内田彩、ちょっと大好きなみんなと“ビター”に“スイート”に笑ったコンセプトライブ

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5月28日、内田彩のライブ「BitterKiss」と「SweetTears」が東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催された。

内田彩「BitterKiss」ライブの様子。(写真提供:日本コロムビア)

内田彩「BitterKiss」ライブの様子。(写真提供:日本コロムビア)

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内田は2月に“ロック”をコンセプトに持つ「Bitter Kiss」と、“エレクトロポップ”をコンセプトにした「Sweet Tears」という2枚のミニアルバムを同時に発表。今回彼女は「Bitter Kiss」の収録曲に軸足を置いた昼公演と、「SweetTears」に軸足を置いた夜公演という2つの“コンセプトライブ”を実施した。

Bitter Kiss

内田彩「Bitter Kiss」
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Sweet Tears

内田彩「Sweet Tears」
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BitterKissライブ

内田彩(写真提供:日本コロムビア)

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“ロック”を基調とした「BitterKiss」ライブは、ベルベット地のソファに腰掛けた内田が、昭和歌謡ライクな「afraid...」とハードロックナンバー「シリアス」を気怠げに歌う意外な演出でスタートする。そして彼女は「『BitterKiss』は『熱くカッコよく』がテーマのライブだから、今日はヘラヘラしないって決めました」と力強く宣言し、直後の「Like a Bird」「最後の花火」「MELODY」というストレートなロックチューン3曲こそスタンドマイクで“カッコよく”歌い上げるも、ステージドリンクに口を付けるや、ファンとの定番のやりとり「お水おいしい?」の機先を制すように「これはゲロマズなお茶です」と渋い顔。その後は“ヘラヘラ”と笑いの絶えないMCと、“熱くカッコいい”パフォーマンスのつづら折りになったステージングを繰り広げた。

内田彩(写真提供:日本コロムビア)

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原曲よりもハードなギターリフで幕を開けた「Blooming!」や、テクニカルなソロを回し合うバンドのジャムセッションで魅せる「Growing Going」、右手の親指で首をかき斬るようなアクションと共に「牙を剥く偽りのアイは自らの手で サァ、キリステロ」と歌う「キリステロ」ののちには、肩で息をしながら「みんなまだ大丈夫?」「私は意外と大丈夫じゃないんだけど……」と苦笑い。しかし「このあともカッコいい曲が続くんで」の言葉の通り、ヘヴィロックナンバー「Ruby eclipse」や、アルバム「Bitter Kiss」の最後を飾る「絶望アンバランス」をまたも“カッコよく”歌い上げてステージをあとにした。

アンコールでも内田のノリは本編のまま。「みんなの声がうれしくて調子に乗って出てきたら、イヤモニするのを忘れてた」「みんなの声がよく聞こえるなあ、って思ってたら、自分の声が聞こえなかった」と笑いつつ、しかし「ドーナツ」ではステージ最前線に繰り出してきたギタリストとベーシストと共にオーディエンスを煽りまくる。また「最後は熱い熱い1曲で締めくくりたい」と再投下した「キリステロ」では、彼女の「さっきよりも大きな声でね」に応じたオーディエンスと“熱く”シンガロング。「みんな最後すごくカッコよかったよ!」と「BitterKiss」ライブの幕を降ろした。

SweetTearsライブ

内田彩「SweetTears」ライブの様子。(写真提供:日本コロムビア)

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「BitterKiss」ライブから3時間後にスタートした「SweetTears」ライブの1曲目は、ピアノのループが印象的なフレンチエレクトロ「Floating Heart」。「BitterKiss」ライブのときよりもさらに高く伸びた階段ステージの最上段に姿を現した内田は、この曲と「color station」でかわいらしいダンスを披露し、デジロックチューン「リードを外して」「笑わないで」を続ける、アルバム「Sweet Tears」のトラックリスト通りにライブ前半のセットリストを構成する。また、まさに“Sweet”なデザインのライブTシャツ姿の女の子を客席に認めては「やっぱりそのTシャツ、女の子が着るとかわいいなあ」とまなじりを下げ、同じTシャツ姿の男性ファンを見付けては「まあ男子は別にどうでもいいんですけど」と一蹴。「BitterKiss」ライブとは色合いの異なる、カラフルでボトムヘヴィな楽曲群とコミカルなMCでステージを彩った。

内田彩(写真提供:日本コロムビア)

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さらにその内田のパフォーマンスを前にしたオーディエンスもライブをカラフルに彩ってみせる。アブストラクトなドラムンベース「ピンク・マゼンダ」では、そのタイトルにちなんでピンクのペンライトの光で客席エリアを優しく照らし、ブルーの傘を手にした内田が小気味いいロックナンバー「Sweet Rain」を歌い出せばすかさずブルーに、テクノポップ「オレンジ」が始まればオレンジへと、その光を切り替えてみせる。さらに自らもペンライトを手にした彼女が「Merry Go」のイントロに乗せて「好きな色をピカピカさせて」と笑うと、客席は7色の光に包まれた。

内田彩(写真提供:日本コロムビア)

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そしてスウィンギンなブラスロック「Party Hour Surprise!」でオーディエンスを踊らせた内田は「みんなとこれからも甘い夢を見られますように」と、どこまでも陽性なエレポップ「Sweet Dreamer」をパフォーマンス。そのアウトロ、階段ステージ最上段へと歩を進め「今日は“Sweet”な“Dream”をいっぱい見せてくれてありがとう」と小さく手を振った。

フィルターの効いたシンセベースがグルーヴィな「with you」で始まったアンコールで内田は「女の子が着るとかわいい」ライブTシャツ姿でステージに登場する。そして自らのスタイリングに「『かわいいエレクトロポップ』っていう『SweetTears』のコンセプトがあれば、このTシャツも堂々と着られる」「マカロンみたいな形の指輪もできるし」と満面の笑みを浮かべつつ、「ここで皆さんにとってもすごい発表があります」と8月に東京・日本武道館で“全曲ライブ”を実施することを発表。これに大歓声が巻き起こると、「すごいよね! 意味わかんないでしょ?」「攻めてるよね? 誰か止めてよ」と苦笑いを浮かべながらも、この日のラストナンバー「Floating Heart」を披露したのちには「私たちにしかできない素敵なステージをこれからもいっぱい作ります!」「これからも私らしく突っ走っていきますのでついてきてください!」と高らかにシャウト。声優が歌うことについて悩んだこともある、とソロデビュー当時のことを振り返りながらも「一緒に笑ってくれるみんながこんなにいるんだから、この選択は間違ってなかった」と今歌える喜びを噛みしめつつ、「みんな、ちょっと大好き」とはにかんで「SweetTears」ライブと、この日の2つのステージを締めくくった。

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内田彩「BitterKiss」
2016年5月28日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

01. afraid...
02. シリアス
03. Like a Bird
04. MELODY
05. 最後の花火
06. Blooming!
07. Growing Going
08. キリステロ
09. ONE WAY
10. Ruby eclipse
11. 絶望アンバランス
<アンコール>
12. ドーナツ
13. キリステロ

内田彩「SweetTears」
2016年5月28日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

01. Floating Heart
02. color station
03. リードを外して
04. 笑わないで
05. ピンク・マゼンダ
06. Sweet Rain
07. オレンジ
08. Merry Go
09. Breezin'
10. Party Hour Surprise!
11. Sweet Dreamer
<アンコール>
12. with you
13. Floating Heart

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