音楽ナタリー

おかげさまでナタリー10周年

また会おうね!武藤彩未“OWARI WA HAJIMARI”な活動休止前ラストライブ

462

武藤彩未「A.Y.M.X.」の様子。(撮影:江隈麗志)

武藤彩未「A.Y.M.X.」の様子。(撮影:江隈麗志)

武藤彩未が昨日12月23日に東京・赤坂BLITZにて活動休止前最後のワンマンライブ「A.Y.M.X.」を開催した。

12月16日にLoGiRLにて配信されたレギュラー番組「武藤彩未のIroDOLi!」にて、この公演をもって芸能活動を一時休止することを発表した武藤。発表から1週間後にあたる昨日行われたこの公演には、彼女の活動休止前最後の姿をひと目見ようと大勢のファンが集結した。

開場時刻から開演までの間、開場には武藤と「武藤彩未のIroDOLi!」で共演している清野茂樹アナウンサーによる「A.Y.M.Radio」と題したラジオ番組風のトークが流れる。ここでは過去にライブでカバーした本田美奈子「Oneway Generation」や最近のお気に入りだというマイケル・ジャクソンの「Beat It」、島ゆいか(ex. 可憐Girl's)と飯田來麗(ex. さくら学院)という盟友たちが組んだユニット・スピカの夜の「SPICA」、松田聖子を好きになるきっかけになった楽曲「ハートのイアリング」、武藤にとって初めての音楽活動となった可憐Girl'sのナンバー「Over The Future」などが紹介された。さらに、この日が誕生日当日で、会場を訪れていたさくら学院2013年度卒業生・佐藤日向をお祝いする場面もあった。

おなじみのオープニングSEが流れると、大きなクリスマスオーナメントやミラーボールが吊るされたステージにnishi-ken(Key)、山本陽介(G)、野田耕平(B)、髭白健(Dr)という強力なバンドメンバーを従えた武藤が登場。赤と白のワンピースをまとい、こぶりなサンタ帽をかぶった彼女はメルヘンな世界観の「ミラクリエイション」でライブを開始する。サンタ帽を外した武藤はアップチューン「Doki Doki」、ラテン調の「Daydreamin'」を披露し、さっそくフロアを熱狂させた。

彼女は「いつも通り明るくてパワフルなライブがしたい」と語り、ポップナンバー「Seventeen」をキュートにパフォーマンス。代表曲「宙」では、ミラーボールに反射した光が会場を満たす中、華麗にステップを踏みながら伸びやかな歌声を響かせる。その後武藤は背中に大きなリボンが付いたプッチ柄のレトロなワンピースに早着替えを済ませ、「時間というWonderland」「女神のサジェスチョン」を熱唱。MCではバンドメンバーの紹介や12月26日に誕生日を迎えるnishi-kenへバースデーソングをプレゼントした。

ファンへのクリスマスプレゼントとして届けられたのは松田聖子「Pearl-White Eve」のカバー。彼女はアコースティックギターの温かなサウンドに乗せて、大好きな松田聖子の楽曲を幸せそうな表情で歌唱した。「桜 ロマンス」からは「とうめいしょうじょ」「風のしっぽ」とバラードナンバーが続く。オーディエンスは感情豊かに熱唱する彼女の姿をじっくりと見守った。

「RUN RUN RUN」で始まった終盤戦では矢継ぎ早にアップチューンが繰り出されていく。激しくレーザーが飛び交い、バンドがアグレッシブなプレイを見せた「交信曲第1番変口長調」では、オーディエンスが「交信! 交信!」と盛大なコールをステージへと送り、大盛り上がり。武藤のテンションはマックスへと到達し、「まだまだ終わりませんよ―!」と「パラレルワールド」に突入。バンドサウンドを全面に打ち出した「HAPPY CHANCE」でフロアをさらなる熱狂へと導き、歌い終わると「楽しい! 本当に幸せです!」と笑顔を見せた。

MCで彼女は「私は前向きです。(活動休止期間は)もっといい歌を届けるための時間だと思ってます。必ず帰ってきます。ここからがスタートです」「私、アイドルやめるわけじゃないんですよ! アーティストとしても勝負できるアイドルになりたいんです」と力強く語り、ファンを安心させる。さらに「この世界に歌手になりたくて入ったわけじゃなくて、これまでにいろんなことをやらせてもらいました。その中で歌と出会って、今は歌手になりたいと強く思っています。ここまで歌うことが好きになると思っていなかった。でもやるからには本物を目指したい」「皆さんがいてくれたから、渋谷公会堂の舞台まで行くことができました。でも私の夢は日本武道館です。なので、皆さんとそこに行けるように、いただいた時間を価値のある時間にしていきたいと思っています。また皆さん会いましょう!」と瞳を潤ませた。そして彼女は「最後に届けたい歌があります」とnishi-kenの伴奏で「永遠と瞬間」を歌い始める。最後まで歌い切った彼女は名残惜しそうにステージをあとにした。

「彩未」コールを受け、白いドレスに着替えて再登場した武藤は「明日の風」でアンコールを開始する。アンコール2曲目の「彩りの夏」ではサプライズで会場一面に白いサイリウムが掲げられ、彼女は思わず感涙。突然の出来事に歌が止まってしまうと、オーディエンスは彼女の代わりに合唱し、会場が感動的な雰囲気に包まれた。曲が終わると武藤は「聞いてないしぃ。泣かないでここまでこれたと思ってたのに!」と泣き笑い、「皆さんのことが大好きです!」と地声で叫んで舞台袖へと捌けた。ダブルアンコールでは「今の私にぴったりな曲」と紹介して、「OWARI WA HAJIMARI」を披露。彼女とバンドによる全力パフォーマンスにオーディエンスは盛大なコールで応え、この日一番の盛り上がりを迎えた。バンドメンバーが去ったあと武藤は「また会おうね!」と叫ぶ。そしてBGMとして流れていた「OWARI WA HAJIMARI」に合わせて観客たちが「OWARI WA HAJIMARI」と歌うと、にっこりと笑顔を見せ、深くお辞儀をしてスキップでステージを下りた。

ダブルアンコールが終わっても観客たちはフロアを離れようとはせず、武藤の再登場を待つ。それを受けてステージに戻った武藤は瞳を潤ませながら「悲しいんじゃなくて、次のステップに踏み出せたからうれしいの。皆さんのおかげです。ありがとうございました。私の歌を求めてくれる人がいる限り歌い続けるって前に約束をしました。だから私のことを皆さんが忘れないでいてくれる限り、私は戻ってきたいと思っています。今日は本当にありがとうございました」とメッセージを送って、自身の芸能活動にひとまず終止符を打った。

武藤彩未「A.Y.M.X.」
2015年12月23日 赤坂BLITZ セットリスト

01. ミラクリエイション
02. Doki Doki
03. Daydreamin'
04. Seventeen
05. 宙
06. 未来へのSign
07. 時間というWonderland
08. 女神のサジェスチョン
09. Pearl-White Eve(松田聖子カバー)
10. 桜 ロマンス
11. とうめいしょうじょ
12. 風のしっぽ
13. RUN RUN RUN
14. A.Y.M.
15. 交信曲第1番変口長調
16. パラレルワールド
17. HAPPY CHANCE
18. 永遠と瞬間
<アンコール>
19. 明日の風
20. 彩りの夏
<ダブルアンコール>
21. OWARI WA HAJIMARI

音楽ナタリーをフォロー