子供から大人へと成長していくラブワンによる唯一無二のアルバム

──3rdアルバム「ゆれる青春」はどんな作品になったと感じていますか？

相原一心　挑戦的な楽曲が多くて、1stアルバムや2ndアルバムとはまた違った僕たちを楽しめる作品になりました。今回はバラードが少なく、ライブ映えするようなアップテンポの曲がほとんどで、子供から大人へと成長していくラブワンによる唯一無二のアルバムになったと思います。

笹原遼雅　今回「物語はここから」と「召し上がれ青春」の2つがリード曲なんですけど、“ダブルリード曲”というのは初めての試みで。「物語はここから」は疾走感のあるロック調の楽曲で、「召し上がれ青春」は男女混合グループならではのハモリが楽しめる楽曲です。この2曲の振り幅の大きさにまず驚きました。

イーチ　「召し上がれ青春」ではレコーディングの際に椎名林檎さんと宮本浩次さんの「獣ゆく細道」をイメージして臨んだのですが、自分が歌ったことのない方向性の曲で、歌詞1つひとつにおける歌の強弱や表情をすごく意識してレコーディングに挑みました。かなり試行錯誤しましたね。

佐々木杏莉　1年前にリリースしたアルバム「愛せ、至極散々な僕らの日を」をはじめ、この1年は“青春”をテーマに活動してきましたが、その集大成でもあり、今の私たちの決意が詰まっているのが1曲目の「物語はここから」です。大人になっていく新しい私たちを表現していて、また1つグループとしての強みが増えた気がしてとてもワクワクしています。

矢嶋由菜　男子メンバーの歌唱曲「ぶっ飛ばしてGO!!」や女子メンバーの歌唱曲「Girls Forever」など私たちの世代ならではの等身大の楽曲もありながら「召し上がれ青春」「テンプレファッショニスタ」「イヤナコトナンテフツカデヤメロ」「ビターネクター」のようにちょっと大人な感覚でレコーディングや振り入れをした曲もあります。こういう曲を私たちが歌うことでギャップが生まれないように意識しつつ、これからライブでパフォーマンスしてきたいと思います。

歌いながら踊るのが今までで一番大変な曲

──「召し上がれ青春」は「あなたと私がこれから新しく味わい尽くすのが人生でしょ」という歌詞があるように、かなり大人びた曲ですね。

相原　特に振付がおしゃれで大人っぽくて。洸瑛とイーチが一緒に踊るパートは社交ダンスっぽい振りになっています。

笹原　今までのラブワンにはない色っぽさがあるよね。最初に曲を聴いたとき、歌詞に強気な部分と弱気な部分が混在していて、その振り幅が好きだし、心が揺さぶられました。

佐々木　「召し上がれ青春」にはラップパートがあるんですが、ここまで長尺のラップは今までやったことがなかったので苦戦しました。しかも女子メンバーは低めのキーのラップなので、ラブワンにとってすごく新しい試みですね。これからもっとラップスキルを磨き上げていきたいです。

相原　それと、歌いながら踊るのが今までで一番大変な曲ですね。特に洸瑛やイーチは激しいダンスを踊るので大変だろうなって。

イーチ　サビのテンポがけっこう速くて、洸瑛とは息をするタイミングもそろえなくちゃいけない。お互いの呼吸を感じながら歌って踊るのが大変ではありますが、いいパフォーマンスを見せられるようにがんばっていきたいです。

笹原　サビの「逃げも隠れもしたくなくて」という歌詞の部分では洸瑛とイーチが目を合わせながら歌うんですが、感情をぶつけ合っている感じが見ものだと思います。注目してもらいたいポイントです。

イーチ　洸瑛とはレコーディングのときにどういうふうに歌の強弱を付けるか相談をしたんですけど、ライブのときは感情が赴くままに洸瑛に気持ちをぶつけています。

矢嶋　「あなたと私がこれから新しく味わい尽くすのが人生でしょ」という歌詞のところは私がイーチよりも前の位置にいて、振り返ってイーチを見るんですが、そのときのイーチの表情がめちゃくちゃ好きです。お姉さんの顔をしてるんですよ。

イーチ　そう見えるよう意識しているので伝わっていてよかったです。

矢嶋　あと、杏莉が「プラマイゼロ」ってラップするところがめちゃくちゃカッコいいのでたくさん聴いてほしいです。

佐々木　がんばりました！

感動して涙が出そうになった

──もう1つのリード曲「物語はここから」はアルバム1曲目にふさわしく、未来を切り拓く強い意志が宿ったナンバーです。この曲を歌うことで背中を押された部分はありますか？

相原　背中を押す側になりたいので、押されてる場合じゃないぞと思っています（笑）。

笹原　ごもっともです。

相原　この曲も「召し上がれ青春」と一緒で、「前に前に」という気持ちを表現するほどパフォーマンスに迫力が出る感覚があります。

笹原　これまでのラブワンが持っていた世界観を保ちつつも、もっと幅広い層の方に曲を聴いてもらいたいので、歌詞の理解度をより深めないといけないなと思っています。さらに振りと楽曲がリンクする部分に対する理解度も深めて、パフォーマンスを観てくれる人に強く刺さる楽曲にしていきたいですね。

イーチ　リード曲2曲はキーがけっこう高くて苦戦しました。「物語はここから」は聴く人に強い希望を与えるような曲なのですが、裏声を使うとどこか弱々しい感じになっちゃうので裏声を使うか迷いました。結果、裏声を使いつつも力強い歌になるように心がけたんですけど、歌詞を理解してもっとうまく表現できるようにしていきたいです。

相原　イーチは、この曲の振り入れをしてからワンマンで披露するまで、少しでも時間があったら1人でずっと口ずさんでたよね。「何を口ずさんでるんだろう？」と思ったら「物語はここから」で。

矢嶋　ライブのリハのとき、イーチがファルセットの練習をずっとしていて感動して涙が出そうになった。

イーチ　ありがとうございます。

相原　みんな褒めてたよ。

矢嶋　イーチの顔が赤くなってきた（笑）。

イーチ　（笑）。碧羽と一緒に、ボイトレの先生からこの曲のレッスンを受けたことがあって。「曖昧でも 一瞬でも 偶然でも」というＤメロのパートが、私にとっては声が出るか出ないか微妙な音程だったんですけど、碧羽が「出てるよ！」ってめっちゃ励ましてくれてすごくうれしかったし、力になりました。