押井守「ガルム・ウォーズ」特番で鈴木敏夫の提案に「押し付けられるとやる気になる」

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5月20日に封切られる「ガルム・ウォーズ」の特別番組が3月10日、LINE LIVEにて生配信され、100万人を超える視聴者を集めた。

「ガルム・ウォーズ」特別番組の様子。左から鈴木敏夫、押井守、虚淵玄。

「ガルム・ウォーズ」特別番組の様子。左から鈴木敏夫、押井守、虚淵玄。

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「ガルム・ウォーズ」 (c)I.G Films

「ガルム・ウォーズ」 (c)I.G Films[拡大]

押井守が監督を務め、カナダでオールロケを行った「ガルム・ウォーズ」は、クローン戦士・ガルムを軸に、部族の異なる3人の戦士たちの間に生まれる奇妙な連帯と、“ガルムの真実”を探す彼らの旅路を描くSFファンタジー。番組には押井と、日本語版プロデューサーの鈴木敏夫、宣伝コピーを手がけたシナリオライターの虚淵玄が出演した。

全編英語で撮影された本作の日本語版を朴ロ美(ロは王へんに路)、打越領一らとともに制作した鈴木。同日に初めて日本語版を鑑賞したという押井が「期待してなかったけどすごくよかった」と回答すると、彼とは30年来の友人でもある鈴木は満面の笑みに。

虚淵が「神話に近い寓話的なファンタジーですね。結局、人間のお話ではない。言ってしまえば、作られた人形の悲哀みたいな、ロボットたちの話だから、そこはやっぱり役者さんたちが意識したんではないかと。感情が湧き上がってくるのに、どう表現したらいいかわからないで困惑している人たちの話ですよね」と作品の感想を述べると、普段は小声な押井が「わかってる! ちゃんとわかってるね!」と声を大にする場面も。

「ガルム・ウォーズ」ポスタービジュアル (c)I.G Films

「ガルム・ウォーズ」ポスタービジュアル (c)I.G Films[拡大]

同日には「この国が棄てた幻想を、再び。」という虚淵によるコピーが添えられたポスタービジュアル、予告編が解禁に。そのコピーに対して押井が「いいね。こういう気持ちで作ったから」と述べると、押井のファンであることを公言している虚淵は喜びを隠し切れない様子を見せる。

構想15年を経て公開される本作に対して押井は「15年の間に、この国からファンタジーという物語が消えた。今、誰も物語を作ろうとしないんですよね。だから、真正面から物語をやってみようと思ったの。これ以上でかい物語はないんだって思うくらいの」と制作の意図を明かす。「今の時代って、本当に誰かが物語を必要としてんのかって、最近特に思うんだよ」という押井の言葉を受けて、虚淵も「物語よりキャラクターに一気に比重が行きましたよね」と同調する。押井は続けて「最近のアニメーション観てるとさ、ストーリーはあるけど、物語が全然ないの。あったとしても力強いものじゃなくなってる」と現状を嘆いた。

押井の口から、鈴木や宮崎駿とアイルランドを旅したことが本作のイメージソースになっていることなども明かされた同番組。公開前の自作について「まだ言えないけど本格的にやってみたCMがある、自信作」と語る鈴木は、「虚淵さんが書いて押井さんが作るってないの? 押井さんが1人でやっても面白くない。映画は相方が必要」と押井に詰め寄る。鈴木の挑発に「もうそういうこと言われても腹立たない」と笑う押井は、「実は企画があったんだけど立ち消えになっちゃった。あれはあれでやりたい」と温めている企画があることを告白。身をかわし続ける30年来の友人に「虚淵さんとだったら新しい押井作品ができるよ」と鈴木が食い下がると、押井は「押し付けられたほうがやる気になるんだよね。お金集めて持ってきてよ」とまんざらでもない様子を見せた。

※記事初出時、内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。

※動画は現在非公開です。

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たいぷかのん/スーたん @typekanon

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