NICO武道館リベンジ完遂!次の一手明かす

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昨日8月19日に東京・日本武道館にてNICO Touches the Wallsが単独公演「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」を開催した。

NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」の様子。(撮影:岡田貴之)

NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」の様子。(撮影:岡田貴之)

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彼らが武道館に立つのは、2010年3月以来2度目。前回はチケットを完売させることができなかったが、今回は立ち見が出るほどの大盛況で、約9000人の観客が4人の“リベンジ”を見届けた。なお彼らにとってひさしぶりの大舞台となったこの武道館公演だが、セットも衣装も至ってシンプル。照明とステージの後方に設置された巨大なLEDスクリーンを活用した演出をベースに、4人のプレイを見せることにフォーカスしたライブとなった。

光村龍哉(Vo, G)(撮影:岡田貴之)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:岡田貴之)[拡大]

古村大介(G)(撮影:岡田貴之)

古村大介(G)(撮影:岡田貴之)[拡大]

客電が落ちると同時にSEが止み、ステージが明るく照らされる。メンバーはゆったりとした足取りで順番に姿を見せ、準備が整ったところで対馬祥太郎(Dr)の周囲に集まり円陣を組み手を重ね、気合いを入れる。そして光村龍哉(Vo, G)の「こんばんは。NICO Touches the Wallsです」というおなじみの挨拶から、4人の“リベンジ”は幕を開けた。

まずは対馬の躍動的なドラムの上に古村大介(G)の鳴らす痛快なギターが重なり、1曲目の「Broken Youth」が始まる。サビではオーディエンスの大合唱が起こり、スクリーンには満面の笑みを浮かべた4人が映し出される。アッパーなナンバーで勢いをつけた4人は、一瞬視線を交わすと「THE BUNGY」につなげる。光村が「今、この瞬間この場所は俺たちのものだ。『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン』にようこそ!」と叫ぶと、古村が奏でるギターが小気味よく鳴りライブアンセムが高らかに奏でられた。さらに真っ白なライトがステージを包む中でプレイされた「ホログラム」、対馬の軽やかなビートが高揚感を煽った「夏の大三角形」とシングル曲が連続で披露されていく。4人は汗をにじませながら1音1音を丁寧に奏で、何度も客席を見渡しては武道館に立っている感慨を噛み締めているようだった。

「満を持してこの武道館に帰ってきました。今日はNICO Touches the Walls史上最強で最高の夜にしたいと思います。1人も仲間外れにしないんで、最後までついてきてください!」。そんな光村の言葉から始まったブロックは、ストレートなシングル曲が連なった序盤から一転して、「妄想隊員A」を筆頭にクセのあるロックチューンを軸に展開。古村の奏でるエッジの利いたギターが炸裂した「B.C.G」、オーディエンスをおおいに踊らせ、「今日はその手を一生分離しません!」という光村の殺し文句が観客を熱狂させた「バニーガールとダニーボーイ」と続く。坂倉心悟(B)の激しいベースソロが始まりを告げた「アビダルマ」では、光村の狂気をにじませた声が観客を圧倒した。しかし攻撃的な雰囲気は、新曲「バケモノ」で一変する。深海をイメージさせる照明がステージに落ちる中、不穏でノイジーなギターの音が静まり返った武道館に響き、観客を曲の世界へと誘っていく。そして対馬のスティックカウントと、坂倉が奏でるメロディアスな旋律に憂いを帯びた光村の歌が重なり、シリアスな音世界が会場に広がっていった。そのエモーショナルな雰囲気を引き継ぐように始まった「Diver」は、古村のギターソロを際立たせるアレンジで披露され、曲の新しい一面を観客に印象付けた。

坂倉心悟(B)(撮影:岡田貴之)

坂倉心悟(B)(撮影:岡田貴之)[拡大]

対馬祥太郎(Dr)(撮影:岡田貴之)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:岡田貴之)[拡大]

