことで、ワンマンでライブを行うのは2000年の「図鑑」リリースツアー最終日以来だという。さらに岸田は「蟹と原子炉と未来についての曲です。うさんくさい政党みたいですけど」と次の楽曲を紹介し、「crab, reactor, future」を演奏。続いて省念がギターをチェロに持ち替え「taurus」を届ける。
前半は「坩堝の電圧(るつぼのぼるつ)」収録曲のみを演奏してきたが、中盤からは過去曲も披露。インストゥルメンタルの「惑星づくり」では新しい展開を取り入れ、オーディエンスを驚かせる。そこから一転、ガラリと雰囲気を変え、爽やかなナンバー「春風」、そして「ブレーメン」を演奏し、会場は多幸感あふれる空気に包まれた。
MCでは、佐藤征史(B)が「(ツアーでは)毎日メニューが違うから、どこでMCをするか決まってない」と説明すると、岸田が「アンコールだけは決めようって言ってたけど、たぶん変えるな」と応答。すかさず「予定調和を嫌う、わがままバンドくるり!」と宣言する。そして名曲「ばらの花」を演奏し始めると、会場からは大きな歓声が上がった。
その後はしっとりとした雰囲気をガラリと変え、「シャツを洗えば」「ワンダーフォーゲル」「コンチネンタル」「ハイウェイ」を披露。そして本編最後に演奏された「glory days」は、「everybody feels the same」「ばらの花」「ワンダーフォーゲル」「東京」など代表曲のメロディを織り交ぜた、まさにバンドの集大成と言える楽曲だ。岸田は「バンドのひとつのエンドロール? 違うな……うーん、全部食べ終わって、お勘定して、外に出た、みたいな。こっから、みたいな曲でございます」と紹介。あらきゆうこ(Dr)のドラムを軸とした重厚感のある演奏で観客を引き込み、本編は大盛況のままに終了した。
オーディエンスの拍手に包まれ、佐藤と省念が「ありがとうございまーす!」と軽い調子で登場。佐藤は「予定調和を嫌うバンドくるり、やろうと思っていたアンコールも変わるっぽいです。今曲を相談しているので、その時間を利用して物販紹介をします」と説明し、省念と2人で漫才コンビのようにグッズを紹介する。
アンコールでは、福島県相馬市のことを歌った「soma」をしっとりと聴かせたのち、空気をガラリと変え、激しいロックナンバー「すけべな女の子」、佐藤が作詞作曲を手がけボーカルも務める「jumbo」を演奏。岸田のキーボードから幕開けた「jumbo」では佐藤の明るい歌声とベースラインがうねる曲調に自然と手拍子が沸き起こる。「好きだから」と歌う部分では、客席から「キャー」という黄色い声援も。最後は「ロックンロール」「東京」といった名曲で、「くるりワンマンライブツアー2012~国民の性欲が第一~」は大盛況のうちに締めくくられた。
なおくるりは2013年1月17日に東京・日本武道館にて「くるりワンマンライブツアー 2012/13 特別公演~国民の成長が第一~」を開催する。
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@gayagayagayama このツアー名を淡々とあの声で聴きました😌 https://t.co/EwOfnuZ00e