MCに入り「ちょっと4年前とは違うね」と微笑んだ光村は改めて観客に感謝の思いを伝える。そして「お互いの心の距離をグッと近付ける感じで」「僕らの部屋に遊びに来た感じで、引き続き楽しんでいってください」と、アコースティックギターを抱え古村とともに「Heim」のイントロを爪弾き始めた。スクリーンには穏やかな表情を浮かべた4人の姿がモノクロで映し出され、素朴なアンサンブルとともに柔らかな雰囲気を醸し出す。メンバーのコーラスが深い余韻を残す中、オリエンタルなギターフレーズが「バイシクル」の始まりを告げる。古村は目を閉じ感情を込めるようにギターを弾き、坂倉も対馬も光村の歌に合わせてシンガロングする。原曲よりもテンポを落としたアレンジや、厚いコーラスがブルージーな空気を引き立て、オーディエンスをうっとりと酔わせていた。しかし壮大なスケールを描き出す「Mr.ECHO」で、ノスタルジックな曲で構成されたブロックは終了。深い余韻が残る中、古村の滑らかなタッピングが「ローハイド」の始まりを告げる。再びアグレッシブなモードに戻った4人は、アッパーチューンの連投で武道館の熱気を引き上げた。「こんなんじゃ、明日は土砂降りでございます」と光村に言わしめるほど観客の笑顔が広がった「ニワカ雨ニモ負ケズ」、大きなハンドクラップと合唱が起きた「手をたたけ」を経て、武道館公演のテーマとも言える「天地ガエシ」で本編はクライマックスを迎える。光村が「ここにいる全員で、この武道館の上のタマネギをひっくり返してやりましょうよ! 準備はいいですか?」と叫んだことを機に、対馬の叩くドラムロールと、光村と古村が爪弾くギターのリフが武道館に響きわたる。「僕らのリベンジ」というフレーズを噛み締めるように、4人はアイリッシュ調のナンバーを軽やかにプレイ。曲の途中では紙吹雪が舞い、スクリーンには目の前の美しい光景に見入る4人の顔が映し出された。アウトロでフロントの3人はドラムセットの周りに集まると、対馬と視線を交わし、息をあわせながら演奏の手を止めた。

光村龍哉(Vo, G)(撮影:岡田貴之)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:岡田貴之)[拡大]

NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」の様子。(撮影:岡田貴之)

NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」の様子。(撮影:岡田貴之)[拡大]

観客に見送られてステージを降りた4人だったが、アンコールに応えて再登場。「どうもありがとう。まだまだやっちゃいますか?」という光村の言葉から、前回の武道館公演のアンコールでも1曲目を飾った「image training」を奏でる。みずみずしいサウンドを奏でる盤石のアンサンブルが、この4年のメンバーの成長をしっかり証明していた。MCで「みんなのおかげで華麗なリベンジが果たせたと思います。正直めちゃめちゃ楽しかったです」とうれしそうに報告する光村だが、「もっともっとやりたいです。正直やりたかったけどやれなかった曲があと5倍くらいある。悔しいからまだまだやりたい曲をやるリベンジを来年またやろうと思います」と宣言。「来年の冬に東京と大阪で、ここにいる1人残らず入れる会場でお会いしたいと思います」と早くも“次の一手”を明かす。続けて「今日やってて思いましたけど、俺ら武道館似合うな」と光村がしみじみ語ると、全員が力強く頷く場面も。「引き続き皆さんには僕らのリベンジに付き合ってもらいます。1つ課題をクリアすると次が出てきて、一生リベンジなんです。皆さんには音楽という形でリベンジを果たしていきたいなと」と誓った光村の言葉を表すように披露されたのは新曲「TOKYO Dreamer」。軽やかなギターのカッティングと、鼓動のようなビートに乗せて伸びやかな歌声が全方位に広がっていく。ラストを飾った「N極とN極」では古村と坂倉はステージ上で言葉を交わし、肩を寄せ合いながら弾き慣れたフレーズをかき鳴らす。そして光村はオーディエンスに呼びかけるように、歌詞の一部を「やっぱ君しかいないぞ!」と変えて歌い上げてみせた。その後、楽器を置きステージの前で1列に並んだ4人は、深々とお辞儀をして観客に感謝の思いを伝える。続けて光村が「引き続き俺らのリベンジに付き合ってください。ありがとう。また必ず会いましょう」と再会を約束し、「NICO Touches the Wallsでした!」というオープニングと同じ挨拶をもって4年前のリベンジを完結させた。

なおNICO Touches the Wallsは、本日8月20日に武道館でも披露した「TOKYO Dreamer」と「バケモノ」を収録したシングルとして発表。月末には山梨・山中湖交流プラザきららで行われる野外イベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2014」に出演し、秋は学園祭ツアーを回るなど、“新たなリベンジ”に向けて躍進していく。

※動画は現在非公開です。

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NICO Touches the Walls「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン」
2014年8月19日 日本武道館 セットリスト

01. Broken Youth
02. THE BUNGY
03. ホログラム
04. 夏の大三角形
05. 妄想隊員A
06. B.C.G
07. バニーガールとダニーボーイ
08. アビダルマ
09. バケモノ
10. Diver
11. Heim
12. バイシクル
13. Mr.ECHO
14. ローハイド
15. ニワカ雨ニモ負ケズ
16. 手をたたけ
17. 天地ガエシ
<アンコール>
18. image training
19. TOKYO Dreamer
20. N極とN極

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